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1064.転売屋はカステラを焼く
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「あの、ご主人様少しよろしいですか?」
「アネットどうしたんだ?薬の材料でも切れたのか?」
「そういうわけじゃないんですけど・・・。」
食堂で昼食を摂っていると、遅れてやってきたアネットが申し訳なさそうに声をかけてきた。
来月の旅行に向けて急ピッチで備蓄用の薬を作っているはずなんだが、どうやら材料不足ではないらしい。
何かあったと考えるべきなんだろうけど、なんだろうそういう雰囲気でもないんだよなぁ。
「なんだ、言ってみろ。」
「甘いものがですね、食べたいんです。」
「甘いもの?」
「はい。なんていうか、ふわふわでそれでいて仄かに甘いのがいいんです。そんなお菓子知りませんか?」
まさか昼飯を食う前におやつの心配をするとは思わなかったが、本人の真剣な顔を見ると本気で食べたがっているようだ。
うーん、甘いものが食べたいという割に仄かな甘さで、しかもフワフワしていると来たか。
最初に思いついたのはケーキだが、そういうのはエリザの管轄なんだよなぁ。
脳筋の癖にシビアな配分や焼き加減を要求される菓子作りが得意ってのがよくわからん。
でもあいつの作る菓子はドルチェにも引けを取らないんだよなぁ。
とはいえ今アネットが求めているのはそういう感じの菓子ではないようだ。
もっとこうシンプルな感じなんだろう。
うーむふわふわで甘い菓子、わたあめとかどうだろうか。
あれもふわふわで甘い感じだが・・・いや、まずは高速で回転しつつ加熱する装置を開発しなければならないか。
そういうんじゃないんだよなぁ。
とりあえず皿の上に乗った焼き魚をほぐしつつ記憶の奥底から該当しそうな菓子を検索。
仮に見つかったとしてもそれを再現できるかと聞かれるとまた別の話になるわけで。
「すまん、今すぐは思いつかない。」
「そうですよね。ごめんなさいお食事中に。」
「また何か思いついたら作ってやるから、それまでもう少し待ってくれ。」
「ありがとうございます。」
折角アネットが頼りにしてくれたというのにすぐに思いつかない俺を許してくれ。
食事を済ませ、いつものように露店を回った後店に顔を出す。
特に変わった様子もなく新しい菓子のヒントも見つかっていない。
「あ、シロウさん。さっきイライザさんが来てましたよ。」
「イライザさんが?」
「この間譲ってもらったアイアンタートルの甲羅ですけど、かなり使い勝手がいいそうです。」
「それを伝えにわざわざ来てくれたのか、悪いことしたなぁ。」
この間買い付けた甲羅のうち一つはイライザさんに、もう一つはマスターの店にそれぞれ銀貨15枚で販売させてもらった。
買い取り金額は銀貨50枚だったのでこれだけでは赤字だが、残ったうちの二枚は屋敷で使うし最後の一つはファンへの選別として渡すつもりでいるので、自分の分を考えればトントンという感じだろう。
料理人のお墨付きが出たようだし、これは改めて買い付けをしてもいいかもしれない。
「確かおっきなお鍋みたいな甲羅ですよね。」
「あぁ、大量に料理を作るのにはぴったりな大きさだった。」
「お料理もいいですけど、それいっぱいのケーキとか食べたいです。」
「腹壊すぞ。」
「えー、大丈夫ですよ。」
何を根拠に大丈夫というのかは全く不明だが、甘いものは別腹というし本当に食べきってしまいそうな雰囲気もある。
痩せの大食いとはよく言ったもんだ。
「あ、そうだ!」
「ん?」
「さっきすっごいの買い取ったんです。」
突然ポンと自分の左手をこぶしでたたき、メルディが慌てた様子で店の裏へと消えてしまった。
裏庭への扉が開いた音がしたので倉庫に何かを取りに行ったんだろう。
その場で待つこと三分。
『たすけてください~』というなんとも情けない声を聞き、慌てて店の奥に行くと想像もしていなかった光景が待ち構えていた。
「なんだこれ。」
「はぁ、重かった。ついさっき買い取った卵です。」
「いや、卵は見たらわかる。それにしてもでかすぎるだろ。」
「ドラゴンバードっていう魔物の卵みたいですね。」
「ドラゴンなのか鳥なのかどっちなんだ?」
「一応ドラゴンみたいに大きな鳥、なんだと思います。多分ですけど。」
多分かよと心の中でツッコミを入れつつ、床に置かれた巨大な卵に手を触れる。
『ドラゴンバード。ドラゴンの名を冠する鳥類最大の魔獣。体長は2mを超え、鳴き声は三つ向こうの山にまで響くといわれているが性格は非常に温厚で毎月一回だけ巨大な卵を産む。卵は非常に栄養価が高い物の、調理に使うには量が多すぎるため持て余してしまうことが多い。最近の平均取引価格は銀貨11枚。最安値銀貨7枚、最高値銀貨19枚、最終取引日は3日前と記録されています。』
高さ50cmほど、一抱えもありそうな巨大な卵から考えて生まれてくる雛もなかなかの大きさなんだろう。
バーンの入っていた卵と同じか、それよりも大きな感じ。
それが大きくなったら・・・たしかにドラゴンぐらい大きいのかもしれない。
いくら温厚だとわかっていても出来れば出会いたくない魔物だな。
このサイズの卵がもうひとつ倉庫にあるらしい。
買取額は1つ銀貨20枚。
買取屋なんだし別に買うことは悪くないのだがよくまぁこのでかいのを買ったもんだ。
「しかしでかすぎだろこれは。」
「これなら大きな卵焼きが作れそうですね。」
「卵焼きってレベルなのかこれは。」
「えー、でもお鍋いっぱいの卵焼き美味しそうじゃありません?」
「それなら俺は・・・。」
そこまで言ったところで頭の中にとある映像が流れては消えた。
子供の頃に読んだ絵本。
ほんの一瞬、それなのに大まかな物語がわかってしまうんだから子供のころの記憶ってのは侮れないな。
あの話も確かこんな大きな卵が出てきたはずだ。
その物語で作ったのはアネットが所望した甘くてフワフワしたお菓子。
それをここで再現できるかはわからないけれど、やってみる価値があるはずだ。
「どうしました?」
「この卵使っていいんだよな?」
「そりゃ、買い取った品はシロウさんの物ですし。え、卵焼きにするんですか?」
「まぁ似たようなものだ。」
一体どのぐらいの分量が必要なのかは見当もつかないが、こういう時には下手に手を出すよりも慣れた人間に手伝ってもらうのが大切だ。
卵を畑に運んでもらう間に俺は屋敷に戻ってこの間の鍋と大量の材料を用意する。
空気を読んだように少し早めに戻ってきていたエリザを拉致してその足で畑にとんぼ返りした。
「ちょっと、いったい何なのよ。」
「カステラを作るんだ、手伝ってくれ。」
「カステラってなに?」
「あー、卵を使ったふわふわのお菓子だ。」
とりあえず記憶にある作り方を一から説明。
まずは卵を割って卵黄と卵白に分ける。
卵白に砂糖を加えてよく泡立て、角がたったらそこに卵黄と溶かしたバターと牛乳を投入。
なじんだところで小麦粉を混ぜ、生地が出来上がったら大量のバターをなじませたアイアンタートルの甲羅に流し込んで蓋をする。
強火ですると焦げてしまうので、出来るだけ弱火でじっくり時々粗熱をとりながら焼き上げれば完成だ。
「「「「「おぉ~~~~。」」」」」」
蓋を外した瞬間に様子を見に集まってきた観客たちが驚きの声を上げる。
そうそう、これだよこれ。
まるで巨大な満月のような黄色くて丸くてそしてふわふわのカステラ。
お菓子作りってのは分量を間違えると失敗しがちなのだが、俺の話を聞いただけで正確に砂糖やワイルドカウのミルクを入れてしまうあたりエリザのセンスは素晴らしい。
菓子職人になった方がいいんじゃないかと思ってしまうが、本人はあくまでも趣味の延長ととらえているみたいだな。
いつか冒険者をやめる日が来たとしたら、こっちで店を出してもらうことも考えておこう。
「美味い!」
「え、ほんと!よかった、初めてだから心配だったのよね。」
「初めてでこんなに美味しいのを作れるなんて、エリザさんさすがです!」
「えへへ、もっと褒めていいのよ。」
「よくやった。こんなに美味いカステラを作れるなんて、俺は最高の嫁さんをもらったなぁ。」
「ちょっとやめてよ、そんなに褒められたらどんな顔したらいいかわからなくなるじゃない!」
褒めてほしいのか止めてほしいのかどっちなんだよ。
イヤイヤをするように両手を動かすエリザを横目に、出来上がったばかりのカステラを頬張る。
あー、うまい。
もちろん俺達だけで独占する気はないので、ちゃんと切り分けて一皿銅貨10枚で販売するのも忘れない。
え、ただじゃないのかって?
折角金になるのになんで無料で提供しなきゃいけないんだよ。
思い付きで作っただけなので高値で売りつけるつもりはないのだが、せめて元を取るぐらいは稼ぎたいところだ。
あまりのでかさに鍋一つでは足りず、予備に置いておいたもう一つを使ってつくった巨大カステラ。
あっという間に噂が広がり、残りの卵も使ってもう一回作ることになってしまった。
小遣い稼ぎのつもりがまさかこんなに儲けが出るとは。
ほのかに甘くてフワフワなお菓子を食べたいというだけあって、飛んできたアネットもかなりのペースでかぶりついている。
そんなに喜んでくれたら作った甲斐があったってもんだ。
「シロウ様ありがとうございました。」
「礼はエリザに言ってくれ、上手に作れたのも全部エリザのおかげだ。」
「ありがとうございますエリザ様、また作ってくださいね。」
「材料が手に入ったらね。」
それならそう遠くないタイミングで手に入るんじゃないだろうか。
鑑定結果から察するに卵はあまり利用されていないらしい。
しかも毎月一個は産むそうなので、個体数によってはかなりの数が手に入るかもしれない。
それこそ毎日作ることができるぐらいに。
これだけ美味しいのなら毎日でも食べられるな、なんてことを考えながら新しいカステラに手を伸ばすのだった。
「アネットどうしたんだ?薬の材料でも切れたのか?」
「そういうわけじゃないんですけど・・・。」
食堂で昼食を摂っていると、遅れてやってきたアネットが申し訳なさそうに声をかけてきた。
来月の旅行に向けて急ピッチで備蓄用の薬を作っているはずなんだが、どうやら材料不足ではないらしい。
何かあったと考えるべきなんだろうけど、なんだろうそういう雰囲気でもないんだよなぁ。
「なんだ、言ってみろ。」
「甘いものがですね、食べたいんです。」
「甘いもの?」
「はい。なんていうか、ふわふわでそれでいて仄かに甘いのがいいんです。そんなお菓子知りませんか?」
まさか昼飯を食う前におやつの心配をするとは思わなかったが、本人の真剣な顔を見ると本気で食べたがっているようだ。
うーん、甘いものが食べたいという割に仄かな甘さで、しかもフワフワしていると来たか。
最初に思いついたのはケーキだが、そういうのはエリザの管轄なんだよなぁ。
脳筋の癖にシビアな配分や焼き加減を要求される菓子作りが得意ってのがよくわからん。
でもあいつの作る菓子はドルチェにも引けを取らないんだよなぁ。
とはいえ今アネットが求めているのはそういう感じの菓子ではないようだ。
もっとこうシンプルな感じなんだろう。
うーむふわふわで甘い菓子、わたあめとかどうだろうか。
あれもふわふわで甘い感じだが・・・いや、まずは高速で回転しつつ加熱する装置を開発しなければならないか。
そういうんじゃないんだよなぁ。
とりあえず皿の上に乗った焼き魚をほぐしつつ記憶の奥底から該当しそうな菓子を検索。
仮に見つかったとしてもそれを再現できるかと聞かれるとまた別の話になるわけで。
「すまん、今すぐは思いつかない。」
「そうですよね。ごめんなさいお食事中に。」
「また何か思いついたら作ってやるから、それまでもう少し待ってくれ。」
「ありがとうございます。」
折角アネットが頼りにしてくれたというのにすぐに思いつかない俺を許してくれ。
食事を済ませ、いつものように露店を回った後店に顔を出す。
特に変わった様子もなく新しい菓子のヒントも見つかっていない。
「あ、シロウさん。さっきイライザさんが来てましたよ。」
「イライザさんが?」
「この間譲ってもらったアイアンタートルの甲羅ですけど、かなり使い勝手がいいそうです。」
「それを伝えにわざわざ来てくれたのか、悪いことしたなぁ。」
この間買い付けた甲羅のうち一つはイライザさんに、もう一つはマスターの店にそれぞれ銀貨15枚で販売させてもらった。
買い取り金額は銀貨50枚だったのでこれだけでは赤字だが、残ったうちの二枚は屋敷で使うし最後の一つはファンへの選別として渡すつもりでいるので、自分の分を考えればトントンという感じだろう。
料理人のお墨付きが出たようだし、これは改めて買い付けをしてもいいかもしれない。
「確かおっきなお鍋みたいな甲羅ですよね。」
「あぁ、大量に料理を作るのにはぴったりな大きさだった。」
「お料理もいいですけど、それいっぱいのケーキとか食べたいです。」
「腹壊すぞ。」
「えー、大丈夫ですよ。」
何を根拠に大丈夫というのかは全く不明だが、甘いものは別腹というし本当に食べきってしまいそうな雰囲気もある。
痩せの大食いとはよく言ったもんだ。
「あ、そうだ!」
「ん?」
「さっきすっごいの買い取ったんです。」
突然ポンと自分の左手をこぶしでたたき、メルディが慌てた様子で店の裏へと消えてしまった。
裏庭への扉が開いた音がしたので倉庫に何かを取りに行ったんだろう。
その場で待つこと三分。
『たすけてください~』というなんとも情けない声を聞き、慌てて店の奥に行くと想像もしていなかった光景が待ち構えていた。
「なんだこれ。」
「はぁ、重かった。ついさっき買い取った卵です。」
「いや、卵は見たらわかる。それにしてもでかすぎるだろ。」
「ドラゴンバードっていう魔物の卵みたいですね。」
「ドラゴンなのか鳥なのかどっちなんだ?」
「一応ドラゴンみたいに大きな鳥、なんだと思います。多分ですけど。」
多分かよと心の中でツッコミを入れつつ、床に置かれた巨大な卵に手を触れる。
『ドラゴンバード。ドラゴンの名を冠する鳥類最大の魔獣。体長は2mを超え、鳴き声は三つ向こうの山にまで響くといわれているが性格は非常に温厚で毎月一回だけ巨大な卵を産む。卵は非常に栄養価が高い物の、調理に使うには量が多すぎるため持て余してしまうことが多い。最近の平均取引価格は銀貨11枚。最安値銀貨7枚、最高値銀貨19枚、最終取引日は3日前と記録されています。』
高さ50cmほど、一抱えもありそうな巨大な卵から考えて生まれてくる雛もなかなかの大きさなんだろう。
バーンの入っていた卵と同じか、それよりも大きな感じ。
それが大きくなったら・・・たしかにドラゴンぐらい大きいのかもしれない。
いくら温厚だとわかっていても出来れば出会いたくない魔物だな。
このサイズの卵がもうひとつ倉庫にあるらしい。
買取額は1つ銀貨20枚。
買取屋なんだし別に買うことは悪くないのだがよくまぁこのでかいのを買ったもんだ。
「しかしでかすぎだろこれは。」
「これなら大きな卵焼きが作れそうですね。」
「卵焼きってレベルなのかこれは。」
「えー、でもお鍋いっぱいの卵焼き美味しそうじゃありません?」
「それなら俺は・・・。」
そこまで言ったところで頭の中にとある映像が流れては消えた。
子供の頃に読んだ絵本。
ほんの一瞬、それなのに大まかな物語がわかってしまうんだから子供のころの記憶ってのは侮れないな。
あの話も確かこんな大きな卵が出てきたはずだ。
その物語で作ったのはアネットが所望した甘くてフワフワしたお菓子。
それをここで再現できるかはわからないけれど、やってみる価値があるはずだ。
「どうしました?」
「この卵使っていいんだよな?」
「そりゃ、買い取った品はシロウさんの物ですし。え、卵焼きにするんですか?」
「まぁ似たようなものだ。」
一体どのぐらいの分量が必要なのかは見当もつかないが、こういう時には下手に手を出すよりも慣れた人間に手伝ってもらうのが大切だ。
卵を畑に運んでもらう間に俺は屋敷に戻ってこの間の鍋と大量の材料を用意する。
空気を読んだように少し早めに戻ってきていたエリザを拉致してその足で畑にとんぼ返りした。
「ちょっと、いったい何なのよ。」
「カステラを作るんだ、手伝ってくれ。」
「カステラってなに?」
「あー、卵を使ったふわふわのお菓子だ。」
とりあえず記憶にある作り方を一から説明。
まずは卵を割って卵黄と卵白に分ける。
卵白に砂糖を加えてよく泡立て、角がたったらそこに卵黄と溶かしたバターと牛乳を投入。
なじんだところで小麦粉を混ぜ、生地が出来上がったら大量のバターをなじませたアイアンタートルの甲羅に流し込んで蓋をする。
強火ですると焦げてしまうので、出来るだけ弱火でじっくり時々粗熱をとりながら焼き上げれば完成だ。
「「「「「おぉ~~~~。」」」」」」
蓋を外した瞬間に様子を見に集まってきた観客たちが驚きの声を上げる。
そうそう、これだよこれ。
まるで巨大な満月のような黄色くて丸くてそしてふわふわのカステラ。
お菓子作りってのは分量を間違えると失敗しがちなのだが、俺の話を聞いただけで正確に砂糖やワイルドカウのミルクを入れてしまうあたりエリザのセンスは素晴らしい。
菓子職人になった方がいいんじゃないかと思ってしまうが、本人はあくまでも趣味の延長ととらえているみたいだな。
いつか冒険者をやめる日が来たとしたら、こっちで店を出してもらうことも考えておこう。
「美味い!」
「え、ほんと!よかった、初めてだから心配だったのよね。」
「初めてでこんなに美味しいのを作れるなんて、エリザさんさすがです!」
「えへへ、もっと褒めていいのよ。」
「よくやった。こんなに美味いカステラを作れるなんて、俺は最高の嫁さんをもらったなぁ。」
「ちょっとやめてよ、そんなに褒められたらどんな顔したらいいかわからなくなるじゃない!」
褒めてほしいのか止めてほしいのかどっちなんだよ。
イヤイヤをするように両手を動かすエリザを横目に、出来上がったばかりのカステラを頬張る。
あー、うまい。
もちろん俺達だけで独占する気はないので、ちゃんと切り分けて一皿銅貨10枚で販売するのも忘れない。
え、ただじゃないのかって?
折角金になるのになんで無料で提供しなきゃいけないんだよ。
思い付きで作っただけなので高値で売りつけるつもりはないのだが、せめて元を取るぐらいは稼ぎたいところだ。
あまりのでかさに鍋一つでは足りず、予備に置いておいたもう一つを使ってつくった巨大カステラ。
あっという間に噂が広がり、残りの卵も使ってもう一回作ることになってしまった。
小遣い稼ぎのつもりがまさかこんなに儲けが出るとは。
ほのかに甘くてフワフワなお菓子を食べたいというだけあって、飛んできたアネットもかなりのペースでかぶりついている。
そんなに喜んでくれたら作った甲斐があったってもんだ。
「シロウ様ありがとうございました。」
「礼はエリザに言ってくれ、上手に作れたのも全部エリザのおかげだ。」
「ありがとうございますエリザ様、また作ってくださいね。」
「材料が手に入ったらね。」
それならそう遠くないタイミングで手に入るんじゃないだろうか。
鑑定結果から察するに卵はあまり利用されていないらしい。
しかも毎月一個は産むそうなので、個体数によってはかなりの数が手に入るかもしれない。
それこそ毎日作ることができるぐらいに。
これだけ美味しいのなら毎日でも食べられるな、なんてことを考えながら新しいカステラに手を伸ばすのだった。
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