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1095.転売屋は相場スキルで確認する
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この秋は何となくいつもよりも短く感じるのは気のせいではないだろう。
南方に旅行していたからっていうのもあるかもしれないが、急に寒くなってしまったせいでもう冬が来たのかと誤解してしまっているのかもしれない。
明日はもう冬。
今朝の冷え込みでも十分に寒いのに、これが冬本番になったらどうなってしまうのだろうか。
その日の為に燃料の備蓄を増やしたり色々策は講じてきたものの、秋と違って四か月続くからなぁ。
その間持つのかと聞かれたら正直不安なところはある。
まぁ、そうなってもいいようにこの間カイロ袋を考案したわけで、早速焔の石を袋の中に放り込んで暖を取りながら秋最後の露店をのんびり冷かしているのだが・・・。
「ん?」
「どうしました?」
「いや、俺の気のせいだったらいいんだが全体的に値段が上がってないか?」
「といいますと?」
「そこの岩塩もそうだし、砂糖なんかも夏頃はもう少し安かったと思うんだが・・・。」
露店には様々な商材が並んでいる。
武器や防具だけでなく日用品や食品、一般商店に並んでいるようなものも普通に置かれている。
ふと目が留まったのは岩塩の塊をドン!とおいている店。
店頭の商品に貼られていたのは一盛銀貨1枚の札で、夏の頃は確か銅貨70枚ぐらいだったと記憶している。
もっともこの街の場合は他所と違ってお金の出入りが激しい為相場が若干インフレ気味ではあるのだが、それでも値上がりしすぎだろう。
海塩と違ってダンジョンでも発掘されているだけに値段はそこまで上がらないはず。
念のため同行したミラと一緒に他の店も見て回ったのだが、どこも似たような値段設定だった。
『岩塩。塩成分が濃縮される中で結晶化し、巨大化したもの。主に塩湖で採掘されることが多いが、ダンジョン内に塩棚があることもあり、そこから採掘されることもある。最近の平均取引価格は銀貨1枚。最安値銅貨80枚、最高値銀貨1枚と銅貨30枚、最終取引日は本日と記録されています。』
相場スキルを確認しても同じ結果が表示されている。
最安値はおそらく採掘されている現場での取引価格で最高値はそこから一番遠い場所の値段だろう。
うちの場合は足元で採掘されているもののインフレを加味してこの値段。
それでもやっぱり高いよなぁ。
「やっぱり高いよな。」
「そうですね。正直全体的な物価が上がり気味でしたのであまり気にしていませんでしたが、言われてみると高く感じます。」
「この感じだと岩塩の他にも高くなっているものがあるかもしれない、ちょっと調べてみるか。」
「何を中心に探しますか?」
「この感じから察するに調味料系だな、塩、砂糖、ぺパペッパー、ついでに麦と芋の値段も確認しておこう。俺はメルディに声をかけてくる。」
「では確認しましたらお店に戻ります。」
現時点での相場を見るだけなら俺の相場スキルで事足りるが、長期相場になるとメルディの右に出る者はいない。
とりあえず現時点での相場はミラに確認してもらってメルディと一緒に答え合わせをしようじゃないか。
この違和感が気のせいであればそれに越したことはないのだが、もし気のせいじゃなかったとしたら色々と考えなければならない。
ひとまず店に向かって、メルディに岩塩や砂糖を用意してもらい片っ端から鑑定していく。
とりあえず相場スキルでおおよその価格を確認したうえでミラに確認してもらった相場と照らし合わせ、最後にメルディに長期相場と照らし合わせてもらう。
「やっぱり全体的に上がってます。」
「あー、やっぱりか。」
「岩塩は銅貨30枚、砂糖は銅貨20枚、ぺパペッパーに至っては銅貨40枚でほぼ倍に値上がりしている感じです。麦は例年収穫後に値下がりするはずなんですけど、今はじりじり上がってますね。お芋は・・・ミラ様、これって銅貨55枚で間違いないですか?」
「おいていた店の平均値になりますが間違いありません。」
「じゃあこれも銅貨10枚ぐらい高いですね、なんででしょう。」
不思議そうに首をかしげるメルディをよそに俺は大きなため息をついた。
そうか、気のせいじゃなかったか。
ミラが持ち帰った平均値とメルディが取引所で確認している直近三か月の相場を比較すると、やはり夏の終わり頃からじりじり値上がりしてきているようだ。
街のインフレは今に始まった事じゃないのだが、上がっているのが特定の品目。
ずばり食べ物の基礎になる者ばかりだった。
塩に砂糖、それと主食である麦と芋。
普段はあまり上下しないはずのこれらがここまで顕著に値上がりしているのはどう考えてもおかしい。
今まで気づかなかったり問題にならなかったのは住民が比較的裕福な生活を送っているからだろう。
いきなり上がったら文句も出るだろうが、少しずつ上がると気づくのが遅くなる。
この時期は感謝祭を前に皆お金をため始めるので、それで値上がりしても生活に困らず気づかなかったのかもしれない。
ともかくだ、値上がりしているのは間違いないんだしこれは早急に手を打たなければならないだろう。
「十中八九西方の戦争が影響してるな。誰かが安いのを買い占めてそれで一定の価格まで値段が上がっていってるんだろう。戦争が始まれば物流は滞るだろうし、戦地に送る兵站も準備しなきゃならない。そうなると必然的に主要な食糧物資が徴収されるから一気に値段が高くなるんでその前に確保しておきたいんだろう。幸いこの街は羊男が備蓄に力を入れているから困る事はないと思うが、長い目で見るとやばいかもしれない。ミラ、確か取引所は取引した人物まで確認できたよな?」
「可能です。」
「なら同じような価格で仕入れをしつつ調べてみてくれ。俺は羊男の所に言って情報を集めてくる。」
「え、シロウさんも買い付けるんですか?」
「今後値上がりするとわかっていて買い付けない理由があるか?もちろん街の在庫を買い占めるわけにはいかないから広範囲にわたって仕入れの網を広げるつもりだ。」
これから値上がりするものを仕入れてこその転売。
仮に値上がりしなかったとしても、これらはすべて日常的に消費されるものだけに利益は出なくても在庫を抱えて損をすることもない。
さすがに街中の在庫を買い占めたらひんしゅくを買うからな、迷惑が掛からない程度に買い付けを継続する感じで行こう。
幸い麦なんかは収穫時期を超えたばかりで量がある。
問題は置いておく場所だが、冬になれば傷む心配も減る上に俺には廃鉱山という強い味方があるので心配ない。
「何となくそんな感じはしていたんですが、やっぱり気のせいじゃありませんでしたか。」
「なんだ気づいていたなら対応しとけよ。」
「対応って言っても出来る事は限られますし、そもそも起きてもいない戦争をネタに販売を停止するなんてできませんよ。一応私の方でもわずかではありますが備蓄を増やしていましたけど、いざとなったらシロウさんが売ってくれますよね?」
ギルド協会に向かい羊男に事の次第を説明したのだが、向こうは向こうで把握していたようだ。
それに合わせて備蓄も増やしていたようだけど、俺と違って原資が税金なのであまり派手に買い付けることはできなかったようだ。
その点俺は好きなように金を使えるので、かなりの量を仕入れることができるのだが・・・。
「無理だ。」
「どうしてですか?シロウさんがこのタイミングで買い付けないなんてありえないでしょ。」
「もちろん買い付けるさ。だが、売るのは街にじゃなくもっと高く買ってくれる相手。これも商売だからな、悪く思わないでくれ。」
「それは街よりも優先する相手ですか?」
「もちろんだ。誤解しているようだが俺は別にこの街に従順ってわけじゃない、あくまでも利害が一致しているから色々と手を貸しているだけで、都合が悪くなればさっさとここを出て別の街に移動すればいいだけの話だからな。商売なんてのはどこでもできる。」
この辺の線引きはしっかりしておかなければならない。
確かに俺は貴族になったが別にこの街に所属しているわけじゃない。
あくまでも最初に到着したのがこの街だったってだけだし、ダンジョンがある方が商売柄都合がいいのでここを本拠地にしているだけに過ぎない。
金儲けをするだけなら王都に言った方が儲けは出る、でもそれをしないのはそういった理由があるから。
だからと言ってこの街に忠誠を誓ったわけでも服従しているわけでもない。
あくまでもギブ&テイクで成り立っている公平な関係だと思っているんだが。
向こうはどう思ってるんだろうなぁ。
「シロウさんってそういう人ですからね、それを無理強いする事はできません。」
「よくわかってるじゃないか。」
「でも頼りにはしています。」
「期待するのは結構だがあてにするのは勘弁してくれ。ってことで俺はそれなりに買い付けに回るからその辺はよろしく頼む。」
「適正な値段かつ買い占めないのであればギルド協会が口を出すつもりはありませんよ。しっかり儲けて街にお金を落としてください。」
羊男も俺がどういう人間かは短い付き合いながらよく把握してくれているので、これ以上のことは何も突っ込まないことにしたようだ。
俺の原動力は金儲け。
その為だったら基本何でもするし、さっきも言ったように街を優先することはない。
安いうちに仕入れて、それを高く買う人に転がすだけ。
あくまでも需要と供給に基づいた経済理念にのっとったまでの話だ。
ここで商売ができないのなら他所に行く、それを望んでいないのなら静かにしておいてほしい。
もちろん俺だってただ搾取するつもりはないので、商売させてもらっている間はそれなりの便宜を図るつもりではいるのだが、これは対等な関係を維持するために過ぎない。
「話は変わるが、例の査察の件。あれを主導してる人物って誰かわかるか?」
「すみませんそこまではなんとも。」
「そうか、気にしないでくれ。」
「またわかったらご報告します。近々ではないと思いますが、一応気を付けてください。」
「気を付けるって言っても別に何も悪いことしてないからなぁ。」
一応品行方正でここまで来ているので別に何かを言われることはない・・・と、思っている。
もちろん向こうが何を目的としているのかがわからないので断定は出来ないわけだけども。
やれやれ、戦争が始まろうっていうのに面倒なことだ。
とりあえずギルド協会のお墨付きは貰ったので買い付けの準備を始めよう。
そろそろミラが調査を終えているはずなので合流して、それからどこから手配するかみんなで相談だな。
明日からいよいよ冬。
一体何が起きるのやら。
南方に旅行していたからっていうのもあるかもしれないが、急に寒くなってしまったせいでもう冬が来たのかと誤解してしまっているのかもしれない。
明日はもう冬。
今朝の冷え込みでも十分に寒いのに、これが冬本番になったらどうなってしまうのだろうか。
その日の為に燃料の備蓄を増やしたり色々策は講じてきたものの、秋と違って四か月続くからなぁ。
その間持つのかと聞かれたら正直不安なところはある。
まぁ、そうなってもいいようにこの間カイロ袋を考案したわけで、早速焔の石を袋の中に放り込んで暖を取りながら秋最後の露店をのんびり冷かしているのだが・・・。
「ん?」
「どうしました?」
「いや、俺の気のせいだったらいいんだが全体的に値段が上がってないか?」
「といいますと?」
「そこの岩塩もそうだし、砂糖なんかも夏頃はもう少し安かったと思うんだが・・・。」
露店には様々な商材が並んでいる。
武器や防具だけでなく日用品や食品、一般商店に並んでいるようなものも普通に置かれている。
ふと目が留まったのは岩塩の塊をドン!とおいている店。
店頭の商品に貼られていたのは一盛銀貨1枚の札で、夏の頃は確か銅貨70枚ぐらいだったと記憶している。
もっともこの街の場合は他所と違ってお金の出入りが激しい為相場が若干インフレ気味ではあるのだが、それでも値上がりしすぎだろう。
海塩と違ってダンジョンでも発掘されているだけに値段はそこまで上がらないはず。
念のため同行したミラと一緒に他の店も見て回ったのだが、どこも似たような値段設定だった。
『岩塩。塩成分が濃縮される中で結晶化し、巨大化したもの。主に塩湖で採掘されることが多いが、ダンジョン内に塩棚があることもあり、そこから採掘されることもある。最近の平均取引価格は銀貨1枚。最安値銅貨80枚、最高値銀貨1枚と銅貨30枚、最終取引日は本日と記録されています。』
相場スキルを確認しても同じ結果が表示されている。
最安値はおそらく採掘されている現場での取引価格で最高値はそこから一番遠い場所の値段だろう。
うちの場合は足元で採掘されているもののインフレを加味してこの値段。
それでもやっぱり高いよなぁ。
「やっぱり高いよな。」
「そうですね。正直全体的な物価が上がり気味でしたのであまり気にしていませんでしたが、言われてみると高く感じます。」
「この感じだと岩塩の他にも高くなっているものがあるかもしれない、ちょっと調べてみるか。」
「何を中心に探しますか?」
「この感じから察するに調味料系だな、塩、砂糖、ぺパペッパー、ついでに麦と芋の値段も確認しておこう。俺はメルディに声をかけてくる。」
「では確認しましたらお店に戻ります。」
現時点での相場を見るだけなら俺の相場スキルで事足りるが、長期相場になるとメルディの右に出る者はいない。
とりあえず現時点での相場はミラに確認してもらってメルディと一緒に答え合わせをしようじゃないか。
この違和感が気のせいであればそれに越したことはないのだが、もし気のせいじゃなかったとしたら色々と考えなければならない。
ひとまず店に向かって、メルディに岩塩や砂糖を用意してもらい片っ端から鑑定していく。
とりあえず相場スキルでおおよその価格を確認したうえでミラに確認してもらった相場と照らし合わせ、最後にメルディに長期相場と照らし合わせてもらう。
「やっぱり全体的に上がってます。」
「あー、やっぱりか。」
「岩塩は銅貨30枚、砂糖は銅貨20枚、ぺパペッパーに至っては銅貨40枚でほぼ倍に値上がりしている感じです。麦は例年収穫後に値下がりするはずなんですけど、今はじりじり上がってますね。お芋は・・・ミラ様、これって銅貨55枚で間違いないですか?」
「おいていた店の平均値になりますが間違いありません。」
「じゃあこれも銅貨10枚ぐらい高いですね、なんででしょう。」
不思議そうに首をかしげるメルディをよそに俺は大きなため息をついた。
そうか、気のせいじゃなかったか。
ミラが持ち帰った平均値とメルディが取引所で確認している直近三か月の相場を比較すると、やはり夏の終わり頃からじりじり値上がりしてきているようだ。
街のインフレは今に始まった事じゃないのだが、上がっているのが特定の品目。
ずばり食べ物の基礎になる者ばかりだった。
塩に砂糖、それと主食である麦と芋。
普段はあまり上下しないはずのこれらがここまで顕著に値上がりしているのはどう考えてもおかしい。
今まで気づかなかったり問題にならなかったのは住民が比較的裕福な生活を送っているからだろう。
いきなり上がったら文句も出るだろうが、少しずつ上がると気づくのが遅くなる。
この時期は感謝祭を前に皆お金をため始めるので、それで値上がりしても生活に困らず気づかなかったのかもしれない。
ともかくだ、値上がりしているのは間違いないんだしこれは早急に手を打たなければならないだろう。
「十中八九西方の戦争が影響してるな。誰かが安いのを買い占めてそれで一定の価格まで値段が上がっていってるんだろう。戦争が始まれば物流は滞るだろうし、戦地に送る兵站も準備しなきゃならない。そうなると必然的に主要な食糧物資が徴収されるから一気に値段が高くなるんでその前に確保しておきたいんだろう。幸いこの街は羊男が備蓄に力を入れているから困る事はないと思うが、長い目で見るとやばいかもしれない。ミラ、確か取引所は取引した人物まで確認できたよな?」
「可能です。」
「なら同じような価格で仕入れをしつつ調べてみてくれ。俺は羊男の所に言って情報を集めてくる。」
「え、シロウさんも買い付けるんですか?」
「今後値上がりするとわかっていて買い付けない理由があるか?もちろん街の在庫を買い占めるわけにはいかないから広範囲にわたって仕入れの網を広げるつもりだ。」
これから値上がりするものを仕入れてこその転売。
仮に値上がりしなかったとしても、これらはすべて日常的に消費されるものだけに利益は出なくても在庫を抱えて損をすることもない。
さすがに街中の在庫を買い占めたらひんしゅくを買うからな、迷惑が掛からない程度に買い付けを継続する感じで行こう。
幸い麦なんかは収穫時期を超えたばかりで量がある。
問題は置いておく場所だが、冬になれば傷む心配も減る上に俺には廃鉱山という強い味方があるので心配ない。
「何となくそんな感じはしていたんですが、やっぱり気のせいじゃありませんでしたか。」
「なんだ気づいていたなら対応しとけよ。」
「対応って言っても出来る事は限られますし、そもそも起きてもいない戦争をネタに販売を停止するなんてできませんよ。一応私の方でもわずかではありますが備蓄を増やしていましたけど、いざとなったらシロウさんが売ってくれますよね?」
ギルド協会に向かい羊男に事の次第を説明したのだが、向こうは向こうで把握していたようだ。
それに合わせて備蓄も増やしていたようだけど、俺と違って原資が税金なのであまり派手に買い付けることはできなかったようだ。
その点俺は好きなように金を使えるので、かなりの量を仕入れることができるのだが・・・。
「無理だ。」
「どうしてですか?シロウさんがこのタイミングで買い付けないなんてありえないでしょ。」
「もちろん買い付けるさ。だが、売るのは街にじゃなくもっと高く買ってくれる相手。これも商売だからな、悪く思わないでくれ。」
「それは街よりも優先する相手ですか?」
「もちろんだ。誤解しているようだが俺は別にこの街に従順ってわけじゃない、あくまでも利害が一致しているから色々と手を貸しているだけで、都合が悪くなればさっさとここを出て別の街に移動すればいいだけの話だからな。商売なんてのはどこでもできる。」
この辺の線引きはしっかりしておかなければならない。
確かに俺は貴族になったが別にこの街に所属しているわけじゃない。
あくまでも最初に到着したのがこの街だったってだけだし、ダンジョンがある方が商売柄都合がいいのでここを本拠地にしているだけに過ぎない。
金儲けをするだけなら王都に言った方が儲けは出る、でもそれをしないのはそういった理由があるから。
だからと言ってこの街に忠誠を誓ったわけでも服従しているわけでもない。
あくまでもギブ&テイクで成り立っている公平な関係だと思っているんだが。
向こうはどう思ってるんだろうなぁ。
「シロウさんってそういう人ですからね、それを無理強いする事はできません。」
「よくわかってるじゃないか。」
「でも頼りにはしています。」
「期待するのは結構だがあてにするのは勘弁してくれ。ってことで俺はそれなりに買い付けに回るからその辺はよろしく頼む。」
「適正な値段かつ買い占めないのであればギルド協会が口を出すつもりはありませんよ。しっかり儲けて街にお金を落としてください。」
羊男も俺がどういう人間かは短い付き合いながらよく把握してくれているので、これ以上のことは何も突っ込まないことにしたようだ。
俺の原動力は金儲け。
その為だったら基本何でもするし、さっきも言ったように街を優先することはない。
安いうちに仕入れて、それを高く買う人に転がすだけ。
あくまでも需要と供給に基づいた経済理念にのっとったまでの話だ。
ここで商売ができないのなら他所に行く、それを望んでいないのなら静かにしておいてほしい。
もちろん俺だってただ搾取するつもりはないので、商売させてもらっている間はそれなりの便宜を図るつもりではいるのだが、これは対等な関係を維持するために過ぎない。
「話は変わるが、例の査察の件。あれを主導してる人物って誰かわかるか?」
「すみませんそこまではなんとも。」
「そうか、気にしないでくれ。」
「またわかったらご報告します。近々ではないと思いますが、一応気を付けてください。」
「気を付けるって言っても別に何も悪いことしてないからなぁ。」
一応品行方正でここまで来ているので別に何かを言われることはない・・・と、思っている。
もちろん向こうが何を目的としているのかがわからないので断定は出来ないわけだけども。
やれやれ、戦争が始まろうっていうのに面倒なことだ。
とりあえずギルド協会のお墨付きは貰ったので買い付けの準備を始めよう。
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