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1098.転売屋は魔獣を助ける
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街道の状況を確認するべくバーンの背に乗って飛び回るのが最近の日課だ。
冬が始まって三日目。
食糧問題は冒険者のおかげで大きなトラブルも起きず見た目には変わらない日々が続いている。
喜ぶべきは昨夜の積雪が少なかったこと。
このまま雪がやんでくれれば街道も通れるようになるんだろうけど、今はまだ閉ざされたまま。
念のためにダンの宿と廃鉱山の様子も見に行ってみたが、特に問題はないそうだ。
どちらも食べ物はしっかり備蓄しているのでしばらくは問題ないだろう。
困る事があるとしたら食料以外の物資が不足してくるということだが、燃料なんかも厳冬に備えて用意してあったので一か月は何とかなるはずだ。
食糧に加えてそういったものに関してもダンジョンを有効に活用して冒険者に頑張ってもらうことになっている。
ほんと冒険者様様って感じだなぁ。
「トト。」
「ん?なんだあれ。」
西方方面に飛んでいた時だった、さっきまで一面真っ白だった地面に何か茶色く動くものが見える。
魔物か何かという可能性もあるんだが、この距離で見えるってことはかなり大きいってことはわかった。
うーむ、気になる。
「大きいね、でもなんだか様子が変だよ。」
「見た感じ魔物っぽくないんだが・・・っておい、あそこに人がいるぞ!」
「急ぐね!」
グン!と速度を上げ地面に向かって急降下を始めるバーンの首にしがみつき、振り落とされないように体をできるだけ密着させる。
眼下に見えたのは白い大地のど真ん中で暴れる巨大な生き物。
それだけならスルーするんだが、その先に人がいるのを見てしまったら助けないわけにはいかないだろう。
無視したら目覚めが悪いからな。
衝突するぎりぎりまで一気に高度を落として最後に大きく速度を殺し、人とその巨大生物の間に割って入る。
突然ワイバーンが下りてきたものだから後ろの人たちから悲鳴が聞こえたが、今は無視だ。
「バーン、いきなり手は出すなよ。」
「大丈夫。」
身を低くして暴れる巨体を睨みつけるバーンの横で、俺もスリングを構え集中する。
相手もわからないのに攻撃するのは素人のやる事だ。
まずは相手をよく見る事、新人冒険者研修の時にエリザが口酸っぱく言っている。
「待って!ドドを食べないで!」
「ん?」
「抜けられなくて暴れてるだけなの!悪いことしてないの!」
緊張を高め相手を睨みつけていたその時だった、突然後ろに衝撃を感じたかと思ったら耳元で誰かが懇願してくる。
あわえて後ろを振り返ると、小学生ぐらいの女の子が目に涙を浮かべながら叫んでいた。
「待て待て、わかったから叩くな。」
「だって食べちゃうんでしょ?」
「食べないっての、っていうか襲われてるんじゃないのか。」
「違うの!あそこの沼が寒さで凍っちゃって抜け出せないの。」
少女の後ろに目を向けると、保護者らしき人物とその他大勢が不安そうな顔で俺を見てくる。
どうやら襲われているわけではなさそうだ。
ということは彼女の言い分は間違ってない?
とりあえずバーンには警戒させつつ、詳しい話を聞くべく武器をしまって大人の方へとゆっくりと向かっていく。
ふむふむなるほど、そういう事か。
少女の話は間違いではないようで、村で飼っている魔獣が沼から抜け出せなくなっているんだとか。
聞けばこいつがこの前話に聞いたプロティベロってやつらしい。
大人のゾウぐらいの大きさがある魔獣をよくまぁ手名付けられるもんだ。
「丸二日このままか、そりゃまずいな。」
「おじちゃんお願い!ドドを助けて!」
「おじ・・・まぁ中身はそうなんだが、助けるとして何をくれるんだ?」
「え?」
「タダで助けてもらおうなんてのは虫が良すぎるだろう。何かをしてほしいなら何か見返りを出すのが筋ってもんだ。」
子供相手に大人げないと思うかもしれないが、俺だって暇じゃないし何かをしてもらうのに何かを差し出すのはむしろ当然のことだ。
後ろで暴れるプロティベロの動きが心なしか小さくなっているような気がする。
いくら体が大きくても冷たい沼地に二日もいれば体が冷えてくるのは間違いない。
そのままでは凍死する可能性もあるが、住民にはどうすることもできないのだろう。
そこに俺達が救世主の如く空から降りてきたわけだが、生憎と善人ってわけじゃないんでね。
しばらく必死になって考えていた少女だったが、意を決したように力強く顔を上げて俺に向かって答えを出す。
ほぉ、なかなかいい答えじゃないか。
申し分ない報酬をいただけるようなので、あとはバーンと俺が仕事をするだけ。
といっても近づくのは大変そうなので、上から紐を垂らしてプロティベロの体に引っ掛けてバーンに引きずり出してもらうという雑な方法をとることにした。
頭上でホバリングするワイバーンにビビったのかそれとも寒さで体がこわばってきたのかはわからないけれど、暴れなくなったのですんなりと紐を通すことができた。
後は強引に引っ張るだけで固い地面にプロティベロが戻ってくる。
ゾウのような巨大な体から鋭い牙の代わりにビーバーのような平たい歯が口から飛び出していた。
あごがしゃくれているのか、見た目になかなか面白い顔をしている。
そいつは助けてくれたことがわかっているのかなんとも優しい目で俺とバーンの方を見つめ、小さく頭を下げた。
「ドド!」
「約束通りお友達は救出したぞ。」
「ありがとうおじちゃん!ワイバーンさん!」
「えへへ、どういたしまして。」
俺はおじちゃん呼びでバーンはさん付けなのか。
基準がわからんが、まぁいいか。
陸地に上がってきたことで落ち着いたのか、その場にへたり込むプロティベロに動物物のバラエティよろしく少女が駆け寄り頭を押し付けて涙を流している。
はたから見れば感動的なシーンだが、生憎と俺には時間がなくてだな。
今だって巡回の途中に降りてきただけでそろそろ街に戻らなきゃならない。
「やる事はやった、次はそっちが誠意を見せる番だぞ。」
「はい!すぐにとってきます!」
少女は元気よく返事をして大人の方に向かって走り出す。
それと入れ替わるようにして大人がこちらに近づいてきてあらためて感謝の言葉を伝えてきた。
俺としては言葉よりも態度で示してくれる方がうれしいんだが、それは少女が率先して動いてくれているので何も言うまい。
戻ってくるまでは西方国周辺の動向について色々と情報収集させてもらいつつ、この辺の名産とかをチェックしておく。
金になりそうなネタがみつかったので、また時間を作って足を運ぶとしよう。
その後、約束のブツをありがたく頂戴しつつバーンの足にしっかりと結ぶ付けた。
「それじゃあまたな。」
「ありがとうおじちゃん!ワイバーンさん!」
「やっぱりおじちゃんのままなのか、まぁいいけど。バーン帰るぞ。」
「またね!」
「ブモォォォォ!」
プロティベロの咆哮を背中に受けながら、街に向かってゆっくりと飛び立つ。
彼らはきっと俺達が見えなくなるまで手を振っていたに違いない。
さぁ、感動のシーンはここまでだ。
後は急いで戻って金儲けを始めようじゃないか。
「それでこんなに貰ってきたのね。」
「そういうこと。どうだ、加工できそうか?」
「結構鋭利だから差し込むのは問題なさそう。最後にアラクネの糸で根元をしっかりと縛って・・・っと、出来たわよ。」
「ふむ、あとはその人の好みの長さに棒を切ってもらえば使いやすくなりそうだな。」
エリザがどや顔で差し出してきた物を手に俺もつられてどや顔になってしまう。
それもそのはず、これさえあれば雪かきの苦労が三分の一いや半減するといっても過言ではない。
事実今までのと比べても重さは半分以下だし、更には面積が広がったので広範囲の雪を楽にどける事が出来る。
プロティベロの歯。
この間労働者が持っていたものと同じものを作る為助けたお礼としてあえてこれを要求してみた。
あればラッキー的な感じで考えていたのだが、まさか30枚以上持ってきてもらえるとはちょっと想像してなかったが。
なんでも毎月のように生え変わるらしくそれを彼女が集めていたらしい。
まさか除雪用のスコップに使われるとは思っていなかっただろうけど、俺からしてみればまだまだ数が欲しいので今度また西方に飛んでプロティベロを飼育している集落を回ってみるつもりでいる。
聞けばあの地域の村には絶対に一頭はいるらしい。
大きな街になればもっと数がいるらしいので数を集めるのはそう難しくはないかもしれないな。
「とりあえず三本程うちで使うとして、ダンの店と廃鉱山にも一本おいておこう。あとはアグリに五本ほど渡して残りはギルド協会に売りつけるか。」
「え、全部売っちゃうの?」
「明日にでも向こうに飛んで追加の歯を買い付けてくるつもりだから三本あれば問題ないだろ?」
「もったいなくない?」
「むしろ需要があるときに売らないでどうするよ。個人に売ればもめる原因になるが、ギルド協会に渡しておけばシープさんが公平に振り分けてくれるはずだ。なんせそれが仕事だからな。」
便利なものほど皆ほしくなり、手に入れることができないと不満をまき散らす。
基本は雪の処理を頑張ってくれている労働者に使ってもらうんだろうけど、貴族間でも色々とあるだろうからその辺はアナスタシア様に丸投げするだろう。
量産するなら個人で売ってもいいんだが、生憎とそこまで回収できるかはまだわからない。
なので買い上げという一番安心かつ安全なやり方で行くことにしたわけだ。
実力から考えても一本当たり銀貨3枚は出してくれるはず。
出来ればそれ以上を引き出したいところだが、まぁなるようにしかならないだろう。
下手に高値で売って価値だけが上がり転売されても面白くない。
別にそれを咎めるつもりはないが、高すぎると今度は数が動かなくなるので長い目を見た時の利益が少なくなってしまうんだよな。
安すぎず高すぎずのラインを狙うのが一番難しいのだが、そこが腕の見せ所ってもんだ。
転売歴うん十年の経験に相場スキルが加われば鬼に金棒、オークにこん棒ってね。
魔獣を助けてまさかこんな美味しいものを手に入れられるとは思っていなかったが、時にはいいこともするもんだなぁ。
冬が始まって三日目。
食糧問題は冒険者のおかげで大きなトラブルも起きず見た目には変わらない日々が続いている。
喜ぶべきは昨夜の積雪が少なかったこと。
このまま雪がやんでくれれば街道も通れるようになるんだろうけど、今はまだ閉ざされたまま。
念のためにダンの宿と廃鉱山の様子も見に行ってみたが、特に問題はないそうだ。
どちらも食べ物はしっかり備蓄しているのでしばらくは問題ないだろう。
困る事があるとしたら食料以外の物資が不足してくるということだが、燃料なんかも厳冬に備えて用意してあったので一か月は何とかなるはずだ。
食糧に加えてそういったものに関してもダンジョンを有効に活用して冒険者に頑張ってもらうことになっている。
ほんと冒険者様様って感じだなぁ。
「トト。」
「ん?なんだあれ。」
西方方面に飛んでいた時だった、さっきまで一面真っ白だった地面に何か茶色く動くものが見える。
魔物か何かという可能性もあるんだが、この距離で見えるってことはかなり大きいってことはわかった。
うーむ、気になる。
「大きいね、でもなんだか様子が変だよ。」
「見た感じ魔物っぽくないんだが・・・っておい、あそこに人がいるぞ!」
「急ぐね!」
グン!と速度を上げ地面に向かって急降下を始めるバーンの首にしがみつき、振り落とされないように体をできるだけ密着させる。
眼下に見えたのは白い大地のど真ん中で暴れる巨大な生き物。
それだけならスルーするんだが、その先に人がいるのを見てしまったら助けないわけにはいかないだろう。
無視したら目覚めが悪いからな。
衝突するぎりぎりまで一気に高度を落として最後に大きく速度を殺し、人とその巨大生物の間に割って入る。
突然ワイバーンが下りてきたものだから後ろの人たちから悲鳴が聞こえたが、今は無視だ。
「バーン、いきなり手は出すなよ。」
「大丈夫。」
身を低くして暴れる巨体を睨みつけるバーンの横で、俺もスリングを構え集中する。
相手もわからないのに攻撃するのは素人のやる事だ。
まずは相手をよく見る事、新人冒険者研修の時にエリザが口酸っぱく言っている。
「待って!ドドを食べないで!」
「ん?」
「抜けられなくて暴れてるだけなの!悪いことしてないの!」
緊張を高め相手を睨みつけていたその時だった、突然後ろに衝撃を感じたかと思ったら耳元で誰かが懇願してくる。
あわえて後ろを振り返ると、小学生ぐらいの女の子が目に涙を浮かべながら叫んでいた。
「待て待て、わかったから叩くな。」
「だって食べちゃうんでしょ?」
「食べないっての、っていうか襲われてるんじゃないのか。」
「違うの!あそこの沼が寒さで凍っちゃって抜け出せないの。」
少女の後ろに目を向けると、保護者らしき人物とその他大勢が不安そうな顔で俺を見てくる。
どうやら襲われているわけではなさそうだ。
ということは彼女の言い分は間違ってない?
とりあえずバーンには警戒させつつ、詳しい話を聞くべく武器をしまって大人の方へとゆっくりと向かっていく。
ふむふむなるほど、そういう事か。
少女の話は間違いではないようで、村で飼っている魔獣が沼から抜け出せなくなっているんだとか。
聞けばこいつがこの前話に聞いたプロティベロってやつらしい。
大人のゾウぐらいの大きさがある魔獣をよくまぁ手名付けられるもんだ。
「丸二日このままか、そりゃまずいな。」
「おじちゃんお願い!ドドを助けて!」
「おじ・・・まぁ中身はそうなんだが、助けるとして何をくれるんだ?」
「え?」
「タダで助けてもらおうなんてのは虫が良すぎるだろう。何かをしてほしいなら何か見返りを出すのが筋ってもんだ。」
子供相手に大人げないと思うかもしれないが、俺だって暇じゃないし何かをしてもらうのに何かを差し出すのはむしろ当然のことだ。
後ろで暴れるプロティベロの動きが心なしか小さくなっているような気がする。
いくら体が大きくても冷たい沼地に二日もいれば体が冷えてくるのは間違いない。
そのままでは凍死する可能性もあるが、住民にはどうすることもできないのだろう。
そこに俺達が救世主の如く空から降りてきたわけだが、生憎と善人ってわけじゃないんでね。
しばらく必死になって考えていた少女だったが、意を決したように力強く顔を上げて俺に向かって答えを出す。
ほぉ、なかなかいい答えじゃないか。
申し分ない報酬をいただけるようなので、あとはバーンと俺が仕事をするだけ。
といっても近づくのは大変そうなので、上から紐を垂らしてプロティベロの体に引っ掛けてバーンに引きずり出してもらうという雑な方法をとることにした。
頭上でホバリングするワイバーンにビビったのかそれとも寒さで体がこわばってきたのかはわからないけれど、暴れなくなったのですんなりと紐を通すことができた。
後は強引に引っ張るだけで固い地面にプロティベロが戻ってくる。
ゾウのような巨大な体から鋭い牙の代わりにビーバーのような平たい歯が口から飛び出していた。
あごがしゃくれているのか、見た目になかなか面白い顔をしている。
そいつは助けてくれたことがわかっているのかなんとも優しい目で俺とバーンの方を見つめ、小さく頭を下げた。
「ドド!」
「約束通りお友達は救出したぞ。」
「ありがとうおじちゃん!ワイバーンさん!」
「えへへ、どういたしまして。」
俺はおじちゃん呼びでバーンはさん付けなのか。
基準がわからんが、まぁいいか。
陸地に上がってきたことで落ち着いたのか、その場にへたり込むプロティベロに動物物のバラエティよろしく少女が駆け寄り頭を押し付けて涙を流している。
はたから見れば感動的なシーンだが、生憎と俺には時間がなくてだな。
今だって巡回の途中に降りてきただけでそろそろ街に戻らなきゃならない。
「やる事はやった、次はそっちが誠意を見せる番だぞ。」
「はい!すぐにとってきます!」
少女は元気よく返事をして大人の方に向かって走り出す。
それと入れ替わるようにして大人がこちらに近づいてきてあらためて感謝の言葉を伝えてきた。
俺としては言葉よりも態度で示してくれる方がうれしいんだが、それは少女が率先して動いてくれているので何も言うまい。
戻ってくるまでは西方国周辺の動向について色々と情報収集させてもらいつつ、この辺の名産とかをチェックしておく。
金になりそうなネタがみつかったので、また時間を作って足を運ぶとしよう。
その後、約束のブツをありがたく頂戴しつつバーンの足にしっかりと結ぶ付けた。
「それじゃあまたな。」
「ありがとうおじちゃん!ワイバーンさん!」
「やっぱりおじちゃんのままなのか、まぁいいけど。バーン帰るぞ。」
「またね!」
「ブモォォォォ!」
プロティベロの咆哮を背中に受けながら、街に向かってゆっくりと飛び立つ。
彼らはきっと俺達が見えなくなるまで手を振っていたに違いない。
さぁ、感動のシーンはここまでだ。
後は急いで戻って金儲けを始めようじゃないか。
「それでこんなに貰ってきたのね。」
「そういうこと。どうだ、加工できそうか?」
「結構鋭利だから差し込むのは問題なさそう。最後にアラクネの糸で根元をしっかりと縛って・・・っと、出来たわよ。」
「ふむ、あとはその人の好みの長さに棒を切ってもらえば使いやすくなりそうだな。」
エリザがどや顔で差し出してきた物を手に俺もつられてどや顔になってしまう。
それもそのはず、これさえあれば雪かきの苦労が三分の一いや半減するといっても過言ではない。
事実今までのと比べても重さは半分以下だし、更には面積が広がったので広範囲の雪を楽にどける事が出来る。
プロティベロの歯。
この間労働者が持っていたものと同じものを作る為助けたお礼としてあえてこれを要求してみた。
あればラッキー的な感じで考えていたのだが、まさか30枚以上持ってきてもらえるとはちょっと想像してなかったが。
なんでも毎月のように生え変わるらしくそれを彼女が集めていたらしい。
まさか除雪用のスコップに使われるとは思っていなかっただろうけど、俺からしてみればまだまだ数が欲しいので今度また西方に飛んでプロティベロを飼育している集落を回ってみるつもりでいる。
聞けばあの地域の村には絶対に一頭はいるらしい。
大きな街になればもっと数がいるらしいので数を集めるのはそう難しくはないかもしれないな。
「とりあえず三本程うちで使うとして、ダンの店と廃鉱山にも一本おいておこう。あとはアグリに五本ほど渡して残りはギルド協会に売りつけるか。」
「え、全部売っちゃうの?」
「明日にでも向こうに飛んで追加の歯を買い付けてくるつもりだから三本あれば問題ないだろ?」
「もったいなくない?」
「むしろ需要があるときに売らないでどうするよ。個人に売ればもめる原因になるが、ギルド協会に渡しておけばシープさんが公平に振り分けてくれるはずだ。なんせそれが仕事だからな。」
便利なものほど皆ほしくなり、手に入れることができないと不満をまき散らす。
基本は雪の処理を頑張ってくれている労働者に使ってもらうんだろうけど、貴族間でも色々とあるだろうからその辺はアナスタシア様に丸投げするだろう。
量産するなら個人で売ってもいいんだが、生憎とそこまで回収できるかはまだわからない。
なので買い上げという一番安心かつ安全なやり方で行くことにしたわけだ。
実力から考えても一本当たり銀貨3枚は出してくれるはず。
出来ればそれ以上を引き出したいところだが、まぁなるようにしかならないだろう。
下手に高値で売って価値だけが上がり転売されても面白くない。
別にそれを咎めるつもりはないが、高すぎると今度は数が動かなくなるので長い目を見た時の利益が少なくなってしまうんだよな。
安すぎず高すぎずのラインを狙うのが一番難しいのだが、そこが腕の見せ所ってもんだ。
転売歴うん十年の経験に相場スキルが加われば鬼に金棒、オークにこん棒ってね。
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