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1138.転売屋は小盾を構える
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感謝祭まであと一週間とちょっと。
いよいよ間近に近づいてきた年の瀬に街中が慌ただしくなっている。
ダンジョンの再調査は無事に終了、大量発生の原因もディーネのおかげで特定できたので新しいダンジョンの状況が鮮明になった。
持ち込み量の増減と結果は相似しており、やはり王都への出荷物の見直しが必要となりそうだが金になる素材が増えているので全体で見ればプラスで推移しているといえるだろう。
気になるところがあるとすれば食糧になる魔物が減少しているという事。
これに関しては今まで以上に数をこなす必要があるので、狩りつくさない程度にこまめに依頼を出す必要がある。
ワイルドカウなどはそれほど強い魔物ではないので、新人にとってはいい力試しになる事だろう。
他にもコボレートやオーガの増加も確認されているため、これらに関しては中級以上の冒険者に巡回を増やしてもらい適度な間引きをしていく必要がある。
「シロウ様、マートン様が参られました。なんでもお渡ししたいものがあるとのことです。」
「マートンさんが?わかった、すぐに行く。」
年の瀬が近づくにつれ仕事量も増加・・・することはなく、セラフィムさんとミラによって今まで以上に簡素化された報告書のおかげで今までと同じぐらいの仕事量で仕事ができている。
しかしマートンさんが態々来るなんて珍しいな。
何かあったんだろうか。
「シロウだ、失礼する。」
応接室の戸をノックして中に入ると、マートンさんが軽く手を上げて挨拶をする。
そのまま向かい合うようにしてソファーに腰かけた。
「忙しいところ悪いな。」
「いや、ちょうど休憩しようと思っていたところだ。あれか?王都に流す武器作成に何か問題でも出たのか?」
「そういうわけじゃない、そっちは今のところ順調だよ。今日はこれを見てもらいたくてな。」
「これは・・・。」
足元に置かれたカバンから取り出されたのは小さな円形の盾。
大きさは1mもないぐらいだろうか、魔物と直接対峙する前衛職が使うには聊か小さく感じる大きさだ。
色は茶色、てっきり金属製かと思ったのだが茶色く鱗のようなものでおおわれている。
「バックラーか?」
「分類上はそうなるな、シロウのような中衛から後衛の冒険者が使うことを想定して作ってある。」
「持ってもいいか?」
「お前に使ってもらうために作ったんだ、遠慮するな。」
「俺用に?」
武器づくりで忙しいだろうに、冒険者でもない俺のためにわざわざ作ってくれたのか。
ありがたい話ではあるんだが・・・。
『アルンマジロンの小盾。軽鉄を使った盾にアルンマジロンの鱗が張り付けてあり非常に丈夫。また、表面が非常に滑らかな為相手の攻撃を滑らせて受け流すことができる。最近の平均取引価格はありません。』
「これは、この間回収したアルンマジロンの革を使ってるのか。」
「せっかく手に入れたんだし何か使い道がないかと考えていたんだが、ちょうどいいところに軽鉄が転がってたんで作ってみた。」
「軽いし振り回すには全く問題ない。だが俺みたいに両手を使う武器だと扱いがなぁ・・・。」
「そういうと思って持ち手を加工してある。ここを引っ張ると・・・。」
マートンさんがバックラーに手を伸ばし持ち手の部分に軽く触れた瞬間、さっきまで硬かった持ち手が突然柔らかくなった。
いや、柔らかいというかぴたりと張り付いたというか。
どうなってるんだ?
「この部分を引っ張ると持ち手がゴムのようになるからここに腕を通すだけで持たなくても攻撃を防ぐことができる。アルンマジロンの鱗は丈夫だし魔法にもそれなりに耐えられるから少々の攻撃なら何とかなるはずだ。そもそも後ろまで攻撃が来るのはまれだが、予期せぬ負傷を防ぐという意味では効果があるだろう。」
マートンさんが触ったのは持ち手の根元部分。
ひものようなものが少し出ていて、そこを引っ張ると持ち手がゴムバンドのように変化するので腕を通してから引っ張るとバックラーを持たなくても動かすことができるようになる。
攻撃を受け流したりするのなら持っていないと危険だが、投石物なんかを避けたりとっさに守ったりするには腕を動かすだけで済むので非常に扱いやすい。
「確かにくっつけてしまえばスリングを構えながらでも使えるし、受け流したいなら手持ちに変えればいいわけか。よくまぁこんなの思いついたもんだ、武器作成で大変なんだろ?」
「大変なのは弟子達だけで、俺が手を出すと値段が上がるからむしろ暇なんだよ。」
「そりゃまた難儀な。」
「鱗も軽鉄も山ほどあるから使い勝手がよさそうなら暇つぶしに量産するつもりでいる。少し使って使用感を教えてくれ。」
「因みに作るとなるといくらぐらいになる?」
「そうだな・・・銀貨5枚ぐらいで十分だ。」
安い。
名工マートンが作るバックラーがたった銀貨5枚だなんて安すぎる。
なので販売するときはしっかり利益をのせて銀貨10枚ぐらいで販売することになるだろうけど、それでも安いよなぁ。
もちろん使用感が良ければっていう話ではあるのだがそれ次第では大儲けできそうなので気合を入れて試してみようじゃないか。
「ってことで手伝いよろしく。」
マートンさんが帰った後、早速使用感を確かめるべく裏庭に移動。
程よく雪の積もった裏庭でバックラーを装着し、走り回れるよう準備運動をしっかりと行う。
「それは別に構わないんだけど、なんでこれなの?」
「これなら当たっても痛くないからな。」
「そうだけど、本当の使用感を確認するならダンジョンに行くべきじゃないかしら。」
「それは別途冒険者に依頼するつもりだ。とりあえずは使いやすいか、振り回せるか、動き回れるか。頼むにしても最低限これぐらいは確認しておくべきだろ?」
「まぁそれもそうね。」
「ってことで合図したら投げ始めてくれ。ソラ、ジョン、遠慮はいらないから隙を見て攻撃してきてくれ。」
「はい!」
「ウ、はい!」
使用感を確認するにあたりいきなり現場で確認できるほどの技量がないため、裏庭に集まった面々に協力してもらうことにした。
エリザとアネット、それとハーシェさんの手にはグリーンスライムの核。
ソラとジョンの手には木の棒が握られている。
俺は投げられるスライムの核を避けつつバックラーでそれを受け止め、時々襲ってくるソラとジョンの二人の攻撃をしっかりと受け流す。
もちろん集中砲火を浴びるとひとたまりもないので、障害物の間を移動しながらっていうかんじだ。
気分はサバゲー。
「それじゃあ・・・はじめ!」
「当たっても文句言わないでよね!」
「ご主人様、お覚悟を!」
「ごめんなさいあなた!」
始まると同時に目にもとまらぬ速さで核が投げ込まれる。
謝りながらも嬉しそうに投げるハーシェさんと、殺す気まんまんのエリザとアネット。
いくら柔らかいスライムの核とはいえ、その勢いで投げられたら無茶苦茶痛いんだが?
でも思っている以上にバックラーが使いやすく、勢いよく投げつけられる核を腕をかざすだけで防げるのは非常にありがたい。
大きすぎず小さすぎず、体全部を守るってわけにはいかないが重さに振り回されないのは非常にいいことだ。
「お館様かくごー!」
「っと、やられはせん!」
身をかがめながら障害物の横を歩いていると、角からジョンが飛び出し棒を振り下ろしてくる。
が、受けた瞬間に棒が横に滑り勢いが半減、そのまま腕を振るといなすような感じになりジョンが勢い余って雪の上に倒れこんだ。
「ウ、隙あり。」
「まだまだ!」
俺の死角を突いて後ろから襲ってくるソラだったが、やはり遠慮があるんだろう動きがそこまで早くなかったのですぐに体制を整えて受けることに成功。
同じく棒は勢いを殺されて腕を振った方向に流れていく。
確かにこれならふいに横から攻撃されても力負けしなくて済みそうだし、勢いを利用してやれば少ない力で受け流すこともできる。
「火球よ!」
「って、魔法!?」
「キキ、がんがんやっちゃえ!」
「それは無理だよお姉ちゃん。」
核を避けながら攻撃をいなしていた時だった、突然小さな火の玉がまっすぐ俺に向かってくる。
慌てて立てて受け止めると、盾の表面で火が弾けて熱が俺の頬を焦がす。
恐らくはダンジョンから戻って来たキキがエリザにそそのかされたんだろうけど、せめて一声かけてほしかったなぁ。
「あっつい!でも案外何とかなる!」
「へぇ、さすがアルンマジロンの鱗ね。これなら少々の魔法でも対処できそう。」
「マジックアローとかなら受けられるかもね。」
「とはいえ範囲魔法は難しそうだし、所詮はバックラーかなぁ。」
「でもあれぐらいなら私でも使えるかも。」
これ以上やるとケガをしそうなので一時中断して、今度はエリザに装備してもらってさっきの鬱憤を発散するべく核を投げる。
だが、向こうは熟練冒険者。
すぐに使い方を覚え、あっという間に使いこなしてしまった。
「それで使ってみた感想は?」
「軽いし振り回しやすいし結構受け流せる、でもバックラーはバックラーだから前衛向きじゃないわね。」
「それはわかってるっての。」
「持つのもつらくありませんし、なにより腕に嵌められるのが画期的です。これなら両手で魔法を練り上げているときにもすぐ反応できそうですし。」
「なら一次審査は合格、次はダンジョンでの実用試験だな。」
使ってみた感じはまずまずの様子。
振り回しやすくて魔法にも耐えられるとなれば中衛職にも重宝されることだろう。
これならすぐに量産してもらってもよさそうだが、とりあえずダンジョンで使ってもらってから考えよう。
もちろん現地で試すのはエリザ。
その反応をもとにいくつか作ってもらって今度はなじみの冒険者にモニターをお願いしていく。
そうやっていくことでマートン工房の新しいバックラーは更なる進化を遂げるだろう。
なによりそれが噂になればもっと高い値段で売れるのは間違いない。
一枚当たり銀貨5枚の仕入れで一体どれだけの儲けが出るのだろうか。
小盾(バックラー)だからって甘く見ていたら大間違いってね。
いよいよ間近に近づいてきた年の瀬に街中が慌ただしくなっている。
ダンジョンの再調査は無事に終了、大量発生の原因もディーネのおかげで特定できたので新しいダンジョンの状況が鮮明になった。
持ち込み量の増減と結果は相似しており、やはり王都への出荷物の見直しが必要となりそうだが金になる素材が増えているので全体で見ればプラスで推移しているといえるだろう。
気になるところがあるとすれば食糧になる魔物が減少しているという事。
これに関しては今まで以上に数をこなす必要があるので、狩りつくさない程度にこまめに依頼を出す必要がある。
ワイルドカウなどはそれほど強い魔物ではないので、新人にとってはいい力試しになる事だろう。
他にもコボレートやオーガの増加も確認されているため、これらに関しては中級以上の冒険者に巡回を増やしてもらい適度な間引きをしていく必要がある。
「シロウ様、マートン様が参られました。なんでもお渡ししたいものがあるとのことです。」
「マートンさんが?わかった、すぐに行く。」
年の瀬が近づくにつれ仕事量も増加・・・することはなく、セラフィムさんとミラによって今まで以上に簡素化された報告書のおかげで今までと同じぐらいの仕事量で仕事ができている。
しかしマートンさんが態々来るなんて珍しいな。
何かあったんだろうか。
「シロウだ、失礼する。」
応接室の戸をノックして中に入ると、マートンさんが軽く手を上げて挨拶をする。
そのまま向かい合うようにしてソファーに腰かけた。
「忙しいところ悪いな。」
「いや、ちょうど休憩しようと思っていたところだ。あれか?王都に流す武器作成に何か問題でも出たのか?」
「そういうわけじゃない、そっちは今のところ順調だよ。今日はこれを見てもらいたくてな。」
「これは・・・。」
足元に置かれたカバンから取り出されたのは小さな円形の盾。
大きさは1mもないぐらいだろうか、魔物と直接対峙する前衛職が使うには聊か小さく感じる大きさだ。
色は茶色、てっきり金属製かと思ったのだが茶色く鱗のようなものでおおわれている。
「バックラーか?」
「分類上はそうなるな、シロウのような中衛から後衛の冒険者が使うことを想定して作ってある。」
「持ってもいいか?」
「お前に使ってもらうために作ったんだ、遠慮するな。」
「俺用に?」
武器づくりで忙しいだろうに、冒険者でもない俺のためにわざわざ作ってくれたのか。
ありがたい話ではあるんだが・・・。
『アルンマジロンの小盾。軽鉄を使った盾にアルンマジロンの鱗が張り付けてあり非常に丈夫。また、表面が非常に滑らかな為相手の攻撃を滑らせて受け流すことができる。最近の平均取引価格はありません。』
「これは、この間回収したアルンマジロンの革を使ってるのか。」
「せっかく手に入れたんだし何か使い道がないかと考えていたんだが、ちょうどいいところに軽鉄が転がってたんで作ってみた。」
「軽いし振り回すには全く問題ない。だが俺みたいに両手を使う武器だと扱いがなぁ・・・。」
「そういうと思って持ち手を加工してある。ここを引っ張ると・・・。」
マートンさんがバックラーに手を伸ばし持ち手の部分に軽く触れた瞬間、さっきまで硬かった持ち手が突然柔らかくなった。
いや、柔らかいというかぴたりと張り付いたというか。
どうなってるんだ?
「この部分を引っ張ると持ち手がゴムのようになるからここに腕を通すだけで持たなくても攻撃を防ぐことができる。アルンマジロンの鱗は丈夫だし魔法にもそれなりに耐えられるから少々の攻撃なら何とかなるはずだ。そもそも後ろまで攻撃が来るのはまれだが、予期せぬ負傷を防ぐという意味では効果があるだろう。」
マートンさんが触ったのは持ち手の根元部分。
ひものようなものが少し出ていて、そこを引っ張ると持ち手がゴムバンドのように変化するので腕を通してから引っ張るとバックラーを持たなくても動かすことができるようになる。
攻撃を受け流したりするのなら持っていないと危険だが、投石物なんかを避けたりとっさに守ったりするには腕を動かすだけで済むので非常に扱いやすい。
「確かにくっつけてしまえばスリングを構えながらでも使えるし、受け流したいなら手持ちに変えればいいわけか。よくまぁこんなの思いついたもんだ、武器作成で大変なんだろ?」
「大変なのは弟子達だけで、俺が手を出すと値段が上がるからむしろ暇なんだよ。」
「そりゃまた難儀な。」
「鱗も軽鉄も山ほどあるから使い勝手がよさそうなら暇つぶしに量産するつもりでいる。少し使って使用感を教えてくれ。」
「因みに作るとなるといくらぐらいになる?」
「そうだな・・・銀貨5枚ぐらいで十分だ。」
安い。
名工マートンが作るバックラーがたった銀貨5枚だなんて安すぎる。
なので販売するときはしっかり利益をのせて銀貨10枚ぐらいで販売することになるだろうけど、それでも安いよなぁ。
もちろん使用感が良ければっていう話ではあるのだがそれ次第では大儲けできそうなので気合を入れて試してみようじゃないか。
「ってことで手伝いよろしく。」
マートンさんが帰った後、早速使用感を確かめるべく裏庭に移動。
程よく雪の積もった裏庭でバックラーを装着し、走り回れるよう準備運動をしっかりと行う。
「それは別に構わないんだけど、なんでこれなの?」
「これなら当たっても痛くないからな。」
「そうだけど、本当の使用感を確認するならダンジョンに行くべきじゃないかしら。」
「それは別途冒険者に依頼するつもりだ。とりあえずは使いやすいか、振り回せるか、動き回れるか。頼むにしても最低限これぐらいは確認しておくべきだろ?」
「まぁそれもそうね。」
「ってことで合図したら投げ始めてくれ。ソラ、ジョン、遠慮はいらないから隙を見て攻撃してきてくれ。」
「はい!」
「ウ、はい!」
使用感を確認するにあたりいきなり現場で確認できるほどの技量がないため、裏庭に集まった面々に協力してもらうことにした。
エリザとアネット、それとハーシェさんの手にはグリーンスライムの核。
ソラとジョンの手には木の棒が握られている。
俺は投げられるスライムの核を避けつつバックラーでそれを受け止め、時々襲ってくるソラとジョンの二人の攻撃をしっかりと受け流す。
もちろん集中砲火を浴びるとひとたまりもないので、障害物の間を移動しながらっていうかんじだ。
気分はサバゲー。
「それじゃあ・・・はじめ!」
「当たっても文句言わないでよね!」
「ご主人様、お覚悟を!」
「ごめんなさいあなた!」
始まると同時に目にもとまらぬ速さで核が投げ込まれる。
謝りながらも嬉しそうに投げるハーシェさんと、殺す気まんまんのエリザとアネット。
いくら柔らかいスライムの核とはいえ、その勢いで投げられたら無茶苦茶痛いんだが?
でも思っている以上にバックラーが使いやすく、勢いよく投げつけられる核を腕をかざすだけで防げるのは非常にありがたい。
大きすぎず小さすぎず、体全部を守るってわけにはいかないが重さに振り回されないのは非常にいいことだ。
「お館様かくごー!」
「っと、やられはせん!」
身をかがめながら障害物の横を歩いていると、角からジョンが飛び出し棒を振り下ろしてくる。
が、受けた瞬間に棒が横に滑り勢いが半減、そのまま腕を振るといなすような感じになりジョンが勢い余って雪の上に倒れこんだ。
「ウ、隙あり。」
「まだまだ!」
俺の死角を突いて後ろから襲ってくるソラだったが、やはり遠慮があるんだろう動きがそこまで早くなかったのですぐに体制を整えて受けることに成功。
同じく棒は勢いを殺されて腕を振った方向に流れていく。
確かにこれならふいに横から攻撃されても力負けしなくて済みそうだし、勢いを利用してやれば少ない力で受け流すこともできる。
「火球よ!」
「って、魔法!?」
「キキ、がんがんやっちゃえ!」
「それは無理だよお姉ちゃん。」
核を避けながら攻撃をいなしていた時だった、突然小さな火の玉がまっすぐ俺に向かってくる。
慌てて立てて受け止めると、盾の表面で火が弾けて熱が俺の頬を焦がす。
恐らくはダンジョンから戻って来たキキがエリザにそそのかされたんだろうけど、せめて一声かけてほしかったなぁ。
「あっつい!でも案外何とかなる!」
「へぇ、さすがアルンマジロンの鱗ね。これなら少々の魔法でも対処できそう。」
「マジックアローとかなら受けられるかもね。」
「とはいえ範囲魔法は難しそうだし、所詮はバックラーかなぁ。」
「でもあれぐらいなら私でも使えるかも。」
これ以上やるとケガをしそうなので一時中断して、今度はエリザに装備してもらってさっきの鬱憤を発散するべく核を投げる。
だが、向こうは熟練冒険者。
すぐに使い方を覚え、あっという間に使いこなしてしまった。
「それで使ってみた感想は?」
「軽いし振り回しやすいし結構受け流せる、でもバックラーはバックラーだから前衛向きじゃないわね。」
「それはわかってるっての。」
「持つのもつらくありませんし、なにより腕に嵌められるのが画期的です。これなら両手で魔法を練り上げているときにもすぐ反応できそうですし。」
「なら一次審査は合格、次はダンジョンでの実用試験だな。」
使ってみた感じはまずまずの様子。
振り回しやすくて魔法にも耐えられるとなれば中衛職にも重宝されることだろう。
これならすぐに量産してもらってもよさそうだが、とりあえずダンジョンで使ってもらってから考えよう。
もちろん現地で試すのはエリザ。
その反応をもとにいくつか作ってもらって今度はなじみの冒険者にモニターをお願いしていく。
そうやっていくことでマートン工房の新しいバックラーは更なる進化を遂げるだろう。
なによりそれが噂になればもっと高い値段で売れるのは間違いない。
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