転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

エルリア

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1222.転売屋はソーセージを食す

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暖かくなり人の動きもいつになく活発になって来た。

人の出入りが多くなればそれだけ金も物も動き出す。

もちろんそこに食べ物も含まれるわけで、今日は特にその傾向が強いようだ。

「随分と加工肉が多いな。」

「ベーコン、ソーセージ、ハム、冬越しの為に作っていたものを暖かくなったので売りに来たのでしょう。」

「あー、なるほど謝肉祭みたいなものか。」

「シャニクサイ?」

「保存食を痛む前に食べきってしまおうっていうお祭りみたいなもんだ。」

「確かにこれだけの肉を一斉に焼けば祭りにもなりましょう。」

珍しく仕事が早く片付いたので市場を見に行こうとすると、これまた珍しくジンが同行すると言ってきた。

もちろん断る理由もないので二人で市場に向かうと、そこかしこに保存用の加工肉を売る店が多く並んでいた。

元の世界では大昔に冬を越すために保存食を大量に作り春を迎えると傷む前に食べきってしまおうという文化があったらしい。

それは食べるものに困るからであって、こっちの世界でも冬場は食べ物に多少困るものの、魔物がいるので全く手に入らないというわけではない。

多くの店で売られているようなソーセージやベーコン等は作ろうと思えばいつでも作れる。

それでもわざわざ魔物を狩るぐらいなら、保存食を作ってそれを食べれるほうが何かと都合がいいのかもしれない。

とはいえこの店の量は異常ともいえるのだが・・・。

「いらっしゃいませ、美味しいソーセージはいかがですか?」

「今日はそこかしこで売られているんだが、何かあるのか?」

「お客さん冬越えの日を知らないんですか?」

「知らないなぁ。」

「北方の習慣なんですけど、無事に春を迎えられたお祝いにたくさん作っておいた保存食をみんなで食べて体力を取り戻すっていう日なんです。今はいつでも食べ物も豊富なのでそこまで真剣に作る家は減りましたけど、それでもみなさんこの日のために渾身の力作を作ってくるんですよ。」

どうやら考え方は同じのようだ。

生活が豊かになったことで本来の目的で行われることは無くなったが、それでも新しい文化として生まれ変わっているのだろう。

『冬越えの日』

このソーセージやハムも各家庭独自の味付けがあって同じように見えて少しずつ違うんだろうなぁ。

「このソーセージは焼くのか?茹でるのか?」

「うちのは香草をしっかり入れてるから焼くのがおすすめかな。」

「へぇ、そりゃうまそうだ。でもデカいなぁ。」

「折角お腹いっぱい食べるんだもの、その方が食べ応えがあるでしょ?」

「確かに。いくつかもらえるか?折角だしそっちのハムも一本もらおう。」

「ソーセージもハムも一本銀貨1枚、味は保障するから期待しててよね。」

ソーセージは人差し指と中指をくっつけたぐらいの太さがある上に、それが7個連なったのが一本になるらしい。

ハムは俺の手首ぐらいあるんじゃなかろうか、それが銀貨1枚とか破格すぎるだろう。

ひとまず一本ずつ買ってから他の店を見て回ったんだが、どこも似たような値段で販売しているようだ。

一応利益は出ているんだろうけど、金儲けというよりもこの日を盛り上げる為って感じなんだろうなぁ。

ぶっちゃけ向こうにいるときは全く縁がなかったのだが、向こうもダンジョンを経由してきたから商人が出入りするようになってきたのでいずれはその文化が入ってくるのかもしれない。

「美味しそうですな。」

「あぁ、早く帰って食べるとしよう。」

「他のは買わないのですか?」

「買ってもいいんだが、どれがどれだかわからなくなるだろ?あー、でも茹でるのも食べたいからもう少し見て回るか。」

「ではあれなんてどうでしょう。程よい大きさですし肉がしっかりと詰まっております。」

「ジンが自分から指定するなんて珍しいな。」

「シロウ様ほどではありませんが私も食に対しては欲深いのです。いえ、欲深くなったという方が正しいでしょうか。自由になってからというもの世の中にこれほど多くの食べ物があることを教えていただきました。今後はできるだけ多くの食べ物を欲深く食していきたいものですなぁ。」

今までは俺の欲深さに感心こそすれど、自分からあれが欲しいこれが欲しいといった事はなかったはず。

その彼がまさかソーセージを食べたいと言い出すとは・・・。

そういえば最近食事の時も楽しそうだと思っていたのだが、そういう理由があったんだな。

「よし、早速買って帰るぞ。」

「ありがとうございます。私の勘が間違いなく美味しいと申しておりますから、期待してよろしいですぞ。」

「そりゃ楽しみだ。」

ジンが選んだソーセージを買い付けて急ぎ屋敷に戻って調理を始める。

フライパンで香草の入っている方を焼きながら、もう一方で弱火でじっくりと茹でながら火を通す。

ハムは分厚く輪切りにして両面に焼き色を付けたら今度はその横で目玉焼きを作り、仕上がったら重ねて皿の上へ。

うーんこの時点で美味そうなんだが、せっかくだしもうひと手間加えてやろう。

「主殿パンが焼けましたぞ。」

「それじゃあ水平に切ってさっきのハムと目玉焼きを間に挟んでくれ。細長い奴はそこに茹でたのをはさむから切れ目を入れるぐらいでいいぞ。」

「まさかパンで挟むとは、贅沢ですな。」

「いつものだと硬すぎるが最近の奴は柔らかくなってきたからな、こういう食べ方もありだろう。」

ハーブの奴はそのまま食べるが、茹でる方はホットドッグ風にしてハムはバーガー風にしてみた。

本当はケチャップがあるとよかったんだが、残念ながら無いので代わりに大量のピクルスを刻んで乗せてみると案外いい感じの見た目になった。

どこかのコーヒーチェーンがこんな感じのホットドッグを売っていた気がする。

最初はホットドッグにピクルスなんてって思ったんだが、肉肉しい感じがさっぱりして食べやすくなるんだよなぁ。

「オヤ、いい匂いがすると思ったら今日は何かのお祭りかな?」

「北方の『冬超えの日』を祝う食事をアレンジしてみたんだが、ウィフさんも一つどうだ?」

「じゃあこの細長い奴をもらうよ。これはあれだね、いま王都ではやってる柔らかいパンだね。」

「あぁ、こうやって食べれば手も汚れないしそれなりにボリュームもあるから腹持ちもいいだろう。」

「なるほど、確かにそんな感じだ。」

「では私はこちらの挟む方を。」

俺はこっちの香草の方をもらうかな。

いつの間にか匂いにつられてウィフさんだけでなくイザベラやアニエスさんまで食堂にやってきたので、ソーセージをかじりながらそれぞれの分を追加で焼いていく。

ただ肉を焼いてパンで挟んだだけだというのにどうしてこんなに美味しいんだろうか。

こうなると益々ケチャップが欲しくなるのだが、それはトトマトが旬を迎える夏までお預けだな。

あっという間に買ってきた分を平らげてしまったので、追加を買うべく全員で市場へと向かう。

「あれ、さっきのお客さんじゃないか。」

「想像以上に美味かったのでその礼を言いにな。」

「喜んでもらってよかった、今年のは自信作だったんだ。」

「折角だから追加で買いたいんだが、どのぐらいある?」

「うれしいこと言ってくれるねぇ。でも結構売れちゃったからソーセージが7本とハムが3本残ってるだけなんだ。」

ぐぬぬ、あの味なら仕方ないとはいえ思ったよりも少ないな。

とはいえ無い物をどうこう言っても意味がないので遠慮なく買い占めさせてもらって、その流れで他の店のも順次買い付けていく。

気付けば市場で売られていた半分近くを買い付けてしまったんじゃないだろうか。

だってウィフさんが好きなだけ買い付けて良いって言ったから・・・。

「こんなにたくさんどうしますの?」

「いくらでもとは言ったけど、まさかこんなに買い付けるとはちょっと想像してなかったかな。」

「いやいや、主殿の欲深さがあれば当然の事。とはいえ、これだけの量となると我々だけでは消費しきれませんなぁ。」

これでもかと積み上げられた大量の木箱たち。

その中には買い付けたばかりのソーセージがびっしりと詰め込まれている。

どれも元の世界の物よりも大きく、どっちかっていうとフランクフルト的な太さがある。

そう、フランクフルト。

夏祭り・・・っていうかで店でよく売られているアレとほとんど同じ太さと長さがある。

とっても大きいです。

そんなやつをどうやって食べるかというと、一つしかないよな。


「さぁさぁ、今日は北方でいう『冬越えの日』。長い冬を超えて温かい春を迎えたことをお祝いする日だ。そんな日に食べるのがそう、このフランクフルト!え、ソーセージと何が違うのかって?まぁまぁ食べてみればわかるってもんだ。一本銅貨20枚、こっちのマスタードかピクルスと一緒に食べると最高だぞ!」

急遽空いた場所を借りて買い付けたソーセージを鉄板で焼く。

焼くだけなら他の店でもやっているけれども、ここでひと手間加えるのが俺のやり方。

といっても極太ソーセージに木串代わりのニードルブランチを刺して焼いただけだが、これのおかげで焼きながらひっくり返すのも簡単になったし、なによりそのまま持って食べられるのが一番の魅力。

アツアツのフランクフルトを一口齧れば口の中で肉汁が溢れてくるのは間違いない。

因みにマスタードとピクルスは乗せ放題に付け放題。

茹でる方が美味しい奴はさっきのようにホットドッグにするという手もあったのだが、パンを確保するのが大変なので今回は見送ることにした。

あっちは個人で楽しめばいいだろう。

「ねぇ、無茶苦茶いいにおいするんだけどこれを食べ歩きできるって最高じゃない?一本ください!」

「毎度あり、目の前のマスタードとピクルスは好きなだけ乗せていいからな。」

「え、好きなだけ?」

「あぁ、だが乗せすぎるとこぼれるからほどほどにしとけよ。」

〇〇放題って聞くとお得に聞こえるのはどの世界でも同じこと。

あえて名前をフランクフルトにする事で普通とはちょっと違うっていう特別感を出しつつ販売することで、一人また一人と客がやってきて気づけば大行列ができていた。

とはいえ今までの料理と違ってただ焼いていくだけなのでそこまで時間もかからない。

一本銅貨20枚じゃ大した儲けにはならないんだけどもそれでも7本売れば銅貨40枚は儲かる計算になっている。

ぶっちゃけいつもの儲けから考えれば全くと言っていいほど稼げていないのだけど、在庫処分と考えれば悪くはない。

70本売れば銀貨4枚、700本売れば銀貨40枚。

在庫はざっと数えても1000本以上ある上に、一回の注文で二本も三本も買ってくれるのでこれぐらいの数であればすぐに売れてしまうんじゃないだろうか。

ジンと俺で延々とフランクフルトを焼きながらアニエスさんが会計をして、ウィフさんとイザベラがそのフォローに回ってくれている。

まさかこんなことになるなんてとイザベラはぼやいていたが、ウィフさんは思いのほか楽しそうにしていたのが印象的だった。

たかがソーセージと侮るなかれ。

冬を越えた喜びはここ王都でもしっかりとみんなの心と胃袋に記憶されたのだった。
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