1,624 / 1,738
1617.転売屋は歯磨き粉を買い付ける
しおりを挟む
どこもかしこもカップルばっかり、そんな状況に慣れてきた頃。
そこらじゅうでイチャコラしているカップルの横を通り過ぎた時、それは起きた。
「え、ちょっと信じられないんだけど!」
「いてぇ!」
「え、臭い!無理!絶対無理!」
キスをしようとしていた冒険者カップルだったが、突然女の方が男を突き飛ばし鼻を手でつまみながら騒ぎ始めた。
ついさっきまであんなに仲睦まじい感じだったのにいきなりの豹変ぶりに男の方もあっけにとられているのだが、女の方はマシンガンのように罵声を浴びせたかと思ったら手にしていたブレスレットを地面に投げ捨ててどこかに行ってしまった。
あれは確かうちで販売していたペア販売専用商品だったはず、残された男は何が起きたのかわからずその場で呆然としている。
うーむ、修羅場。
今は恋の春だからここまでひどい喧嘩は起きていないけれど、およそ三か月が恋の賞味期限というだけに夏の終わりごろになるとそこらじゅうでこんな光景を見る事になるんだろうか。
それはそれでげんなりするが、そのタイミングでペア用品の買い取りが大量に持ち込まれる可能性もあるわけだな。
それを買い取ってまた次の春に・・・いや、その頃にはもう王都を出て向こうに戻ってるからこの規模感の販売はできないはず、買取量も少しずつ絞っているんだから調子に乗って買い付けしないように気を付けないと。
「大丈夫か?」
「・・・大丈夫じゃない。」
「まぁ女って生き物は山の天気みたいなもんだからいつどうなるかわからないもんだ、そう落ち込むなって。」
「さっきまであんなに笑顔だったのに、俺が何したっていうんだよぉ。」
女に振られて茫然自失の男だったが今度はぽろぽろと涙まで流し始めた。
いくら俺が世話焼きだからって泣いている男の面倒は御免だと離れようとしたら、女々しいことに俺の手をしっかりとつかんで離しやがらねぇ。
周りの目が非常に厳しく、なんだったら俺が泣かせたみたいな空気にもなっている。
これはまずいってことで男を無理矢理立たせて引きずるようにして近くの飯屋に駆け込んだのだった。
「落ち着いたか?」
「はい、すみませんでした。」
「男だったらくよくよするなって言いたいところだが、まぁ思うところは色々あるだろうし俺は何も言わない。が、最後に何か言ってたが何を言われたんだ?」
「最後ってきまったわけ・・・いや、最後なんですよね。」
「あー、男ならうじうじするなよ全く。そういう所が嫌われたんじゃないのか?」
「そんなことない!あの時彼女は俺のことを臭いって・・・、臭いのかなぁ。」
男は自分の肩口付近のにおいを自分で嗅ぐも不思議そうに首をかしげるだけ、そもそも自分の匂いってのは自分ではわからないもので相手に指摘されないと中々気づかないといわれている。
でも横に座っている限りではそこまで気になるような感じではないんだが、さっきの情景を改めて思い出すと別に服のにおいとか体臭がどうこうっていう感じではなさそうだ。
一番の決め手は口を近づけてキスをしようとしたとき。
「なぁ、息吐いてみろ。」
「え?」
「いいから。」
さすがに直接は嫌なので正面に息を吐いてもらい手で軽く風を起こしてみる。
「うわ、臭!お前、ちゃんと歯磨きしてるのか?」
「え?そりゃあしてますよ。」
「最後にしたのいつだよ。」
「えーっと、三日前?」
「最低だな、そんなんだから女に逃げられるんだよ。いや、マジ無理だ、俺でも無理だ。よくまぁ今の今まで気づかれなかったもんだな。あれか?酒飲んでたとかか?それとも恋は盲目的なあれか?」
先ほどの女のように文句がこれでもかというぐらいに口からこぼれ出てくる。
そりゃ女も一瞬で恋から覚めるってもんだ。
臭い、マジで臭い、どぶ川の水を煮詰めたよりも臭い。
煮詰めたことが無いから比較するのはあれだがともかく臭い。
「そんなに?」
「そんなにじゃねぇよ、今すぐ歯を磨いてこい!歯ブラシを買う金ぐらい持ってるだろ、今すぐだ!さっさと行け!」
「は、はい!」
いやー、ビビったマジであれは無理だ。
俺があまりにブチギレるもんだから男は飛び上がりそのままダッシュで店の外に出ていってしまった。
あまりに騒いでしまったので店主に詫びを入れつつせっかくなので食事をしてから帰るとするか。
「あの~・・・。」
「ん?」
「怪しい物じゃないんですけどさっきの話を聞いてしまって、今お時間いいですか?」
「怪しい奴ほど怪しくないっていうもんだが・・・何かの勧誘ならお断りだが押し売りは歓迎している。ただし、金になりそうなもの限定でな。」
「絶対的に後者なんでご安心ください。」
ドン!とまっ平らな胸を叩いて胸を張るその女性。
王都に来てから何度も押し売り的なものを受けてきたがここまで自信満々な人は初めてだ。
背は低い、乳はない、背は低いとどう見ても子供みたい見た目なんだがこの世界じゃ見た目ほど信じられないものはないんだよなぁ。
そんなわけで自信満々の彼女から押し売りされる事になったのだが、これがまた面白いのなんの。
ここまで話術のある人に会うのは初めてかもしれない、それこそテレビショッピング的なのに出たら瞬く間にトップバイヤーになったであろう話し方であっという間に引き込まれてしまった。
「と、いうわけで100年のドラゴンの恋すらも破綻させてしまう口臭にこそ、うちのナッタービーンズを使た軟膏が最適なわけです。これを少量口に入れてブラシのようなもので歯をこすればあっという間にぬめりや粘つきがなくなり、更に舌の上にたまった汚れも吸着して口臭をもとから!取り除きます!」
「だが高いんだろ?」
「ここまでご清聴頂いたからにはしっかり勉強させてもらいますとも。どうです?ほしくなりました?」
「これを聞いてほしくならないやつはいないだろ、なぁ。」
割れんばかりの拍手が店中から巻き起こり、一身に受ける彼女が手を振ってそれに応える。
いやー面白かった!
面白かっただけじゃなく実際に欲しくなってしまった。
同じものでもただ露店に置いてあっただけじゃ絶対に売れないけれど、これを聞いたら今すぐにでも手を上げて買いたくなってしまう。
実際店内からは自分にもほしい!という声が多数上がっているので、とりあえずその声にこたえてもらっている間に少しクールダウンして、それから買い付けに入らせてもらうとしよう。
「いやー、すみませんお待たせしまして。」
「大盛況だな。」
「これもこの場を設けていただいた貴方のおかげです。」
「俺はただ話を聞いていただけだ。結構売れてたみたいだが在庫はまだあるのか?」
「もちろんですとも!大事なお客様の分を売り切ってしまうなんてことあってはならない事ですから、たくさん買ってくださいね。」
折角落ち着いたところなのにそんないい方されたらついつい買いたくなってしまう。
別に色気がとかたらしこまれたとかそういうのじゃなく、純粋なる販売力に敗北する感じ。
実際間違いなく売れるであろう商品なのでここはひとつ買い付けを減らすという流れを断ち切って思い切った数を買わせてもらおうじゃないか。
「とまぁ、そんなわけで買ってみたんだよ。」
「それがこれですか。」
「確かに効果はありそうですが、そもそも使う習慣がない物をどうやって売るのですかな?」
「・・・だよなぁ。」
どや顔で店に戻った俺を待っていたのは冷めた目で見てくるバーバラ達。
確かに素晴らしい物だし効果があるのも間違いない、だがそもそもこの世界では歯磨きの習慣がほとんどない。
別にないわけじゃないんだけどもイメージで言うと貴族はするけど庶民はしない、もしくは女性は気を付けてるけど男性はほとんどしないって感じだろう。
そんな事なら虫歯になるじゃないかって?
そうなったら虫歯になった歯を引っこ抜いてポーションをぶっかけるっていう荒業で治すから別に問題ないといえば問題ないんだよなぁ。
俺はもう二度としたくないけれどどうにかなってしまうので結果として歯磨きの文化が広まっていないんだろう。
だが、その結果がこれだ。
キスをしようとして相手(男女ともに)に嫌われてへこんでいる元カップルが多数生まれているのは間違いようのない事実。
まずはそういった連中に売り込んで少しずつ事業を拡大していくしかないだろう。
「これ一つが銀貨2枚、最初は4枚でしたか?強欲なる我らが主殿とは思えない買い付け、少々お疲れだったのかそれとも相手が上だったのか。後者の場合かなりの強者だったといえるでしょうなぁ。」
「売り切れますかね。」
「買い付けた以上俺が責任を持って売るから安心してくれ、とりあえずまずはアニエスに相談して冒険者ギルドに売り込むところからだな。」
「レイラ様イザベラ様はどうですか?」
「あっちはもう文化が根付ているから今更って感じだ。あー、あとはバサラさんとジャンヌさんか。貧民はおいそれと治療できないし、痛い思いをするのならって感じで地道に広めていくしかないか。」
やり方はいくらでもあるけれど、問題は値段の方なんだよなぁ。
あの時は確かに安い、いろいろと考えを巡らせてこれなら絶対に売れる!そう確信していたのだけれど、店に戻ってきて皆の意見を聞くとどう頑張っても利益が出ない。
たかが歯磨き粉にいったい誰が銀貨を出すというのだろうか。
酒や食べ物には湯水のように金を使う冒険者も、ただ口臭を消すだけの物に銀貨を出すとは到底思えない。
思えないんだがあの時の試算では利益が出ている。
うーむ、いったい俺は何を考えていたんだろうか。
「手痛い出費になりましたな。」
「まったくだ。だがただで転ぶつもりはないぞ?事実口臭が原因で別れたカップルがいるわけだからな、それをネタに売り込みをかけるつもりだ。」
利益は出なくともせめて原価は回収しておきたい。
夏が終わるまでおよそ四か月とちょっと。
それまで時間をかければなんとかなる・・・はずだ。
そこらじゅうでイチャコラしているカップルの横を通り過ぎた時、それは起きた。
「え、ちょっと信じられないんだけど!」
「いてぇ!」
「え、臭い!無理!絶対無理!」
キスをしようとしていた冒険者カップルだったが、突然女の方が男を突き飛ばし鼻を手でつまみながら騒ぎ始めた。
ついさっきまであんなに仲睦まじい感じだったのにいきなりの豹変ぶりに男の方もあっけにとられているのだが、女の方はマシンガンのように罵声を浴びせたかと思ったら手にしていたブレスレットを地面に投げ捨ててどこかに行ってしまった。
あれは確かうちで販売していたペア販売専用商品だったはず、残された男は何が起きたのかわからずその場で呆然としている。
うーむ、修羅場。
今は恋の春だからここまでひどい喧嘩は起きていないけれど、およそ三か月が恋の賞味期限というだけに夏の終わりごろになるとそこらじゅうでこんな光景を見る事になるんだろうか。
それはそれでげんなりするが、そのタイミングでペア用品の買い取りが大量に持ち込まれる可能性もあるわけだな。
それを買い取ってまた次の春に・・・いや、その頃にはもう王都を出て向こうに戻ってるからこの規模感の販売はできないはず、買取量も少しずつ絞っているんだから調子に乗って買い付けしないように気を付けないと。
「大丈夫か?」
「・・・大丈夫じゃない。」
「まぁ女って生き物は山の天気みたいなもんだからいつどうなるかわからないもんだ、そう落ち込むなって。」
「さっきまであんなに笑顔だったのに、俺が何したっていうんだよぉ。」
女に振られて茫然自失の男だったが今度はぽろぽろと涙まで流し始めた。
いくら俺が世話焼きだからって泣いている男の面倒は御免だと離れようとしたら、女々しいことに俺の手をしっかりとつかんで離しやがらねぇ。
周りの目が非常に厳しく、なんだったら俺が泣かせたみたいな空気にもなっている。
これはまずいってことで男を無理矢理立たせて引きずるようにして近くの飯屋に駆け込んだのだった。
「落ち着いたか?」
「はい、すみませんでした。」
「男だったらくよくよするなって言いたいところだが、まぁ思うところは色々あるだろうし俺は何も言わない。が、最後に何か言ってたが何を言われたんだ?」
「最後ってきまったわけ・・・いや、最後なんですよね。」
「あー、男ならうじうじするなよ全く。そういう所が嫌われたんじゃないのか?」
「そんなことない!あの時彼女は俺のことを臭いって・・・、臭いのかなぁ。」
男は自分の肩口付近のにおいを自分で嗅ぐも不思議そうに首をかしげるだけ、そもそも自分の匂いってのは自分ではわからないもので相手に指摘されないと中々気づかないといわれている。
でも横に座っている限りではそこまで気になるような感じではないんだが、さっきの情景を改めて思い出すと別に服のにおいとか体臭がどうこうっていう感じではなさそうだ。
一番の決め手は口を近づけてキスをしようとしたとき。
「なぁ、息吐いてみろ。」
「え?」
「いいから。」
さすがに直接は嫌なので正面に息を吐いてもらい手で軽く風を起こしてみる。
「うわ、臭!お前、ちゃんと歯磨きしてるのか?」
「え?そりゃあしてますよ。」
「最後にしたのいつだよ。」
「えーっと、三日前?」
「最低だな、そんなんだから女に逃げられるんだよ。いや、マジ無理だ、俺でも無理だ。よくまぁ今の今まで気づかれなかったもんだな。あれか?酒飲んでたとかか?それとも恋は盲目的なあれか?」
先ほどの女のように文句がこれでもかというぐらいに口からこぼれ出てくる。
そりゃ女も一瞬で恋から覚めるってもんだ。
臭い、マジで臭い、どぶ川の水を煮詰めたよりも臭い。
煮詰めたことが無いから比較するのはあれだがともかく臭い。
「そんなに?」
「そんなにじゃねぇよ、今すぐ歯を磨いてこい!歯ブラシを買う金ぐらい持ってるだろ、今すぐだ!さっさと行け!」
「は、はい!」
いやー、ビビったマジであれは無理だ。
俺があまりにブチギレるもんだから男は飛び上がりそのままダッシュで店の外に出ていってしまった。
あまりに騒いでしまったので店主に詫びを入れつつせっかくなので食事をしてから帰るとするか。
「あの~・・・。」
「ん?」
「怪しい物じゃないんですけどさっきの話を聞いてしまって、今お時間いいですか?」
「怪しい奴ほど怪しくないっていうもんだが・・・何かの勧誘ならお断りだが押し売りは歓迎している。ただし、金になりそうなもの限定でな。」
「絶対的に後者なんでご安心ください。」
ドン!とまっ平らな胸を叩いて胸を張るその女性。
王都に来てから何度も押し売り的なものを受けてきたがここまで自信満々な人は初めてだ。
背は低い、乳はない、背は低いとどう見ても子供みたい見た目なんだがこの世界じゃ見た目ほど信じられないものはないんだよなぁ。
そんなわけで自信満々の彼女から押し売りされる事になったのだが、これがまた面白いのなんの。
ここまで話術のある人に会うのは初めてかもしれない、それこそテレビショッピング的なのに出たら瞬く間にトップバイヤーになったであろう話し方であっという間に引き込まれてしまった。
「と、いうわけで100年のドラゴンの恋すらも破綻させてしまう口臭にこそ、うちのナッタービーンズを使た軟膏が最適なわけです。これを少量口に入れてブラシのようなもので歯をこすればあっという間にぬめりや粘つきがなくなり、更に舌の上にたまった汚れも吸着して口臭をもとから!取り除きます!」
「だが高いんだろ?」
「ここまでご清聴頂いたからにはしっかり勉強させてもらいますとも。どうです?ほしくなりました?」
「これを聞いてほしくならないやつはいないだろ、なぁ。」
割れんばかりの拍手が店中から巻き起こり、一身に受ける彼女が手を振ってそれに応える。
いやー面白かった!
面白かっただけじゃなく実際に欲しくなってしまった。
同じものでもただ露店に置いてあっただけじゃ絶対に売れないけれど、これを聞いたら今すぐにでも手を上げて買いたくなってしまう。
実際店内からは自分にもほしい!という声が多数上がっているので、とりあえずその声にこたえてもらっている間に少しクールダウンして、それから買い付けに入らせてもらうとしよう。
「いやー、すみませんお待たせしまして。」
「大盛況だな。」
「これもこの場を設けていただいた貴方のおかげです。」
「俺はただ話を聞いていただけだ。結構売れてたみたいだが在庫はまだあるのか?」
「もちろんですとも!大事なお客様の分を売り切ってしまうなんてことあってはならない事ですから、たくさん買ってくださいね。」
折角落ち着いたところなのにそんないい方されたらついつい買いたくなってしまう。
別に色気がとかたらしこまれたとかそういうのじゃなく、純粋なる販売力に敗北する感じ。
実際間違いなく売れるであろう商品なのでここはひとつ買い付けを減らすという流れを断ち切って思い切った数を買わせてもらおうじゃないか。
「とまぁ、そんなわけで買ってみたんだよ。」
「それがこれですか。」
「確かに効果はありそうですが、そもそも使う習慣がない物をどうやって売るのですかな?」
「・・・だよなぁ。」
どや顔で店に戻った俺を待っていたのは冷めた目で見てくるバーバラ達。
確かに素晴らしい物だし効果があるのも間違いない、だがそもそもこの世界では歯磨きの習慣がほとんどない。
別にないわけじゃないんだけどもイメージで言うと貴族はするけど庶民はしない、もしくは女性は気を付けてるけど男性はほとんどしないって感じだろう。
そんな事なら虫歯になるじゃないかって?
そうなったら虫歯になった歯を引っこ抜いてポーションをぶっかけるっていう荒業で治すから別に問題ないといえば問題ないんだよなぁ。
俺はもう二度としたくないけれどどうにかなってしまうので結果として歯磨きの文化が広まっていないんだろう。
だが、その結果がこれだ。
キスをしようとして相手(男女ともに)に嫌われてへこんでいる元カップルが多数生まれているのは間違いようのない事実。
まずはそういった連中に売り込んで少しずつ事業を拡大していくしかないだろう。
「これ一つが銀貨2枚、最初は4枚でしたか?強欲なる我らが主殿とは思えない買い付け、少々お疲れだったのかそれとも相手が上だったのか。後者の場合かなりの強者だったといえるでしょうなぁ。」
「売り切れますかね。」
「買い付けた以上俺が責任を持って売るから安心してくれ、とりあえずまずはアニエスに相談して冒険者ギルドに売り込むところからだな。」
「レイラ様イザベラ様はどうですか?」
「あっちはもう文化が根付ているから今更って感じだ。あー、あとはバサラさんとジャンヌさんか。貧民はおいそれと治療できないし、痛い思いをするのならって感じで地道に広めていくしかないか。」
やり方はいくらでもあるけれど、問題は値段の方なんだよなぁ。
あの時は確かに安い、いろいろと考えを巡らせてこれなら絶対に売れる!そう確信していたのだけれど、店に戻ってきて皆の意見を聞くとどう頑張っても利益が出ない。
たかが歯磨き粉にいったい誰が銀貨を出すというのだろうか。
酒や食べ物には湯水のように金を使う冒険者も、ただ口臭を消すだけの物に銀貨を出すとは到底思えない。
思えないんだがあの時の試算では利益が出ている。
うーむ、いったい俺は何を考えていたんだろうか。
「手痛い出費になりましたな。」
「まったくだ。だがただで転ぶつもりはないぞ?事実口臭が原因で別れたカップルがいるわけだからな、それをネタに売り込みをかけるつもりだ。」
利益は出なくともせめて原価は回収しておきたい。
夏が終わるまでおよそ四か月とちょっと。
それまで時間をかければなんとかなる・・・はずだ。
18
あなたにおすすめの小説
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる