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薔薇の香
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数日後、クレマンのもとに本当にロイク・デュランから招待状が届いた。妻共々お待ちしてますと。
クレマンはこの事はエンゾには話さなかった。ルシファンヌと会うことを何となく後ろめたい気がして言う機会を逃してしまった。
「ようこそ、クレマン様」
エントランスではロイク自らが迎えてくれた。
「ルシファンヌは待ちきれなくて、今薔薇園で薔薇の世話をしております」
エントランスをそのまま通り抜け中庭に出ると目の前には薔薇の花園が広がっていた。
「これは!美しい…」
「今が見頃ですよ」
褒められたことが満更でもないロイクは更に続けた。
「レジェの家から植替えたものです。元は…この3倍くらいは広かったでしょうか。レジェの薔薇園は本当に美しかった。根もうまく付いたようだし良かったですよ」
「そうですか…しかしここも見事ですよ。よほど庭師の腕がいいのか…」
「いえいえ、ここはすべてルシファンヌが管理しているのです。
お聞き及びかとは思いますがレジェ男爵家は薔薇の栽培を家業としています。
亡くなったシャルル・レジェは植物学者としても有名な薔薇の栽培家だったのです。
その技術をルシファンヌはすべて受け継いでいます。
本来なら彼女自身がレジェ男爵を継いでも構わないほどですが、女性は継げない為私が婿入りという形をとったのです」
ロイクは話しながらルシファンヌを探しているようだが見当たらなかった。
「そうなるとデュランを名乗っているけど本当はレジェということですか?」
クレマンが不思議に思って聞くと
「ははは、そうです。仕事の都合でデュランと名乗っているだけです。戸籍はレジェですよ。
彼女にとって薔薇は命なのです。名を残すのと資金援助、魅力的な話だったんでしょうね」
ロイクは自嘲した笑顔を見せた。
ふたりはルシファンヌを探しながら薔薇園を抜け温室に入ると思った通り彼女は中にいて黒薔薇の様子を見ていた。
「ルシファンヌ、お待ちかねのお客様だよ」
「まあ!気がつきませんで失礼しました」
彼女は向き直り
「ようこそいらっしゃいませ、クレマン様」
と言い、美しいカテーシーをした。
「お招き、ありがとうございます」
クレマンは軽く会釈をした。
ふたりの様子をじっと見ていたロイクだが
「私もクレマン様と話をしたいがあいにく急な客で銀行に戻らねばなりません。ルシファンヌ、クレマン様のお相手をしてくれ」
と言い出し温室を出ようとした。クレマンは慌てて
「で、でも、それではあまりにも…」
彼女とふたりきりは良くないと言いたかったが
「いやいや、お気になさらず」
と手を振って行ってしまった。
「ふふ、クレマン様、考えすぎですわ。わたくしは薔薇の話がしたいだけ」
彼女は微笑んだ。
相変わらず黒のドレスだがベールはなかった。明るいところで初めて見たな、クレマンは思った。
軽くウェーブのかかった黒髪、透けるような白い肌、ヘーゼルアイ…
あまり見過ぎてはよくないと
「ここは温室というより実験室のようですね」
クレマンは辺りを見渡した。鉢植えの薔薇がいくつも並んでいてそれぞれタグが掛けられている。顕微鏡や試験管、書類の束もあった。
「ええ、ここでは主に黒薔薇の研究を。…見てください、あなたが褒めてくださったこの子がまた蕾をつけました。」
そう言って黒薔薇の鉢をクレマンに見せた。
「あなたがおっしゃったように深紅の薔薇ならあったのです。でもこのように漆黒の闇のように黒い薔薇はこの子が初めて…『シャルル・ノアール』と名付けました」
そう言って彼女は黒の花びらにそっと頬ずりした。
「シャルル?お父上の名前ですか?」
クレマンはさっきのロイクの話を思い出し、父親がそんな名前だった気がして尋ねた。
ルシファンヌは一瞬はっとした表情を見せた。でもすぐに
「そう…ですね。そういうことにしておきましょうか…」
と言って目を伏せた。
クレマンは何のことやらわからずただ立ち尽くしていると、
「クレマン様、これはご存知でして?」
ルシファンヌは彼の手を引いてある場所に案内した。
「これは蓄音機ですね。隣国で何回か見ました」
「ええ、薔薇たちに音楽を聴かせているのです」
レコード盤を置きなから
「父は懐疑的でしたが、わたくしは音楽を植物に聴かせて成長を促すことは有益だと考えておりますの」
やがてワルツが流れ出した。
「ほら、みんな生き生きしているでしょう」
クレマンにはよくわからなかったが、彼女が生き生きとしている事は間違いなかった。
静かに流れる曲と薔薇の香に包まれてクレマンは次第に酔っていった。そうするとルシファンヌと一曲踊りたい気持ちになって手を彼女に差し伸べた。
「ダメダメ、ファーストダンスは『シャルル・ノアール』と」
彼女はそう言って微笑みながら黒薔薇シャルル・ノアールを抱えるようにして踊った。
温室はダンスホールに変わった。ルシファンヌは『シャルル・ノアール』と踊っている。
クレマンは黒薔薇に嫉妬した。
…温室はやはり踊るには狭かった。ルシファンヌはつまづいたが薔薇をかばったため倒れるほど体が傾いた。
「危ない!」
クレマンは薔薇ごと彼女を受け止めた。
「…大丈夫ですか?」
「ふふ、この前と同じことを聞くのね」
クレマンは言葉などどうでもいいと思った。
さっきからするこの香りは彼女自身のものか、薔薇の香りなのか、思考はもうぐちゃぐちゃだった。
「クレマン様は優しい方ね。わたくしを気遣い、薔薇をきづか…」
もう言葉はいらないのだ!
クレマンはルシファンヌを抱き寄せ言葉を消すように唇を重ねた。
嫌がられるかと思いきや彼女はすんなり受け入れた。
「どうして?」
唇の離れ際ヘーゼルの瞳がまっすぐクレマンを見つめていた。
「…ただ赤い薔薇の花びらにくちづけただけですよ」
クレマンはそれだけ答えた。
この事の一部始終を温室の外からじっと息を殺して見ていた者がいたことなどクレマンは気付いていなかった。
クレマンはこの事はエンゾには話さなかった。ルシファンヌと会うことを何となく後ろめたい気がして言う機会を逃してしまった。
「ようこそ、クレマン様」
エントランスではロイク自らが迎えてくれた。
「ルシファンヌは待ちきれなくて、今薔薇園で薔薇の世話をしております」
エントランスをそのまま通り抜け中庭に出ると目の前には薔薇の花園が広がっていた。
「これは!美しい…」
「今が見頃ですよ」
褒められたことが満更でもないロイクは更に続けた。
「レジェの家から植替えたものです。元は…この3倍くらいは広かったでしょうか。レジェの薔薇園は本当に美しかった。根もうまく付いたようだし良かったですよ」
「そうですか…しかしここも見事ですよ。よほど庭師の腕がいいのか…」
「いえいえ、ここはすべてルシファンヌが管理しているのです。
お聞き及びかとは思いますがレジェ男爵家は薔薇の栽培を家業としています。
亡くなったシャルル・レジェは植物学者としても有名な薔薇の栽培家だったのです。
その技術をルシファンヌはすべて受け継いでいます。
本来なら彼女自身がレジェ男爵を継いでも構わないほどですが、女性は継げない為私が婿入りという形をとったのです」
ロイクは話しながらルシファンヌを探しているようだが見当たらなかった。
「そうなるとデュランを名乗っているけど本当はレジェということですか?」
クレマンが不思議に思って聞くと
「ははは、そうです。仕事の都合でデュランと名乗っているだけです。戸籍はレジェですよ。
彼女にとって薔薇は命なのです。名を残すのと資金援助、魅力的な話だったんでしょうね」
ロイクは自嘲した笑顔を見せた。
ふたりはルシファンヌを探しながら薔薇園を抜け温室に入ると思った通り彼女は中にいて黒薔薇の様子を見ていた。
「ルシファンヌ、お待ちかねのお客様だよ」
「まあ!気がつきませんで失礼しました」
彼女は向き直り
「ようこそいらっしゃいませ、クレマン様」
と言い、美しいカテーシーをした。
「お招き、ありがとうございます」
クレマンは軽く会釈をした。
ふたりの様子をじっと見ていたロイクだが
「私もクレマン様と話をしたいがあいにく急な客で銀行に戻らねばなりません。ルシファンヌ、クレマン様のお相手をしてくれ」
と言い出し温室を出ようとした。クレマンは慌てて
「で、でも、それではあまりにも…」
彼女とふたりきりは良くないと言いたかったが
「いやいや、お気になさらず」
と手を振って行ってしまった。
「ふふ、クレマン様、考えすぎですわ。わたくしは薔薇の話がしたいだけ」
彼女は微笑んだ。
相変わらず黒のドレスだがベールはなかった。明るいところで初めて見たな、クレマンは思った。
軽くウェーブのかかった黒髪、透けるような白い肌、ヘーゼルアイ…
あまり見過ぎてはよくないと
「ここは温室というより実験室のようですね」
クレマンは辺りを見渡した。鉢植えの薔薇がいくつも並んでいてそれぞれタグが掛けられている。顕微鏡や試験管、書類の束もあった。
「ええ、ここでは主に黒薔薇の研究を。…見てください、あなたが褒めてくださったこの子がまた蕾をつけました。」
そう言って黒薔薇の鉢をクレマンに見せた。
「あなたがおっしゃったように深紅の薔薇ならあったのです。でもこのように漆黒の闇のように黒い薔薇はこの子が初めて…『シャルル・ノアール』と名付けました」
そう言って彼女は黒の花びらにそっと頬ずりした。
「シャルル?お父上の名前ですか?」
クレマンはさっきのロイクの話を思い出し、父親がそんな名前だった気がして尋ねた。
ルシファンヌは一瞬はっとした表情を見せた。でもすぐに
「そう…ですね。そういうことにしておきましょうか…」
と言って目を伏せた。
クレマンは何のことやらわからずただ立ち尽くしていると、
「クレマン様、これはご存知でして?」
ルシファンヌは彼の手を引いてある場所に案内した。
「これは蓄音機ですね。隣国で何回か見ました」
「ええ、薔薇たちに音楽を聴かせているのです」
レコード盤を置きなから
「父は懐疑的でしたが、わたくしは音楽を植物に聴かせて成長を促すことは有益だと考えておりますの」
やがてワルツが流れ出した。
「ほら、みんな生き生きしているでしょう」
クレマンにはよくわからなかったが、彼女が生き生きとしている事は間違いなかった。
静かに流れる曲と薔薇の香に包まれてクレマンは次第に酔っていった。そうするとルシファンヌと一曲踊りたい気持ちになって手を彼女に差し伸べた。
「ダメダメ、ファーストダンスは『シャルル・ノアール』と」
彼女はそう言って微笑みながら黒薔薇シャルル・ノアールを抱えるようにして踊った。
温室はダンスホールに変わった。ルシファンヌは『シャルル・ノアール』と踊っている。
クレマンは黒薔薇に嫉妬した。
…温室はやはり踊るには狭かった。ルシファンヌはつまづいたが薔薇をかばったため倒れるほど体が傾いた。
「危ない!」
クレマンは薔薇ごと彼女を受け止めた。
「…大丈夫ですか?」
「ふふ、この前と同じことを聞くのね」
クレマンは言葉などどうでもいいと思った。
さっきからするこの香りは彼女自身のものか、薔薇の香りなのか、思考はもうぐちゃぐちゃだった。
「クレマン様は優しい方ね。わたくしを気遣い、薔薇をきづか…」
もう言葉はいらないのだ!
クレマンはルシファンヌを抱き寄せ言葉を消すように唇を重ねた。
嫌がられるかと思いきや彼女はすんなり受け入れた。
「どうして?」
唇の離れ際ヘーゼルの瞳がまっすぐクレマンを見つめていた。
「…ただ赤い薔薇の花びらにくちづけただけですよ」
クレマンはそれだけ答えた。
この事の一部始終を温室の外からじっと息を殺して見ていた者がいたことなどクレマンは気付いていなかった。
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