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第一章 追放の日
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真昼の太陽が、まるで私を嘲笑うように照りつけていた。
王立学園の大講堂――そこに集められた貴族子女たちの視線が、私ひとりに突き刺さる。
「リリアナ・アルステッド。お前の悪行の数々、もはや見過ごすことはできぬ!」
壇上に立つ王太子エドワードの声が、冷たい石壁に響いた。
私の婚約者であり、この国の次代を担うと称えられる王子。
けれど今、その瞳には愛情のかけらもなく、ただ私を断罪する悦びが宿っている。
「悪行、ですか」
私はゆっくりと顔を上げ、会場を見渡した。
見慣れた同級生たち――だが、誰一人として私の味方はいない。
みな、まるで獲物を見るかのような目で私を見下ろしていた。
「聖女ミリアンヌに嫉妬し、彼女に嫌がらせを行った。挙げ句、魔法で命を狙った――これが事実だ!」
どよめきが起こる。
私はため息をついた。
それが、彼らが用意した“真実”なのだと理解していたから。
「……証拠は?」
「ミリアンヌ自身が証言している!」
視線の先、王太子の隣に立つ少女――ミリアンヌ・クローディア。
かつては平民の娘だった彼女が、“聖女の加護を得た”とされて一躍王家に取り立てられた。
今は王太子の腕に寄り添い、涙をこぼすふりをしている。
「リリアナ様……どうして、わたしのことを……」
震える声で、彼女は悲劇のヒロインを演じてみせた。
周囲の生徒たちは一斉に非難の声を上げる。
「なんてひどい令嬢!」
「王太子殿下のお心をもてあそんでいたのね!」
……滑稽だわ。
ほんの数か月前まで、彼らは私の取り巻きだったというのに。
「リリアナ・アルステッド。お前との婚約は破棄する」
エドワードの言葉が、最後の一撃となった。
冷たい鎖が胸の奥に食い込み、何かが壊れる音がした気がする。
けれど私は、ただ静かに一礼した。
「かしこまりました、殿下。ですが――」
一瞬、彼の眉が動いた。
私は唇の端をわずかに上げる。
「真実は、いずれ王都を焼くでしょう」
ざわめき。
それは呪いの言葉のように響き、場を凍りつかせた。
私はドレスの裾を翻し、大講堂をあとにした。
外の空気は冷たく澄んでいて、胸に渦巻く熱と対照的だった。
――これでいい。どうせ、最初から彼らにとって私は“悪役”でしかなかった。
だが。
あの王家の血に、私の一族がどんな呪いを負わされてきたかを、彼らは知らない。
何代にもわたり、王のために犠牲となり続けたアルステッド家の女たち。
そして私は、その最後の娘。
「いいわ……もう、演じるのはやめましょう」
馬車に乗り込み、王都を出るとき、遠くに王城の塔が見えた。
あの場所が、いつか崩れ落ちる日を夢見て――。
私は心に誓った。
必ず、すべてを終わらせる。
王太子も、聖女も、王家も。
私を“悪役”にした者たち、全員に――ざまぁして差し上げるわ。
王立学園の大講堂――そこに集められた貴族子女たちの視線が、私ひとりに突き刺さる。
「リリアナ・アルステッド。お前の悪行の数々、もはや見過ごすことはできぬ!」
壇上に立つ王太子エドワードの声が、冷たい石壁に響いた。
私の婚約者であり、この国の次代を担うと称えられる王子。
けれど今、その瞳には愛情のかけらもなく、ただ私を断罪する悦びが宿っている。
「悪行、ですか」
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どよめきが起こる。
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かつては平民の娘だった彼女が、“聖女の加護を得た”とされて一躍王家に取り立てられた。
今は王太子の腕に寄り添い、涙をこぼすふりをしている。
「リリアナ様……どうして、わたしのことを……」
震える声で、彼女は悲劇のヒロインを演じてみせた。
周囲の生徒たちは一斉に非難の声を上げる。
「なんてひどい令嬢!」
「王太子殿下のお心をもてあそんでいたのね!」
……滑稽だわ。
ほんの数か月前まで、彼らは私の取り巻きだったというのに。
「リリアナ・アルステッド。お前との婚約は破棄する」
エドワードの言葉が、最後の一撃となった。
冷たい鎖が胸の奥に食い込み、何かが壊れる音がした気がする。
けれど私は、ただ静かに一礼した。
「かしこまりました、殿下。ですが――」
一瞬、彼の眉が動いた。
私は唇の端をわずかに上げる。
「真実は、いずれ王都を焼くでしょう」
ざわめき。
それは呪いの言葉のように響き、場を凍りつかせた。
私はドレスの裾を翻し、大講堂をあとにした。
外の空気は冷たく澄んでいて、胸に渦巻く熱と対照的だった。
――これでいい。どうせ、最初から彼らにとって私は“悪役”でしかなかった。
だが。
あの王家の血に、私の一族がどんな呪いを負わされてきたかを、彼らは知らない。
何代にもわたり、王のために犠牲となり続けたアルステッド家の女たち。
そして私は、その最後の娘。
「いいわ……もう、演じるのはやめましょう」
馬車に乗り込み、王都を出るとき、遠くに王城の塔が見えた。
あの場所が、いつか崩れ落ちる日を夢見て――。
私は心に誓った。
必ず、すべてを終わらせる。
王太子も、聖女も、王家も。
私を“悪役”にした者たち、全員に――ざまぁして差し上げるわ。
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