とてもくらい夜の中で

たやま

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序章 終わりの始まり

キッカケだけの関係が終わって。

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一学期が終わろうとしていた。というか、既に2日前である。去年よりはマシな夏休みになると良いのだが、

「終業式終わった後って暇?」

「なんで?」

「代議のメンバーで、っていうか代議のメンバーと私の仲良い人達で、お疲れ様会するつもりなんだけど、蒼斗も来るかなって。」

とても嬉しい。だってそれって、俺も雨の仲良い人になれたって事だ。光栄極まりない。

「どこでするかによるかな。持って帰る荷物アホみたいに多いから、帰ってから、疲れた上でアホみたいに遠いところは、流石に行きたくないっすよ。」

「それも体力作りって事で良いと思うけど、中学校近くのセブンら辺の公園で、適当にお菓子食べながら、話すくらいかな。」

「そのくらいだったら、別にいいよ。」

「詳しいことは、終業式終わったら、また話そっか。」

「りょーかい」

・・・

ーーー雨の家の近くについてーーー

とりあえずピンポン押したけど、大丈夫だろうか。家から出るのがあまりにも遅い。

「ごめんごめん。思ったよりも蒼斗の到着が早くて、用意時間かかちゃった。」

雨の私服見るのとか、ほぼ始めたじゃないだろうか、いやそりゃもちろん、小学校の時とかほぼ私服みたいなもんだし、ドッジボールの時の打ち上げとか、小学校の時の打ち上げ、で何度か見てるんだろうけども、
にしたって、久しぶりに見る雨の私服姿は、あまりにも可愛かった。

「あ、え。」

「どんな反応してんの。てか、お昼ご飯食べた?」

「うん。食べたよ。」

「じゃあ、コンビニで買うのは、ほんとにお菓子だけでよさそうだね。」

「ゆうさくたちは、いつ来そうなの?」

「ご飯病院の方のマックで食べてから来るらしいから、こっち来るの遅そう。」

「はるか達は?」

「今日塾だったの忘れてたらしくて、来れなくなったみたい。」

ーーー買い物を済ませ、公園に着いてーーー

「てかさっきみたいな話。早く言ってよ。相当な時間2人きりになるってことだよね?」

「蒼斗ってわざわざ言わなくて良いこと、いうよね。口に出して確認するようなことでもないのにさ。」

「思ったことすぐ口に出しちゃうんだよ。よくない癖ってわかってるんだけど、中々治せないんだよね。誰に対してとかはないけど、少し申し訳なく思うよ。」

「それ、蒼斗の良いところだけど、よくないところでもあるから、私以外の前でしないほうがいいよ。」

「なんだよ。私以外の前でするな。って彼女じゃあるまいし笑。」

「細かいなー。別に私以外の前でっていうか、仲良い人以外の前では、その癖全開で出さないほうが、仲良くなれるんじゃない?って言いたいだけだよ。」

「わかってるよ」

ちょっと嬉しい。雨のそういう特別扱いしてくれてる感じ、自分は誰かの特別で入れてるって感じがして、凄く嬉しくなれる。そういう所が、好きだな。

「好きだな」

「今何か言った?」

「別になんでもない。」

その後病院の近くのマックは、今日に限って何故か混んでいたようで、ゆうさく達が来るのは想定よりも、4倍近く遅れての到着になった。

それまでの間先生の愚痴を話したり、ゆうさくや、塾の関係で今日来れなくなった、他の代議委員達のお話、宿題や塾の話、部活の話など、普段から話しているような内容なのに、やっぱり雨と居ると意味がわからないほど、話が弾む。意味がわからないっていうのは、もちろんいい意味で。
俺が好きな時間。他愛のない雑談を繰り広げるこの時間が、俺は何よりも好き。ずっとこの時間が続いて欲しいとすら思う。

それからゆうさく達が公園に来たのは、夏の夕日が落ちる頃。要するに、とても時間が過ぎ去った後になった。そして夏というのはどうしてこうも天候が変化しやすいのか、今にも雨が降り始めそうな、雲が広がり始めていた。
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