もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~

いずみず

文字の大きさ
156 / 262

156話 「バトル・メイド その2」

しおりを挟む
 外でレディーが指揮をとっている頃。結界の中では……。


「今のは冗談だ! は絶対ダメだな。あの人数で全員が同じ聞き間違いをしたと説明しても無理があるだろうし」
「そんな発言をしたら間違いなくブチ切れますぞ」
「くそっ、全然アイディアが出ないぞ……。これは非常にまずい状況だな」
「ほほっ、私も浮かびませんな」


 怒られないようにどうにかしようと頑張るが、全然言い訳が浮かんでいなかった。


「はぁーい!」
「どうしたメンテ? 何かいい考えがあるのかい?」
「きゃきゃー!」←指プイをして2人に何かを伝えるメンテ
「ん?」「おや?」


 ガンガン、ドーン、ダダダダダ、バーーーーーーーーーン!


 なんとメイド達による一斉攻撃が始まったのである。グラグラと結界が揺れ始めた。


「うぉ?! みんなで結界を壊す気か? 強引な手で来たな。でもこの結界は頑丈だぞ。なにせ冒険者がたばになっても壊れなかったからな。はっはっは!」
「ほほっ、そうですな。効果が切れるまで時間稼ぎ出来るでしょう」
「えぐぐ~!」←目がキラキラ
「はっはっは、すごいだろう。では今のうちに決めるぞ!」


 ドガアアアアアーーーーーーーーーン! バキンッ!! ババババッババババババ!!! ピュイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!! ギシャシャシャシャアアアア!!!!!!

 ドゥゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!

 ピキッ、ピキピキピキ………。


「うぉ、なんだ?! な、もうひび割れだと?! 冗談だろ……」
「まずいですな。どうやら私の娘が力を使っているようです。このままでは、あと数十秒足らずで破壊されてしまいますぞ」
「えぐぅ!!!!!!!!!!!!!!!」


 焦る二人。だかこの状況で、バンバンと父親を叩き始めるメンテ。外の様子に興味津々な赤ちゃんであった。


「はっはっは、あれが知りたいのか。そうかそうか……って今忙しいからな? あとで教えるから暴れないでくれ。な?」
「うわあああああああああああああん!」
「わ、分かったから泣かないでくれー!」
「カフェが動きましたぞ! も、もう時間が……」


 バリッ、バリバリーン……。バリィーーーーーーーーーーーーン!!


 ◆


「うおおおおおおおおおおおおおおお!」ダアアアアアーン!


 あるメイドは思いっきり結界を殴り。



「りゃあああああ!」ガガガガガッ!!


 あるメイドは剣で結界を切ろうとし。



「てやー!」ジュゥン!!!


 あるメイドは巨大なハンマーで結界をを叩き割ろうと振り回し。



「はあああああ!」ピキイイイイイイン!!!!


 あるメイドは魔法を放って結界を破壊しようとしていた。

 このように、外ではメイド軍団が結界を攻撃しまくっていた。個人個人によって武器や戦い方は違うが、その威力やスピードは尋常なものではなかった。普段の優しい彼女らからは考えられないような変貌っぷりである。


 それもそのはず。全員がカフェの”バトル・メイド”の影響を受けているからだ。


 身体強化魔法”バトル・メイド”。自身だけではなく、他人のありとあらゆる強化を行うことが可能なカフェオリジナルの支援魔法である。戦闘経験のないただの村人が、ベテラン冒険者と互角に戦えるレベルにまで強化されると言われるとんでもない魔法だ。メイドとついているが、実際はメイド限定ではなく誰にでも効果を発揮する。レディーも一緒に強化を受けているのはそういう訳なのだ。

 使用中はあまりの高揚感に狂戦士になったり、俺は強いと勘違いした人が魔物と戦い怪我をする事が多発したため普段は使用しない。だが、今回はタクシーが相手だし大丈夫だろうと普通に使われたという。



「……そろそろですね。みなさん、いっせいに攻撃を。トドメは私がやりますので」
「「「「「「「はっ!」」」」」」」


 ドガアアアアアーーーーーーーーーン! バキンッ!! ババババッババババババ!!! ピュイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!! ギシャシャシャシャアアアア!!!!!!


 本気で結界を攻撃するメイド達。攻撃が止むとカフェが走り出し、結界の一番高い場所に向かって飛び跳ねた。そのままグルグルと回転しながら、最後にかかと落としを決めるカフェ。


 ドゥゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!


 轟音と共に割れる結界。カフェ一撃が、すさまじい破壊力だと物語っていた。タクシー直伝の必殺技の1つである。普段はただのメイドであるカフェだが、戦闘になると自身を強化してタクシー並みの強さを発揮するのだ。この戦闘センスは、さすが親子といったところだろう。


 バリバリバリーン……。パラパラパラ…………。


「嘘だろ?! こんな簡単に……」
「旦那様、一旦ここから離れますぞ! ……おや? 動けませんな」
「きゃきゃあああああああああああ!」


 割れた瞬間に煙幕、急に身動きが取れなくなるダンディとタクシー。メンテ奪還組のメイド達が魔法を使ったからである。地面から何かが出て脚の動きを捉えたり、目隠し的な魔法だったり、ロープみたいになもので全身を拘束する魔法だったりと。とにかく色々である!


 サッ、サササ!


「奥様、メンテ様を奪還致しました」
「フフッ、ご苦労様」
「きゃきゃ、きゃきゃきゃきゃきゃあああああああああああああああああああああああああ!」


 あっけなく奪還されるメンテ。そのままレディーに抱っこされ大喜びであった。実際はたくさんの魔法を見れて興奮しているだけであるが。


「……フフッ。もうおしまいかしら?」
「「ひぃ?!」」


 追い詰められるダンディとタクシー。ここで我に返ったメンテが、2人を守ろうとレディーに問いかけた!


「まんまぁー」
「どうしたのメンテちゃん? 今忙しいのよ」
「ぱんぱぁー、あくいー。ぶっころ? ぶっころちゅ? あえあお(ダメだよ)」
「……………………………………フフフフフフフフフッ。メンテちゃん、次にその言葉を使ったら……、分かってるわよねえ?」ゴゴゴゴゴゴッ!
「……え、えぐえぐ。ぱぱー、あぐいー、ダメ。まんまー」ぎゅっ
「フフッ、メンテちゃんは偉いわね。あそこの2人と違ってしっかり反省したもんね~」
「はぁーい!」
「「――?!」」


 レディーの迫力にびびり、急にダンディとタクシーを裏切るメンテ。2人の顔が一瞬戸惑ったが、だんだんと状況を理解し絶望の表情へと変わっていく。


「あら、丁度いいタイミングね。キッサさんこっちよー。じゃあメンテちゃんは家の中で待っててね。2人の教育が終わったら戻るから我慢するのよ?」
「はあーい!」
「フフッ、偉いわね。じゃあカフェちゃん、メンテちゃんをお願いね」
「かしこまりました」
「はぁーい! あふぇ、えぐえぐ~?(カフェ、さっきの魔法は何~?)」


 今使った魔法を知りたくてカフェに甘えまくるメンテ。もはやダンディとタクシーなんて目に入っていなかった。よくよく考えればこの騒動の原因はメンテなのだが、彼は気付いているのだろうか? だがそんなことはすぐ忘れ、自分の好きなことに夢中になるあたりがナンス家らしい。いや、ただの赤ちゃんなのである。


「フフッ。フフフフフフッ……」


 このあと、めっちゃくちゃ怒られたダンディとタクシーであった。何をしたのかは不明だが、家の周辺がありえない地形に変わってしまった。そのため、メンテはしばらく散歩すら出来なくなり悲しんだという。

しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...