もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~

いずみず

文字の大きさ
156 / 263

156話 「バトル・メイド その2」

 外でレディーが指揮をとっている頃。結界の中では……。


「今のは冗談だ! は絶対ダメだな。あの人数で全員が同じ聞き間違いをしたと説明しても無理があるだろうし」
「そんな発言をしたら間違いなくブチ切れますぞ」
「くそっ、全然アイディアが出ないぞ……。これは非常にまずい状況だな」
「ほほっ、私も浮かびませんな」


 怒られないようにどうにかしようと頑張るが、全然言い訳が浮かんでいなかった。


「はぁーい!」
「どうしたメンテ? 何かいい考えがあるのかい?」
「きゃきゃー!」←指プイをして2人に何かを伝えるメンテ
「ん?」「おや?」


 ガンガン、ドーン、ダダダダダ、バーーーーーーーーーン!


 なんとメイド達による一斉攻撃が始まったのである。グラグラと結界が揺れ始めた。


「うぉ?! みんなで結界を壊す気か? 強引な手で来たな。でもこの結界は頑丈だぞ。なにせ冒険者がたばになっても壊れなかったからな。はっはっは!」
「ほほっ、そうですな。効果が切れるまで時間稼ぎ出来るでしょう」
「えぐぐ~!」←目がキラキラ
「はっはっは、すごいだろう。では今のうちに決めるぞ!」


 ドガアアアアアーーーーーーーーーン! バキンッ!! ババババッババババババ!!! ピュイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!! ギシャシャシャシャアアアア!!!!!!

 ドゥゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!

 ピキッ、ピキピキピキ………。


「うぉ、なんだ?! な、もうひび割れだと?! 冗談だろ……」
「まずいですな。どうやら私の娘が力を使っているようです。このままでは、あと数十秒足らずで破壊されてしまいますぞ」
「えぐぅ!!!!!!!!!!!!!!!」


 焦る二人。だかこの状況で、バンバンと父親を叩き始めるメンテ。外の様子に興味津々な赤ちゃんであった。


「はっはっは、あれが知りたいのか。そうかそうか……って今忙しいからな? あとで教えるから暴れないでくれ。な?」
「うわあああああああああああああん!」
「わ、分かったから泣かないでくれー!」
「カフェが動きましたぞ! も、もう時間が……」


 バリッ、バリバリーン……。バリィーーーーーーーーーーーーン!!


 ◆


「うおおおおおおおおおおおおおおお!」ダアアアアアーン!


 あるメイドは思いっきり結界を殴り。



「りゃあああああ!」ガガガガガッ!!


 あるメイドは剣で結界を切ろうとし。



「てやー!」ジュゥン!!!


 あるメイドは巨大なハンマーで結界をを叩き割ろうと振り回し。



「はあああああ!」ピキイイイイイイン!!!!


 あるメイドは魔法を放って結界を破壊しようとしていた。

 このように、外ではメイド軍団が結界を攻撃しまくっていた。個人個人によって武器や戦い方は違うが、その威力やスピードは尋常なものではなかった。普段の優しい彼女らからは考えられないような変貌っぷりである。


 それもそのはず。全員がカフェの”バトル・メイド”の影響を受けているからだ。


 身体強化魔法”バトル・メイド”。自身だけではなく、他人のありとあらゆる強化を行うことが可能なカフェオリジナルの支援魔法である。戦闘経験のないただの村人が、ベテラン冒険者と互角に戦えるレベルにまで強化されると言われるとんでもない魔法だ。メイドとついているが、実際はメイド限定ではなく誰にでも効果を発揮する。レディーも一緒に強化を受けているのはそういう訳なのだ。

 使用中はあまりの高揚感に狂戦士になったり、俺は強いと勘違いした人が魔物と戦い怪我をする事が多発したため普段は使用しない。だが、今回はタクシーが相手だし大丈夫だろうと普通に使われたという。



「……そろそろですね。みなさん、いっせいに攻撃を。トドメは私がやりますので」
「「「「「「「はっ!」」」」」」」


 ドガアアアアアーーーーーーーーーン! バキンッ!! ババババッババババババ!!! ピュイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!! ギシャシャシャシャアアアア!!!!!!


 本気で結界を攻撃するメイド達。攻撃が止むとカフェが走り出し、結界の一番高い場所に向かって飛び跳ねた。そのままグルグルと回転しながら、最後にかかと落としを決めるカフェ。


 ドゥゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!


 轟音と共に割れる結界。カフェ一撃が、すさまじい破壊力だと物語っていた。タクシー直伝の必殺技の1つである。普段はただのメイドであるカフェだが、戦闘になると自身を強化してタクシー並みの強さを発揮するのだ。この戦闘センスは、さすが親子といったところだろう。


 バリバリバリーン……。パラパラパラ…………。


「嘘だろ?! こんな簡単に……」
「旦那様、一旦ここから離れますぞ! ……おや? 動けませんな」
「きゃきゃあああああああああああ!」


 割れた瞬間に煙幕、急に身動きが取れなくなるダンディとタクシー。メンテ奪還組のメイド達が魔法を使ったからである。地面から何かが出て脚の動きを捉えたり、目隠し的な魔法だったり、ロープみたいになもので全身を拘束する魔法だったりと。とにかく色々である!


 サッ、サササ!


「奥様、メンテ様を奪還致しました」
「フフッ、ご苦労様」
「きゃきゃ、きゃきゃきゃきゃきゃあああああああああああああああああああああああああ!」


 あっけなく奪還されるメンテ。そのままレディーに抱っこされ大喜びであった。実際はたくさんの魔法を見れて興奮しているだけであるが。


「……フフッ。もうおしまいかしら?」
「「ひぃ?!」」


 追い詰められるダンディとタクシー。ここで我に返ったメンテが、2人を守ろうとレディーに問いかけた!


「まんまぁー」
「どうしたのメンテちゃん? 今忙しいのよ」
「ぱんぱぁー、あくいー。ぶっころ? ぶっころちゅ? あえあお(ダメだよ)」
「……………………………………フフフフフフフフフッ。メンテちゃん、次にその言葉を使ったら……、分かってるわよねえ?」ゴゴゴゴゴゴッ!
「……え、えぐえぐ。ぱぱー、あぐいー、ダメ。まんまー」ぎゅっ
「フフッ、メンテちゃんは偉いわね。あそこの2人と違ってしっかり反省したもんね~」
「はぁーい!」
「「――?!」」


 レディーの迫力にびびり、急にダンディとタクシーを裏切るメンテ。2人の顔が一瞬戸惑ったが、だんだんと状況を理解し絶望の表情へと変わっていく。


「あら、丁度いいタイミングね。キッサさんこっちよー。じゃあメンテちゃんは家の中で待っててね。2人の教育が終わったら戻るから我慢するのよ?」
「はあーい!」
「フフッ、偉いわね。じゃあカフェちゃん、メンテちゃんをお願いね」
「かしこまりました」
「はぁーい! あふぇ、えぐえぐ~?(カフェ、さっきの魔法は何~?)」


 今使った魔法を知りたくてカフェに甘えまくるメンテ。もはやダンディとタクシーなんて目に入っていなかった。よくよく考えればこの騒動の原因はメンテなのだが、彼は気付いているのだろうか? だがそんなことはすぐ忘れ、自分の好きなことに夢中になるあたりがナンス家らしい。いや、ただの赤ちゃんなのである。


「フフッ。フフフフフフッ……」


 このあと、めっちゃくちゃ怒られたダンディとタクシーであった。何をしたのかは不明だが、家の周辺がありえない地形に変わってしまった。そのため、メンテはしばらく散歩すら出来なくなり悲しんだという。

感想 21

あなたにおすすめの小説

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。 僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。 僕の夢……どこいった?

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)