アナザー/ライフ 〜やっと就職できたと思ったら、ノルマあり、契約期限ありの社畜に成り果てた〜

弓月下弦

文字の大きさ
2 / 25
第1話 失われた日常

走馬灯のように

しおりを挟む
「19にもなって、まだそんなことをぬかして・・・」

母親の顔が浮かぶ。ごめんなさい。20歳になれなくて。

「母さんのことは頼んだ・・・」

3年前に病死した懐かしい父親の顔が浮かぶ。ごめん。父さんの頼み事、守れそうにないや。早く楽な生活ができるように19で就活したけど、就職する前にこんなことに・・・
今まで何してきたんだろうな。
映画製作会社やゲーム会社のシージー製作に携わりたいと思い、デジタル・映像の学べる専門学校に通ったが、この一年ちょっと友達と遊んでばかりだったな。コンビニでバイトもしたけど、殆ど自分の遊びに消えていった。
だから、就活は本気でやった。大手から中小まで50社以上エントリーし、必死で面接をこなした。親孝行するには、安定した良い会社に入社することが一番だ。
頑張ったけど、やっぱり世間は甘くない。自分の希望とは反対に次々に「お祈り」が来た。
それでも俺は内定を勝ち取ろうと必死だった。専門学生もエントリー可能であれば、小売業界などにも応募した。
自分の価値を他人に決めてもらう為にPRした。
自分じゃ、自分の価値は分からないし。客観的に見ようとすると、どうしても価値が下がる。
まぁ、その程度の人間だったってことか・・・所詮。

やっと最終までたどり着いた中小ゲーム製作会社の専門職の面接も寝坊するし。

せめて、社会人になって。人の為になりたかった。

これじゃ、迷惑しか掛けてないじゃねぇか。

「零斗、卒業旅行はハワイな」

ああ・・・友人の正輝の姿が浮かぶ。そう言えば、そんな約束していたな。まだ日本から出たことも無かった・・・

狭い世界で終わるのか。
学生のまま。
何も知らずに。
世の中の黒い部分、白い部分。
何も知らない。
規則に縛られ、学校に行き、学習。自分の時間は自分の為に使う。
誰かに保護してもらって、気にかけてもらって・・・

俺は変われずに。

俺のままで・・・・・

あと、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼女欲しかったぜ。

※       ※

醒めない夢は永遠に続くはずだった。

※       ※

手足に感覚がある。俺はまだこの世にいるのか。

「!」

目を開くと、そこには四角い空があった。鉄でできた無機質な枠の向こうには空が広がっていた。ここは病院か?俺は助かったのか。

だが、体に痛みが一切ないことと、ナースコールや点滴が無いことを確認して、ここがただの部屋だと確信した。
無機質な部屋。ベッドも椅子も何もない。
もしかして、牢獄か?

信号無視したから?

俺は立ち上がり、窓を除いた。

そこには、見たことのない光景が広がっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

処理中です...