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第17話 地下基地での攻防
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わたし達は熊さん一味のカーロを先頭に、熊太郎、ぴぴ、熊次郎、わたし、ディアネスの順番で、隔壁の穴へと突入していく。
「「がお~!!」」
わたしも中に入ると、内部はわたしの毛玉爆弾によって混乱していた。ううん、違うの。正式にはあの攻撃の名前はぷぷぷ爆弾っていうんだけど、ぴぴもはぴも勝手に毛玉爆弾っていうんだよね。そんな名前じゃないのに。
そして、内部は予想通りの円柱の形をしたスペースだね。円柱の空間の真ん中にさらに円柱のシャフトのようなものがあって、そこにはちょっと高めの場所に足場もある。そして、一番肝心の敵の配置は、シャフトを中心に、フロアの左右に30m級が2匹づつの計4匹、さらに、正面のシャフトのちょっと高めの足場にも30m級が2匹いる。10mの小さいのは、それなりの数がいるけど、ぷぷぷ爆弾で倒しちゃったのが多いのか、配置がまばらだし数も少ない。
そして、急遽つくったのかな? 床には弾除けのためのブロックが置かれたりして、ちょっとした防衛陣地みたいになっている。まあ、大したことないかな。敵の武器は、10mのがライフル系~SMG系の武器で、30mのがくるくる回る機関銃に、でっかい盾か。ぷぷぷ爆弾でも、あの盾は突破できなかったのかな、30mのやつは多少のダメージこそあれ、致命傷にはなっていないみたいだね。
わたし達の戦い方はいたってシンプルだ。まず最初に突入したカーロが、その盾を使って穴の正面に立ち、盾のバリアを大きめに展開する。これで、後から突入するメンバーの安全の確保が出来るってことね。BPSにはバリア機能が標準でついているケースが多いんだけど、盾のバリアのほうが性能がいいんだよね。とはいえ、盾は片手がふさがるし、常にそれを正面に向けていないといけないから、好みがわかれる武装でもあるようなんだけどね。まあ、わたし達猫は4足歩行だから、あんまり関係ないけど。そしてカーロは、予定通り穴を守りながら銃でバンバンと銃撃戦を始めた。銃を撃つ瞬間だけ、弾の通る箇所のバリアを一瞬だけ消すとか、見た目と違ってなかなか繊細な戦い方をするね。
2番目に突入した熊太郎は、すぐさまカーロのバリアから飛び出し、右へと突撃した。前方にのみバリアを展開し、敵の攻撃をものともせずに4足全力疾走モードで突っ込んでいく。そして、思いっきり飛び掛かる。おお~、なんか、これぞ熊さんって感じの戦い方だね。敵の30mのやつも、慌てて機関銃を置いて剣を抜いたけど、もう手遅れだね。熊太郎は強烈な一撃で盾を弾き飛ばして、その太い腕で思いっきり胴体をぶん殴る。するとその一撃で30mの巨体がバラバラに吹っ飛んだ。うん、流石熊さん。パワーは凄まじいね。そして、1匹倒しても油断せず、間髪入れずにもう1体の30mのやつに襲い掛かる。
3番目に突入したのはぴぴだけど、うん、相変わらず強いね。突入後すぐに熊太郎の反対側、左側に突撃したんだけど。一瞬で終わってた。接近するのも一瞬なら、攻撃も一瞬だ。爪の一振りで30mのやつが盾ごとすぱっていってるしね。
4番目に突入したのは熊次郎だ。熊次郎は正面上、シャフトの足場にいるやつに狙いを定めたようだ。カーロのバリアの右横から手を出して、手のひらからビームを撃ちだす。だが、その攻撃は無情にも盾に阻まれる。カーロもフロア左右にいる30mのやつにぴぴと熊太郎が襲い掛かったことで、狙いを熊次郎と同じのにしたようだ。二人でバンバンと2Fにいる30mのやつらと撃ち合う。でも、30mのやつの盾は、妖精軍のビームでも破壊するのにちょっと時間がかかる代物だ。そう簡単に遠距離攻撃では壊れないようだ。
そして、真打、5番目に突入したのがわたし、ぷうちゃんだ。ぴぴの行ったほうはもう終わってるし、熊太郎の邪魔するのも悪いから、私も正面上のやつをビームで狙うかな。2匹いるし、左の1匹をもらってもいいよね? わたしはカーロの盾のバリアの左から飛び出すと、噛み付き王の口から必殺のビームを発射する。
「食らえ、必殺、ぷぷぷビーム!」
わたしの発射したぷぷぷビームは、30mのやつの胴体を盾ごと貫通した。ビームをだしっぱにしたまま、ちょっと首を上げることで、射線を変え、そのまま30mのやつの頭をも切り裂く。うん、完璧だ。真ん中のシャフトと、そのさらに奥の壁にまで盛大に亀裂が入ってるように見えるけど、まあ、誤差の範疇だね。
わたしのぷぷぷビームに触発されたのか、熊次郎もカーロのバリアから飛び出し、その手足で地面をしっかりと踏みしめ、そして、思いっきり口からビームを発射した。するとこちらも30のやつを盾ごと吹き飛ばした。おお~、流石はパワーに優れた熊さんだ。わたしのぷぷぷビームのようにシャフトにまで穴をあけていないとはいえ、十分なパワーだ。
そして最後に入ってきたのが、ディアネスだ。
「おいおい、わしの相手がいないじゃないか」
うん。30mのは全部倒しちゃったし、10mのももうあらかた倒し終わってるみたいだ。
「いや、その心配はないようだぞ。見ろ、奥からわんさか敵が来てる」
熊太郎に指摘されたほうを見てみる。入口からは中央のシャフトのせいで見えなかったが、どうやらシャフトの裏側に大きな通路があり、そこから敵の援軍が次々に来ているようだ。
「ねえぴぴ、あの方向って」
「ええ、上にあったのと同じような入口が残り4個あるといったけど、その中心部のようね」
「ということは、このテラフォーミング基地の中心部分から敵が来ているってことだよね?」
「そうだと思うわ」
「まじか! そうときまりゃあ、あとは大暴れするだけだよな!」
「うむ、わしも暴れるぞ!」
「俺もだ!」
「僕も~!」
敵の増援がぞろぞろと円柱のフロアに入ってくるが、広場に入ってきた瞬間にぴぴ、熊太郎、ディアネスの前衛トリオにばったばったと倒されていく。
当然わたしと熊次郎の遠距離攻撃組だって負けるわけにはいかない。わたしは熊次郎と一緒に、中央のシャフトまで移動し、さらにシャフトの反対側が見える位置まで移動する。そして、シャフトをカバーアクションの盾に使って通路からくる敵を撃退する。
通路は結構広く、30mの大きいやつでも余裕で移動できるようになっている。横100m、縦50mといったところかな。長さもそこそこある。ただ、その通路は完全な一本道なうえに、障害物の類もない。いまは増援が次々に来ているけど、ここに突入したときのように、遠距離攻撃持ちを並べられたら、熊さん達が突撃するにはちょっと不利な地形だね。
通路からフロアに入ってきた敵をどんどんやっつけて押し返し、熊太郎がいざ通路へと突撃しようとしたところで、いやな予感が的中した。
「ディアネス、ぴぴさん。通路から離れろ!」
熊太郎がその圧倒的なパワーで10mのやつを蹴散らしながら通路を進もうとした瞬間、向こう側から凄まじい量の弾幕を浴びせられ、即座に撤退した。どうやら敵はわたし達のいるフロアの奪還は難しいと判断し、通路の奥での防衛に切り替えたようだ。敵の配置は30mのやつが通路の奥に5匹並んでこっち目がけてばかすか機関銃を撃ってきている。こっちに向かって通路を移動していた10mの小鬼のことなんてお構いなしだ。
「くそ、味方ごと俺を撃ってきやがった」
熊太郎が毒づく。
「でもこの作戦、敵ながらなかなかいい手だと思うよ。10mのやつらを盾に通路を突破されたら、この先はこのテラフォーミング施設の最重要施設だと思うし」
「それはそうだけどよ」
熊太郎にとっては、味方ごと撃つというのがどうにも気に入らないようだ。でも、この囮を使って大火力で一網打尽作戦は、妖精軍も時々使う作戦なんだよね。BPSの脱出機能を使うから、人的被害は0なんだけど、見てるほうはドキドキしちゃうんだよね。まあ、小鬼達のBPSにそんな脱出機能が付いているなんて聞いたことがないから、たぶん乗ってる小鬼を犠牲に決行したんだと思うけどね。ううん、どっちにしろわたし達のそばまで来たらぴぴ達にやられるから、早かれ遅かれやられることに違いはないんだけどね。
ただ、こうなると少し厄介ね。わたし達も中央のシャフトからわたしと熊次郎、カーロの3人が撃ち合っているものの、遠距離から強力な攻撃が出来るのはわたしと熊次郎だけ、圧倒的に火力不足だね。わたしのぷぷぷビームなら一掃できなくもないんだけど、ちょっと火力オーバーで余計な被害が出そうなんだよね。それに、敵の後詰も早い。さっきから撃っても撃っても敵が次々に補充されてて、見掛けの数が減ってない。
「くそ、宇宙で戦った時はそうは思わなかったんだが、閉鎖空間だとガーディアンのやろうがこうも厄介だとはな」
「ふん、情けない奴じゃ。わしが先頭を行く。貴様は後に続け!」
「おい、ディアネス。大丈夫かよ」
「任せとけ!」
わたしからみて通路の左に陣取っているぴぴと、通路の右に陣取っている熊太郎とディアネスは動けないでいたみたいだけど、どうやらディアネスには作戦があるみたいだ。
「ぷうさん、次郎、カーロ、援護を頼むぞ!」
「「「了解!」」」
「があお~!」
わたし達遠距離攻撃班の援護射撃によってできた弾幕の隙間を狙って、ディアネスは通路の横から飛び出すと、巨大なハンマーを地面に思いっきり叩きつける。すると、床の素材が盛大にめくれ、簡易の弾除けが出現する。
「おお~、ディアネスすごい」
「ふん、このくらい朝飯前じゃ。わしは通路の右側をこの調子で進んでいく、援護を頼むぞ」
「「「了解!」」」
その後はわたし達の援護を受けたディアネスが、順調に進んでいく。熊太郎もその後にしっかりと続く。とはいえ、通路はそこそこ長い。通路の突破には時間がかかりそうだ。
そんな風に思っていたら、ディアネス達の反対側、通路の左側をトコトコと歩いているぴぴがいた。この硬直状態に飽きちゃったのかな? ぴぴのスピードなら一瞬で距離を詰めることも出来ると思うんだけど、急ぐ必要もないかな。だって、そもそもわたし達のステルスモードは、小鬼達の索敵能力だと見つけられないっぽいからね。そしてぴぴは、トコトコと歩いてディアネス達を追い抜いて、悠々と通路を突破した。そして、通路の奥に陣取っている小鬼達を問答無用で切り裂いた。
「「がお~!!」」
わたしも中に入ると、内部はわたしの毛玉爆弾によって混乱していた。ううん、違うの。正式にはあの攻撃の名前はぷぷぷ爆弾っていうんだけど、ぴぴもはぴも勝手に毛玉爆弾っていうんだよね。そんな名前じゃないのに。
そして、内部は予想通りの円柱の形をしたスペースだね。円柱の空間の真ん中にさらに円柱のシャフトのようなものがあって、そこにはちょっと高めの場所に足場もある。そして、一番肝心の敵の配置は、シャフトを中心に、フロアの左右に30m級が2匹づつの計4匹、さらに、正面のシャフトのちょっと高めの足場にも30m級が2匹いる。10mの小さいのは、それなりの数がいるけど、ぷぷぷ爆弾で倒しちゃったのが多いのか、配置がまばらだし数も少ない。
そして、急遽つくったのかな? 床には弾除けのためのブロックが置かれたりして、ちょっとした防衛陣地みたいになっている。まあ、大したことないかな。敵の武器は、10mのがライフル系~SMG系の武器で、30mのがくるくる回る機関銃に、でっかい盾か。ぷぷぷ爆弾でも、あの盾は突破できなかったのかな、30mのやつは多少のダメージこそあれ、致命傷にはなっていないみたいだね。
わたし達の戦い方はいたってシンプルだ。まず最初に突入したカーロが、その盾を使って穴の正面に立ち、盾のバリアを大きめに展開する。これで、後から突入するメンバーの安全の確保が出来るってことね。BPSにはバリア機能が標準でついているケースが多いんだけど、盾のバリアのほうが性能がいいんだよね。とはいえ、盾は片手がふさがるし、常にそれを正面に向けていないといけないから、好みがわかれる武装でもあるようなんだけどね。まあ、わたし達猫は4足歩行だから、あんまり関係ないけど。そしてカーロは、予定通り穴を守りながら銃でバンバンと銃撃戦を始めた。銃を撃つ瞬間だけ、弾の通る箇所のバリアを一瞬だけ消すとか、見た目と違ってなかなか繊細な戦い方をするね。
2番目に突入した熊太郎は、すぐさまカーロのバリアから飛び出し、右へと突撃した。前方にのみバリアを展開し、敵の攻撃をものともせずに4足全力疾走モードで突っ込んでいく。そして、思いっきり飛び掛かる。おお~、なんか、これぞ熊さんって感じの戦い方だね。敵の30mのやつも、慌てて機関銃を置いて剣を抜いたけど、もう手遅れだね。熊太郎は強烈な一撃で盾を弾き飛ばして、その太い腕で思いっきり胴体をぶん殴る。するとその一撃で30mの巨体がバラバラに吹っ飛んだ。うん、流石熊さん。パワーは凄まじいね。そして、1匹倒しても油断せず、間髪入れずにもう1体の30mのやつに襲い掛かる。
3番目に突入したのはぴぴだけど、うん、相変わらず強いね。突入後すぐに熊太郎の反対側、左側に突撃したんだけど。一瞬で終わってた。接近するのも一瞬なら、攻撃も一瞬だ。爪の一振りで30mのやつが盾ごとすぱっていってるしね。
4番目に突入したのは熊次郎だ。熊次郎は正面上、シャフトの足場にいるやつに狙いを定めたようだ。カーロのバリアの右横から手を出して、手のひらからビームを撃ちだす。だが、その攻撃は無情にも盾に阻まれる。カーロもフロア左右にいる30mのやつにぴぴと熊太郎が襲い掛かったことで、狙いを熊次郎と同じのにしたようだ。二人でバンバンと2Fにいる30mのやつらと撃ち合う。でも、30mのやつの盾は、妖精軍のビームでも破壊するのにちょっと時間がかかる代物だ。そう簡単に遠距離攻撃では壊れないようだ。
そして、真打、5番目に突入したのがわたし、ぷうちゃんだ。ぴぴの行ったほうはもう終わってるし、熊太郎の邪魔するのも悪いから、私も正面上のやつをビームで狙うかな。2匹いるし、左の1匹をもらってもいいよね? わたしはカーロの盾のバリアの左から飛び出すと、噛み付き王の口から必殺のビームを発射する。
「食らえ、必殺、ぷぷぷビーム!」
わたしの発射したぷぷぷビームは、30mのやつの胴体を盾ごと貫通した。ビームをだしっぱにしたまま、ちょっと首を上げることで、射線を変え、そのまま30mのやつの頭をも切り裂く。うん、完璧だ。真ん中のシャフトと、そのさらに奥の壁にまで盛大に亀裂が入ってるように見えるけど、まあ、誤差の範疇だね。
わたしのぷぷぷビームに触発されたのか、熊次郎もカーロのバリアから飛び出し、その手足で地面をしっかりと踏みしめ、そして、思いっきり口からビームを発射した。するとこちらも30のやつを盾ごと吹き飛ばした。おお~、流石はパワーに優れた熊さんだ。わたしのぷぷぷビームのようにシャフトにまで穴をあけていないとはいえ、十分なパワーだ。
そして最後に入ってきたのが、ディアネスだ。
「おいおい、わしの相手がいないじゃないか」
うん。30mのは全部倒しちゃったし、10mのももうあらかた倒し終わってるみたいだ。
「いや、その心配はないようだぞ。見ろ、奥からわんさか敵が来てる」
熊太郎に指摘されたほうを見てみる。入口からは中央のシャフトのせいで見えなかったが、どうやらシャフトの裏側に大きな通路があり、そこから敵の援軍が次々に来ているようだ。
「ねえぴぴ、あの方向って」
「ええ、上にあったのと同じような入口が残り4個あるといったけど、その中心部のようね」
「ということは、このテラフォーミング基地の中心部分から敵が来ているってことだよね?」
「そうだと思うわ」
「まじか! そうときまりゃあ、あとは大暴れするだけだよな!」
「うむ、わしも暴れるぞ!」
「俺もだ!」
「僕も~!」
敵の増援がぞろぞろと円柱のフロアに入ってくるが、広場に入ってきた瞬間にぴぴ、熊太郎、ディアネスの前衛トリオにばったばったと倒されていく。
当然わたしと熊次郎の遠距離攻撃組だって負けるわけにはいかない。わたしは熊次郎と一緒に、中央のシャフトまで移動し、さらにシャフトの反対側が見える位置まで移動する。そして、シャフトをカバーアクションの盾に使って通路からくる敵を撃退する。
通路は結構広く、30mの大きいやつでも余裕で移動できるようになっている。横100m、縦50mといったところかな。長さもそこそこある。ただ、その通路は完全な一本道なうえに、障害物の類もない。いまは増援が次々に来ているけど、ここに突入したときのように、遠距離攻撃持ちを並べられたら、熊さん達が突撃するにはちょっと不利な地形だね。
通路からフロアに入ってきた敵をどんどんやっつけて押し返し、熊太郎がいざ通路へと突撃しようとしたところで、いやな予感が的中した。
「ディアネス、ぴぴさん。通路から離れろ!」
熊太郎がその圧倒的なパワーで10mのやつを蹴散らしながら通路を進もうとした瞬間、向こう側から凄まじい量の弾幕を浴びせられ、即座に撤退した。どうやら敵はわたし達のいるフロアの奪還は難しいと判断し、通路の奥での防衛に切り替えたようだ。敵の配置は30mのやつが通路の奥に5匹並んでこっち目がけてばかすか機関銃を撃ってきている。こっちに向かって通路を移動していた10mの小鬼のことなんてお構いなしだ。
「くそ、味方ごと俺を撃ってきやがった」
熊太郎が毒づく。
「でもこの作戦、敵ながらなかなかいい手だと思うよ。10mのやつらを盾に通路を突破されたら、この先はこのテラフォーミング施設の最重要施設だと思うし」
「それはそうだけどよ」
熊太郎にとっては、味方ごと撃つというのがどうにも気に入らないようだ。でも、この囮を使って大火力で一網打尽作戦は、妖精軍も時々使う作戦なんだよね。BPSの脱出機能を使うから、人的被害は0なんだけど、見てるほうはドキドキしちゃうんだよね。まあ、小鬼達のBPSにそんな脱出機能が付いているなんて聞いたことがないから、たぶん乗ってる小鬼を犠牲に決行したんだと思うけどね。ううん、どっちにしろわたし達のそばまで来たらぴぴ達にやられるから、早かれ遅かれやられることに違いはないんだけどね。
ただ、こうなると少し厄介ね。わたし達も中央のシャフトからわたしと熊次郎、カーロの3人が撃ち合っているものの、遠距離から強力な攻撃が出来るのはわたしと熊次郎だけ、圧倒的に火力不足だね。わたしのぷぷぷビームなら一掃できなくもないんだけど、ちょっと火力オーバーで余計な被害が出そうなんだよね。それに、敵の後詰も早い。さっきから撃っても撃っても敵が次々に補充されてて、見掛けの数が減ってない。
「くそ、宇宙で戦った時はそうは思わなかったんだが、閉鎖空間だとガーディアンのやろうがこうも厄介だとはな」
「ふん、情けない奴じゃ。わしが先頭を行く。貴様は後に続け!」
「おい、ディアネス。大丈夫かよ」
「任せとけ!」
わたしからみて通路の左に陣取っているぴぴと、通路の右に陣取っている熊太郎とディアネスは動けないでいたみたいだけど、どうやらディアネスには作戦があるみたいだ。
「ぷうさん、次郎、カーロ、援護を頼むぞ!」
「「「了解!」」」
「があお~!」
わたし達遠距離攻撃班の援護射撃によってできた弾幕の隙間を狙って、ディアネスは通路の横から飛び出すと、巨大なハンマーを地面に思いっきり叩きつける。すると、床の素材が盛大にめくれ、簡易の弾除けが出現する。
「おお~、ディアネスすごい」
「ふん、このくらい朝飯前じゃ。わしは通路の右側をこの調子で進んでいく、援護を頼むぞ」
「「「了解!」」」
その後はわたし達の援護を受けたディアネスが、順調に進んでいく。熊太郎もその後にしっかりと続く。とはいえ、通路はそこそこ長い。通路の突破には時間がかかりそうだ。
そんな風に思っていたら、ディアネス達の反対側、通路の左側をトコトコと歩いているぴぴがいた。この硬直状態に飽きちゃったのかな? ぴぴのスピードなら一瞬で距離を詰めることも出来ると思うんだけど、急ぐ必要もないかな。だって、そもそもわたし達のステルスモードは、小鬼達の索敵能力だと見つけられないっぽいからね。そしてぴぴは、トコトコと歩いてディアネス達を追い抜いて、悠々と通路を突破した。そして、通路の奥に陣取っている小鬼達を問答無用で切り裂いた。
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