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あれ、嫌われた…?
しおりを挟む私に弟ができた時から私の生活は弟中心になった。私は前世の子育ての記憶をフル活用し、弟を我が子のように育てた。最初は何に関しても無関心であった弟は徐々に私や父、舎弟達と打ち解け表情も豊かに育った。
私の後ろを「姉様、姉様。」と産まれたての雛のように、一生懸命ついてくる姿なんてもう鼻血ものである。
あぁ、弟万歳。
しかし、私は油断していた。私に懐いていた弟は年を追う事に人を避けるようになっていたのだ。年頃の男の子だから仕方が無い事と思い少し寂しいが、それほど気にしなかった。前世での私の子供もそうだった。だから、また仲の良い姉弟に戻ると信じて疑わなかった。そして、同時に、あのぼんやりとした子が成長していることに喜びを感じた。
そんなある日のこと、私は気付いた。いや、気付いてしまった。避けられているのは私だけであるということに。父や舎弟達には天使のような笑みを浮かべるのに対し、私には初めてあった時のような冷たい目をするのだ。私は何かやらかしてしまったのだろうか。今まで弟にしていたことを思い返してみる。……私のあとをついてくる弟があまりにも可愛いから「ホーラ、お姉ちゃんを捕まえてごらんー♪」と、調子に乗って競歩をして泣かせてしまったことか。はたまた、怖がる弟にムリヤリ犬を近づけたことか…。……………。
…全部じゃないの?
私は気づき、愕然とした。 なんてこった。嫌われる理由は充分だ。しかも一回で止めればいいものの、何度何度もやってしまったのだ。
少し言い訳を聞いて欲しい。出会った頃の弟は、感情が乏しかった。そんな弟の泣き顔はレアであり、天使であった。そんな顔を見てしまい、それだけで終わると思うか。いや、思わないだろう。むしろ、もっと見たいと思うのが普通なのではないだろうか。…。私はこの日寝込むのでたった。
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