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9 友達の死
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そして、翌日、夏生がその川から遺体で見つかった。
注射器を拾おうとして足を滑らせたのだろう。
俺が殺したのと、同じだった。
俺が、夏生を殺したのだ。
あの時の、猫のように。
夏生は死んでしまった。
溺死はとても苦しいと聞く。
きっと苦しくない死なんてないのだろうけど。
それでも夏生がそんな死に方をしたのは、俺のせいか。
それとも因果応報か。
夏生はそれまでちょっとした遊び感覚で、いくつもの命を奪って来たから。
若くして命を落としたのも、当然の報いだったのだろうか。
そして、夏休みが丁度始まったころに、夏生の葬式に参列した。
式場で夏生の両親を見たけれど、二人とも泣いていなかった。
夏生が死んで泣いている人間は、誰も居なかった。
夏生の唯一の友人だった俺は、警察にたくさん話を聞かれた。
俺は泣きながら、警察に全てを話した。
「だから、俺が殺したようなものなんです……!」
嗚咽を漏らしながらそう警察に訴えたが、俺はなんの罪にも問われなかった。
いっそのこと、俺を死刑にでもして欲しかったのに。
誰も俺を責めないのが、辛かった。
夏生の葬式はとても暑い中で行われて、蝉がうるさかったのを覚えている。
夏生は名前の通り夏生まれの男で、誕生日は8月18日。
あと一ヶ月足らずで14歳になれたのに、13歳で死んでしまった。
注射器を拾おうとして足を滑らせたのだろう。
俺が殺したのと、同じだった。
俺が、夏生を殺したのだ。
あの時の、猫のように。
夏生は死んでしまった。
溺死はとても苦しいと聞く。
きっと苦しくない死なんてないのだろうけど。
それでも夏生がそんな死に方をしたのは、俺のせいか。
それとも因果応報か。
夏生はそれまでちょっとした遊び感覚で、いくつもの命を奪って来たから。
若くして命を落としたのも、当然の報いだったのだろうか。
そして、夏休みが丁度始まったころに、夏生の葬式に参列した。
式場で夏生の両親を見たけれど、二人とも泣いていなかった。
夏生が死んで泣いている人間は、誰も居なかった。
夏生の唯一の友人だった俺は、警察にたくさん話を聞かれた。
俺は泣きながら、警察に全てを話した。
「だから、俺が殺したようなものなんです……!」
嗚咽を漏らしながらそう警察に訴えたが、俺はなんの罪にも問われなかった。
いっそのこと、俺を死刑にでもして欲しかったのに。
誰も俺を責めないのが、辛かった。
夏生の葬式はとても暑い中で行われて、蝉がうるさかったのを覚えている。
夏生は名前の通り夏生まれの男で、誕生日は8月18日。
あと一ヶ月足らずで14歳になれたのに、13歳で死んでしまった。
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