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3.おバカはどこまでもおバカ
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「では、俺は今日限りで側近から降ります。」
「は?なんでだ?」
「知らなかったんですか?
俺はキャロル嬢と結婚することで侯爵家を継げるからと、
その身分の予定で側近になっていたんです。
キャロル嬢と結婚しないなら、伯爵家の三男の俺では務まりません。」
「いや、そんなのはなんとでもなるだろう?」
何を言ってるんだこいつ、みたいな顔で首をかしげているフレッド様。
…いや、ならないから。その場にいる全員が心の中でつっこんだ。
フレッド様とは挨拶すらしたことがないが、こんなにあほだったとは。
第二王子ではあるが、フレッド様は王妃から産まれた初めての子だった。
側妃から生まれた2歳上の第一王子はいるが、
今のところフレッド様が王太子になる予定だった。
騎士として有名なハンドウイル伯爵家ではあるが、ユリアス様は三男。
側近となるのは身分が少し足りなかった。
そのために侯爵家の一人娘のキャロル様と結婚し、
侯爵家を継ぐ予定だということで側近となっていた。
もちろん学園での護衛も兼ねた人選だった。
他の側近候補は学年が違うため、いつもそばにいるのはユリアス様お一人だった。
そのためにユリアス様の婚約者であったキャロル様とも知り合ったのだろう。
だけどそれほどまでに一緒にいたのなら、
フレッド様とキャロル様が想い合うのに気が付かないものなのだろうか。
そんな疑問に答えるように、ユリアス様が側近を降りる理由を話し続けている。
「それに、フレッド様の愚行を止められなかった責任もあります。」
「愚行だと!?」
「筆頭公爵家の令嬢に婚約破棄を言い渡して、何のおとがめも無いと思いますか?
側近の婚約者を奪って、何も噂されないとでも?」
「…。」
フレッド様について何にも知らないけど、
なんとなくおとがめないと思っていたんじゃないかと思ってしまう。二人とも。
しまったーって顔してるのを隠さなくていいんだろうか。本当に王族なの?
その反面、表情を変えずに淡々と話し続けるユリアス様が冷静過ぎて怖い。
怒ってもいないように見えるんだけど…そんなわけないよね?
「俺が近くにいれば忘れられることなく愚行を噂されるでしょう。
いない方が良いに決まってます。
それでは、お世話になりました。お元気で!」
「あ、ユリアス!待って!」
最後は言い捨てるような感じで、フレッド様が呼び止めるのを無視して出ていった。
くるりとこちらを向いたとき、少し笑ってたのが見えた…。
ユリアス様…笑ってた?
この後、あっという間に全員が引き上げ、
卒業を祝うパーティは半分の時間で終わった。
第二王子は謹慎処分となり、キャロル様との婚約も保留とされた。
ただ、第二王子とマリージュ様、
キャロル様とユリアス様の婚約は破棄されることになった。
最後の最後で、婚約破棄に立ち会ってしまった私は、2日ほど寝込むことになった。
やっぱり地味にしていて良かった。
万が一にでもあの王子たちと関わらなくて済んで、本当に良かった。
卒業後は自分の姿を偽ることなく過ごそうと思ってたけど、
魔術師学校でも引き続き地味な格好をすることに決めた。
騒ぎが落ちついて王族の結婚が終わるまで、おとなしく待つことにした。
「は?なんでだ?」
「知らなかったんですか?
俺はキャロル嬢と結婚することで侯爵家を継げるからと、
その身分の予定で側近になっていたんです。
キャロル嬢と結婚しないなら、伯爵家の三男の俺では務まりません。」
「いや、そんなのはなんとでもなるだろう?」
何を言ってるんだこいつ、みたいな顔で首をかしげているフレッド様。
…いや、ならないから。その場にいる全員が心の中でつっこんだ。
フレッド様とは挨拶すらしたことがないが、こんなにあほだったとは。
第二王子ではあるが、フレッド様は王妃から産まれた初めての子だった。
側妃から生まれた2歳上の第一王子はいるが、
今のところフレッド様が王太子になる予定だった。
騎士として有名なハンドウイル伯爵家ではあるが、ユリアス様は三男。
側近となるのは身分が少し足りなかった。
そのために侯爵家の一人娘のキャロル様と結婚し、
侯爵家を継ぐ予定だということで側近となっていた。
もちろん学園での護衛も兼ねた人選だった。
他の側近候補は学年が違うため、いつもそばにいるのはユリアス様お一人だった。
そのためにユリアス様の婚約者であったキャロル様とも知り合ったのだろう。
だけどそれほどまでに一緒にいたのなら、
フレッド様とキャロル様が想い合うのに気が付かないものなのだろうか。
そんな疑問に答えるように、ユリアス様が側近を降りる理由を話し続けている。
「それに、フレッド様の愚行を止められなかった責任もあります。」
「愚行だと!?」
「筆頭公爵家の令嬢に婚約破棄を言い渡して、何のおとがめも無いと思いますか?
側近の婚約者を奪って、何も噂されないとでも?」
「…。」
フレッド様について何にも知らないけど、
なんとなくおとがめないと思っていたんじゃないかと思ってしまう。二人とも。
しまったーって顔してるのを隠さなくていいんだろうか。本当に王族なの?
その反面、表情を変えずに淡々と話し続けるユリアス様が冷静過ぎて怖い。
怒ってもいないように見えるんだけど…そんなわけないよね?
「俺が近くにいれば忘れられることなく愚行を噂されるでしょう。
いない方が良いに決まってます。
それでは、お世話になりました。お元気で!」
「あ、ユリアス!待って!」
最後は言い捨てるような感じで、フレッド様が呼び止めるのを無視して出ていった。
くるりとこちらを向いたとき、少し笑ってたのが見えた…。
ユリアス様…笑ってた?
この後、あっという間に全員が引き上げ、
卒業を祝うパーティは半分の時間で終わった。
第二王子は謹慎処分となり、キャロル様との婚約も保留とされた。
ただ、第二王子とマリージュ様、
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最後の最後で、婚約破棄に立ち会ってしまった私は、2日ほど寝込むことになった。
やっぱり地味にしていて良かった。
万が一にでもあの王子たちと関わらなくて済んで、本当に良かった。
卒業後は自分の姿を偽ることなく過ごそうと思ってたけど、
魔術師学校でも引き続き地味な格好をすることに決めた。
騒ぎが落ちついて王族の結婚が終わるまで、おとなしく待つことにした。
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