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12.騎士
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「騎士爵をですか?俺に?
俺、騎士やめてますけど?」
次の日になって学校長室に私とユリアスが呼ばれ、昨日の話だと思っていたのだが、ユリアスに騎士爵が受け渡されることになったと聞かされた。一番驚いているのはユリアス自身だった。
「あぁ、陛下から昨日の迷惑の詫びと、これからの護衛のためだそうだ。」
「護衛ですか?」
「フレッドの王位継承権ははく奪された。」
思わず、息が止まるかと思った。昨日の件はただでは済まない気がしていた。それでも、王妃の子であるフレッド様から王位継承権をはく奪するとは思わなかった。まさか、の出来事だった。
「それでも、王族にいることには変わらない。
今後は臣下に下るだろうがな。それでも身分はまだ高い。
昨日の証言をしたロージーが危ないんだ。
逆恨みしたフレッドや、側近を降ろされた二人、それにフレッドを推していた貴族たち。
王妃という線もある。
…護衛をつけておいた方が良いだろうとのことだ。
そのためには平民のままのユリアスでは守り切れないだろうと。
陛下の命を受けて護衛をしている、ということであれば王妃でも手が出せない。」
「私を守るために騎士に?
あんなに騎士を嫌って魔術師になろうとしているユリアスにですか?」
「何も、騎士が魔術師になっちゃいけないわけじゃないぞ?
両方なればいいじゃないか。
それに、ハンドウイル家に戻る必要もない。ダメか?ユリアス。」
「…いえ、ロージー先生が危ないのであれば、護衛します。
それが騎士であった方が守りやすいのであれば、問題ありません。
俺はあの家と縁が切れて魔術師学校にいられるのであれば、特に何も。」
「…そんな。」
「あ、あと、二人とも俺の後見下に正式に入ってくれるか?
婚約を無理やり持ち掛けるような嫌がらせがくることがありうる。
嫌だろう?そんなの。」
「「嫌です。」」
「うん、だから、俺の後見下に名前を入れとく。
それでもうるさいようだったら、最終的には養子になることも考えておいてくれ。
養子になったから子爵家と縁を切れとは言わないから。」
「…わかりました。何かあればよろしくお願いします。」
「俺も問題ありません。よろしくお願いします。」
話が終わって、廊下に出た瞬間、ひざから崩れ落ちそうになった。すんでのところでユリアスが腕をつかんでくれたおかげで崩れ落ちなくてすんだが、力がうまく入らなかった。
ひょいって感じでユリアスに片手抱きされ、肩に頭を乗せられる。恥ずかしくて逃げ出したくなるが、暴れようにも暴れるだけの力は残っていなかった。
「ごめん…ユリアス。力が抜けちゃって…。」
「いい、わかってる。こっちこそ、俺が巻き込んじゃったせいだ。ごめん。」
「ユリアスのせいじゃない…。」
「うん、だけど、ごめん。」
俺、騎士やめてますけど?」
次の日になって学校長室に私とユリアスが呼ばれ、昨日の話だと思っていたのだが、ユリアスに騎士爵が受け渡されることになったと聞かされた。一番驚いているのはユリアス自身だった。
「あぁ、陛下から昨日の迷惑の詫びと、これからの護衛のためだそうだ。」
「護衛ですか?」
「フレッドの王位継承権ははく奪された。」
思わず、息が止まるかと思った。昨日の件はただでは済まない気がしていた。それでも、王妃の子であるフレッド様から王位継承権をはく奪するとは思わなかった。まさか、の出来事だった。
「それでも、王族にいることには変わらない。
今後は臣下に下るだろうがな。それでも身分はまだ高い。
昨日の証言をしたロージーが危ないんだ。
逆恨みしたフレッドや、側近を降ろされた二人、それにフレッドを推していた貴族たち。
王妃という線もある。
…護衛をつけておいた方が良いだろうとのことだ。
そのためには平民のままのユリアスでは守り切れないだろうと。
陛下の命を受けて護衛をしている、ということであれば王妃でも手が出せない。」
「私を守るために騎士に?
あんなに騎士を嫌って魔術師になろうとしているユリアスにですか?」
「何も、騎士が魔術師になっちゃいけないわけじゃないぞ?
両方なればいいじゃないか。
それに、ハンドウイル家に戻る必要もない。ダメか?ユリアス。」
「…いえ、ロージー先生が危ないのであれば、護衛します。
それが騎士であった方が守りやすいのであれば、問題ありません。
俺はあの家と縁が切れて魔術師学校にいられるのであれば、特に何も。」
「…そんな。」
「あ、あと、二人とも俺の後見下に正式に入ってくれるか?
婚約を無理やり持ち掛けるような嫌がらせがくることがありうる。
嫌だろう?そんなの。」
「「嫌です。」」
「うん、だから、俺の後見下に名前を入れとく。
それでもうるさいようだったら、最終的には養子になることも考えておいてくれ。
養子になったから子爵家と縁を切れとは言わないから。」
「…わかりました。何かあればよろしくお願いします。」
「俺も問題ありません。よろしくお願いします。」
話が終わって、廊下に出た瞬間、ひざから崩れ落ちそうになった。すんでのところでユリアスが腕をつかんでくれたおかげで崩れ落ちなくてすんだが、力がうまく入らなかった。
ひょいって感じでユリアスに片手抱きされ、肩に頭を乗せられる。恥ずかしくて逃げ出したくなるが、暴れようにも暴れるだけの力は残っていなかった。
「ごめん…ユリアス。力が抜けちゃって…。」
「いい、わかってる。こっちこそ、俺が巻き込んじゃったせいだ。ごめん。」
「ユリアスのせいじゃない…。」
「うん、だけど、ごめん。」
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