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13.騎士はモテる
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フレッド様の件からしばらくは警戒していたが、特に嫌がらせが来ることがなく一月が経った。
最近の問題は貴族ではなく、学校の女生徒たちのことであった。ユリアスが再び騎士になったことをどこからか聞いてきたらしく、やたらと絡んでくるようになったのだ。
普通の貴族とは違い、平民とも結婚できる騎士爵は人気が高い。もしかして見初められるかもと思うのか、女生徒たちがユリアスに声をかけることが増えていった。その代表ともいえるのが、水属性の授業で教えているナミィという子だった。
「ユリアス様、お昼ご飯一緒に食べましょう?
ユリアス様だって、生徒なのだから、みんなと交流しましょうよ。」
「いや、遠慮する。俺は生徒というより職員なんだ。
かまわないでくれ。」
「そんなこと言って、いつも断っちゃうんだから~。
ロージー先生、たまにはユリアス様貸してください!ずるいです!」
「えぇっ。私?貸してって言われても、ユリアスに言ってくれない?」
「だって、ユリアス様に言っても、ロージー先生と食べるからって断られる。
放課後に遊びに行こうって言っても、ロージー先生と魔術の練習ばかりで!
いつもいつも一緒でずるいです!
貴族だからって、無理矢理ユリアス様をしばるなんて、ひどいです!」
「ひどいって言われても…。」
確かに、私の護衛でもあるユリアスは私から離れることは無い。
そう言われたら、私のせいでユリアスは女生徒と交流できないのかもしれなかった。
でも、離れるのも嫌だし、どう言ったらいいんだろう。
「勝手に人を貸し借りするな。
俺は好きでロージー先生にくっついて修行しているんだから、邪魔するな。」
これは本気で怒ってると思うような表情で、ユリアスが冷たく言い放った。鬼騎士と言われていた頃のユリアスよりかは表情がマシな気もするが、それを知らない女生徒たちからしてみたら、十分すぎるくらい怖いだろう。ナミィは私の方を睨むと、ぼそっと小声で、
「眼鏡ブスが良い気になってんじゃないわよ。」とつぶやいて去って行った。怖い…。
見た目は水色の髪がふんわりとした美少女なのに、発想も行動も怖すぎる。
それだけユリアスに夢中なのかもしれないけれど…。
「いつも断っているけど、いいの?」
「あいつらのようなのは一度相手したら最後、どこまでもしつこいぞ。
結婚するまで食らいついて来ようとするだろう。」
「…食らいついて…。」
的確過ぎる表現に笑いも出なかった。何か嫌な思いをしたことがあるのだろうか。
キャロル様の件で嫌な思いはしているだろうけど、それ以外にも。
まぁ、ユリアスが嫌がっているのなら、私が気を遣って女生徒と交流させようとか思わなくてもいいだろう。
その後もナミィとすれ違うたびに睨まれ、陰口をたたかれたが、そのくらい貴族社会ではよくあることで、気にも留めなかった。
そのせいでナミィの怒りが増していることにも気が付かずに。
最近の問題は貴族ではなく、学校の女生徒たちのことであった。ユリアスが再び騎士になったことをどこからか聞いてきたらしく、やたらと絡んでくるようになったのだ。
普通の貴族とは違い、平民とも結婚できる騎士爵は人気が高い。もしかして見初められるかもと思うのか、女生徒たちがユリアスに声をかけることが増えていった。その代表ともいえるのが、水属性の授業で教えているナミィという子だった。
「ユリアス様、お昼ご飯一緒に食べましょう?
ユリアス様だって、生徒なのだから、みんなと交流しましょうよ。」
「いや、遠慮する。俺は生徒というより職員なんだ。
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「そんなこと言って、いつも断っちゃうんだから~。
ロージー先生、たまにはユリアス様貸してください!ずるいです!」
「えぇっ。私?貸してって言われても、ユリアスに言ってくれない?」
「だって、ユリアス様に言っても、ロージー先生と食べるからって断られる。
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「ひどいって言われても…。」
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でも、離れるのも嫌だし、どう言ったらいいんだろう。
「勝手に人を貸し借りするな。
俺は好きでロージー先生にくっついて修行しているんだから、邪魔するな。」
これは本気で怒ってると思うような表情で、ユリアスが冷たく言い放った。鬼騎士と言われていた頃のユリアスよりかは表情がマシな気もするが、それを知らない女生徒たちからしてみたら、十分すぎるくらい怖いだろう。ナミィは私の方を睨むと、ぼそっと小声で、
「眼鏡ブスが良い気になってんじゃないわよ。」とつぶやいて去って行った。怖い…。
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それだけユリアスに夢中なのかもしれないけれど…。
「いつも断っているけど、いいの?」
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まぁ、ユリアスが嫌がっているのなら、私が気を遣って女生徒と交流させようとか思わなくてもいいだろう。
その後もナミィとすれ違うたびに睨まれ、陰口をたたかれたが、そのくらい貴族社会ではよくあることで、気にも留めなかった。
そのせいでナミィの怒りが増していることにも気が付かずに。
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