20 / 62
20.話を聞かない人
しおりを挟む
「え?エスコートしてくれるんでしょう?
本当は迎えに来てほしかったのよ?
でも、会場に直接来たみたいだから、仕方ないなって。
さぁ、行きましょう?」
エスコート?ここから?
というよりも、隣にいる私のことを見えていない?
そういえば、話したことがあれば認識するって言ってた。
じゃあ、キャロル様はユリアスは認識するけど、話したことのない私は認識できていない。
同じことを思ったのか、ユリアスは私の手を取ってキャロル様に紹介をした。
「キャロル嬢、こちらはロージー嬢。子爵家令嬢だ。
俺は今日はロージー嬢のエスコートで来ている。
それに、俺はキャロル嬢をエスコートする理由が無いんだが…。」
「は?」
キャロル様は私の存在がようやく見えたようで、ポカンとした顔をしている。
言葉の意味が分かり始めると目が吊り上がり、怒鳴り始めた。
「何よ、この女!どこから湧いて出たのよ!
私とユリアスの邪魔をしようって言うの?」
えー?エスコートされているのは私だって説明されたのに、どうしてそう思うの?
どう考えても邪魔しに来ているのはキャロル様なのに。
「だから、何でおれがキャロル嬢をエスコートしなきゃいけないんだ。
俺はもう関係ないだろう?」
「あるわよ!
フレッドが王族から抜けるっていうのよ。
臣下にくだるって言っても、謹慎がいつとけるかわからないっていうし。
じゃあ、ユリアスと結婚して家を継いだ方がいいでしょう?
もう仕方ないからユリアスと仲直りしてあげようと思って。」
「…ふざけんな。
俺はもう二度とお前と婚約したりしないからな。
王弟の後見下に入ったから、侯爵家が何を言っても聞かないぞ。」
「…は?何言ってるの?ユリアス。
私と結婚できるのうれしいでしょう?
戻って来てあげたのよ?」
「誰がうれしいか。
絶対にお断りだ!」
「なんですって!…あんたのせいね?
あんたがいるからおかしくなるんだわ。
フレッドも、ユリアスも!」
キッと睨まれたと思ったら、キャロル様に力いっぱい突き飛ばされた。
その衝撃で後ろに倒れて、眼鏡がどこかにいってしまった。
片手が噴水にさわったせいで、ドレスにも水滴がたくさん飛んでくる。
乳白色のドレスがところどころシミのようになってしまった。
「なんてことをするんだ!ロージー、大丈夫か!?」
あわててユリアスが起こしてくれた時には、
キャロル様はもうどこかに去ってしまっていた。
「大丈夫か?痛めてないか?」
手足を動かしてみても、特に痛みは無かった。
しりもちをついてしまったのでお尻は痛むけど、それもすぐに治りそうなものだった。
「うん…驚いたけど、大丈夫。」
「あぁ、ドレスの後ろが泥まみれになってしまっている…。
帰らなきゃダメかもしれないな…。」
見ると、噴水の水が飛んだ場所だったのだろう。
足元の泥がドレスについてしまっていた。
こんな状態で大広間の中には入っていけないだろう。
着替えて戻ってくることもできないし、帰るしかなさそうだった。
だけど、そんなことになれば、陛下が怒るかもしれない。
怒らないにしても、もう一度招待されることになりそうだ。
そのどちらも面倒なことにしかならなさそうだった。
本当は迎えに来てほしかったのよ?
でも、会場に直接来たみたいだから、仕方ないなって。
さぁ、行きましょう?」
エスコート?ここから?
というよりも、隣にいる私のことを見えていない?
そういえば、話したことがあれば認識するって言ってた。
じゃあ、キャロル様はユリアスは認識するけど、話したことのない私は認識できていない。
同じことを思ったのか、ユリアスは私の手を取ってキャロル様に紹介をした。
「キャロル嬢、こちらはロージー嬢。子爵家令嬢だ。
俺は今日はロージー嬢のエスコートで来ている。
それに、俺はキャロル嬢をエスコートする理由が無いんだが…。」
「は?」
キャロル様は私の存在がようやく見えたようで、ポカンとした顔をしている。
言葉の意味が分かり始めると目が吊り上がり、怒鳴り始めた。
「何よ、この女!どこから湧いて出たのよ!
私とユリアスの邪魔をしようって言うの?」
えー?エスコートされているのは私だって説明されたのに、どうしてそう思うの?
どう考えても邪魔しに来ているのはキャロル様なのに。
「だから、何でおれがキャロル嬢をエスコートしなきゃいけないんだ。
俺はもう関係ないだろう?」
「あるわよ!
フレッドが王族から抜けるっていうのよ。
臣下にくだるって言っても、謹慎がいつとけるかわからないっていうし。
じゃあ、ユリアスと結婚して家を継いだ方がいいでしょう?
もう仕方ないからユリアスと仲直りしてあげようと思って。」
「…ふざけんな。
俺はもう二度とお前と婚約したりしないからな。
王弟の後見下に入ったから、侯爵家が何を言っても聞かないぞ。」
「…は?何言ってるの?ユリアス。
私と結婚できるのうれしいでしょう?
戻って来てあげたのよ?」
「誰がうれしいか。
絶対にお断りだ!」
「なんですって!…あんたのせいね?
あんたがいるからおかしくなるんだわ。
フレッドも、ユリアスも!」
キッと睨まれたと思ったら、キャロル様に力いっぱい突き飛ばされた。
その衝撃で後ろに倒れて、眼鏡がどこかにいってしまった。
片手が噴水にさわったせいで、ドレスにも水滴がたくさん飛んでくる。
乳白色のドレスがところどころシミのようになってしまった。
「なんてことをするんだ!ロージー、大丈夫か!?」
あわててユリアスが起こしてくれた時には、
キャロル様はもうどこかに去ってしまっていた。
「大丈夫か?痛めてないか?」
手足を動かしてみても、特に痛みは無かった。
しりもちをついてしまったのでお尻は痛むけど、それもすぐに治りそうなものだった。
「うん…驚いたけど、大丈夫。」
「あぁ、ドレスの後ろが泥まみれになってしまっている…。
帰らなきゃダメかもしれないな…。」
見ると、噴水の水が飛んだ場所だったのだろう。
足元の泥がドレスについてしまっていた。
こんな状態で大広間の中には入っていけないだろう。
着替えて戻ってくることもできないし、帰るしかなさそうだった。
だけど、そんなことになれば、陛下が怒るかもしれない。
怒らないにしても、もう一度招待されることになりそうだ。
そのどちらも面倒なことにしかならなさそうだった。
応援ありがとうございます!
16
お気に入りに追加
1,904
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる