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15.運命の相手は
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「ええ。アンジェのせいじゃないわ。
それに…心配はしたけれど、相手がジョーゼル様なら納得したもの。」
「どうして?」
どうしてゼル様が相手だと納得するの?
不思議に思って聞いたら、ダイアナとユミールは顔を見合わせて笑った。
「アンジェは気が付いていないと思っていたけれど、
ジョーゼル様がアンジェを見る目は恋している目だったわ。」
「ああ、私もそうだと思ってた。
第二王子様がなれなれしくしているとすぐに不機嫌そうにしていたし、
アンジェが本気で嫌がってると止めてくれていたでしょう?
きっとアンジェのことが好きなんだわって思ってたの。
さすがにジョーゼル様に婚約者がいるのは知っていたから黙っていたけれど。」
「……。」
知らなかった。二人がそんな風に思っていたなんて。
第二王子に早く帰ってほしい、それだけを考えて必死に断っていた気がする。
「それにね、ジョーゼル様が止めに入った時、
アンジェがすごくうれしそうにしてたから…
アンジェももしかして、って思ってたの。」
「わ、わたし??」
「違うかしら。
例えば、アンジェがふれることができたのが他の人だったとして、
こんな風にうれしそうに報告できた?
本当にこの人が運命の相手なのかなって悩まなかった?」
「…ゼル様じゃなかったとしたら?」
思いもしなかった。ゼル様が運命の相手で驚いたけれど、すぐに受け入れていた。
それが他の人だったら、あんな風にさわられて大丈夫だった?
抱きしめられても少しも嫌じゃなかったのは…。
「…嫌だわ。ゼル様じゃなかったら、ふれるのを許さないと思う。」
「ふふ。そうでしょう?」
「きっと、運命の相手って決まっているわけじゃないと思うの。
アンジェが受け入れた人が運命の相手になるんだわ。」
「…そうなのかしら?」
「だって、本当にたった一人なのだとしたら、
出会えないまま人生を終えた運命の乙女がいてもおかしくないでしょう?
でも、そんな話は聞かないわよね?
ほとんどが成人する前に運命の相手に出会えている。
そんなにうまく出会えるものかしら。」
運命の相手が決まっていたわけじゃない。
最初から決まっているわけではないのだとしたら、
運命の乙女が好きになった人が運命の相手ということもありえる?
それなら…私がゼル様を選んだ?
「やだ…アンジェの顔、真っ赤になってるわ。」
「大丈夫?」
「ええ…私がゼル様を選んだんだって思ったら、恥ずかしくなって。」
「「ふふふっ」」
あらためて考えてみて自分の気持ちを意識したら、
あんな風に抱きしめられたことが恥ずかしくなってしまった。
そんな私を見て、二人がまた笑う。
「良かったわね。アンジェ。婚約おめでとう。」
「本当ね。幸せそうで良かったわ。おめでとう。」
「ありがとう、二人とも。」
昼時間ぎりぎりまでゆっくりとお茶を楽しみ、教室へと戻った。
ゼル様のことが頭から離れなくて、午後の授業中もふわふわしていた。
気が付いたら授業が終わり、ダイアナとユミールはまた明日と言って帰っていく。
それほど待つこともなくゼル様は迎えに来てくれた。
「待たせてごめん。」
「いいえ、それほど待っていないので大丈夫です。」
「そう?じゃあ、帰ろうか。」
差し出された手を迷わずに取る。
手のひらから伝わるゼル様の体温がうれしくて、やっぱりゼル様だからと思う。
思わず笑ってしまうと、ゼル様に不思議そうに微笑まれた。
「何かいいことがあったのか?
帰りの馬車の中でゆっくり聞かせてくれ。」
「ええ。」
それに…心配はしたけれど、相手がジョーゼル様なら納得したもの。」
「どうして?」
どうしてゼル様が相手だと納得するの?
不思議に思って聞いたら、ダイアナとユミールは顔を見合わせて笑った。
「アンジェは気が付いていないと思っていたけれど、
ジョーゼル様がアンジェを見る目は恋している目だったわ。」
「ああ、私もそうだと思ってた。
第二王子様がなれなれしくしているとすぐに不機嫌そうにしていたし、
アンジェが本気で嫌がってると止めてくれていたでしょう?
きっとアンジェのことが好きなんだわって思ってたの。
さすがにジョーゼル様に婚約者がいるのは知っていたから黙っていたけれど。」
「……。」
知らなかった。二人がそんな風に思っていたなんて。
第二王子に早く帰ってほしい、それだけを考えて必死に断っていた気がする。
「それにね、ジョーゼル様が止めに入った時、
アンジェがすごくうれしそうにしてたから…
アンジェももしかして、って思ってたの。」
「わ、わたし??」
「違うかしら。
例えば、アンジェがふれることができたのが他の人だったとして、
こんな風にうれしそうに報告できた?
本当にこの人が運命の相手なのかなって悩まなかった?」
「…ゼル様じゃなかったとしたら?」
思いもしなかった。ゼル様が運命の相手で驚いたけれど、すぐに受け入れていた。
それが他の人だったら、あんな風にさわられて大丈夫だった?
抱きしめられても少しも嫌じゃなかったのは…。
「…嫌だわ。ゼル様じゃなかったら、ふれるのを許さないと思う。」
「ふふ。そうでしょう?」
「きっと、運命の相手って決まっているわけじゃないと思うの。
アンジェが受け入れた人が運命の相手になるんだわ。」
「…そうなのかしら?」
「だって、本当にたった一人なのだとしたら、
出会えないまま人生を終えた運命の乙女がいてもおかしくないでしょう?
でも、そんな話は聞かないわよね?
ほとんどが成人する前に運命の相手に出会えている。
そんなにうまく出会えるものかしら。」
運命の相手が決まっていたわけじゃない。
最初から決まっているわけではないのだとしたら、
運命の乙女が好きになった人が運命の相手ということもありえる?
それなら…私がゼル様を選んだ?
「やだ…アンジェの顔、真っ赤になってるわ。」
「大丈夫?」
「ええ…私がゼル様を選んだんだって思ったら、恥ずかしくなって。」
「「ふふふっ」」
あらためて考えてみて自分の気持ちを意識したら、
あんな風に抱きしめられたことが恥ずかしくなってしまった。
そんな私を見て、二人がまた笑う。
「良かったわね。アンジェ。婚約おめでとう。」
「本当ね。幸せそうで良かったわ。おめでとう。」
「ありがとう、二人とも。」
昼時間ぎりぎりまでゆっくりとお茶を楽しみ、教室へと戻った。
ゼル様のことが頭から離れなくて、午後の授業中もふわふわしていた。
気が付いたら授業が終わり、ダイアナとユミールはまた明日と言って帰っていく。
それほど待つこともなくゼル様は迎えに来てくれた。
「待たせてごめん。」
「いいえ、それほど待っていないので大丈夫です。」
「そう?じゃあ、帰ろうか。」
差し出された手を迷わずに取る。
手のひらから伝わるゼル様の体温がうれしくて、やっぱりゼル様だからと思う。
思わず笑ってしまうと、ゼル様に不思議そうに微笑まれた。
「何かいいことがあったのか?
帰りの馬車の中でゆっくり聞かせてくれ。」
「ええ。」
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