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ジョージアという魔術師
4.作戦
「ジョージア殿とレイフィアの能力は母親譲りだろうか?」
「生まれついた才能はそうだろう。
だが、俺たちの能力は後天的にのびたのだと思う。」
「後天的に?」
「そう。おそらくだが。
俺は安全にレイフィアといられるように結界を。
レイフィアは自分の身を守るために防御を。
母が防御系の魔術に特化した家の出身ではあるが、
それでも俺もレイフィアも威力が強すぎるんだ。」
母の生家である侯爵家との仲は良くない。
三兄弟の中でも突出した才能を持った母を他の兄弟が羨んでいたせいだ。
現在の当主である伯父や分家に嫁いだ伯母と違い、
母は魔術とはあまり縁のない商家として有名な伯爵家に嫁がされた。
それもすべて、母の魔力量が多いことが面白くなかったかららしい。
侯爵家にいた頃から蔑まれていた母は、固有スキルを発現させていた。
心を守る防御魔術だった。
今考えれば、後天的にのびたのは母も同じだろう。
そうでもなければ自分の心を守れなかった。だから、固有スキルを身につけた。
あんな父の所に嫁がなければ、もっと魔術の才能を生かして活躍できただろう。
だが、魔力量の少ない父は母の才能を憎んだ。魔女などいらないと。
結婚生活は母の我慢によって成り立っていた。
だけど、心を守る防御でも長年に渡れば身体に影響を及ぼす。
そのせいで身体を壊し、あんなに早くに亡くなってしまった。
俺が魔術研究所に入ったのをどこからか嗅ぎ付けたらしく、
侯爵家の伯父と叔母が面会に来たことがある。
どちらの子どもも魔力に恵まれなかったようだ。
このままでは防御系で名門だったはずの侯爵家から、
誰も魔術師にならない事態におちいる。
その前に俺を養子にしてなんとか名門の名前を守りたかったようだ。
もちろん、断らせてもらった。養子になる理由がない。
せっかくあの父から逃げて自由になれると言うのに。
レオンハルト殿が言い出したレイフィアの刺繍は面白いほど効果があった。
王宮魔術師とは護衛任務で顔見知りだったし、第二王子の件も相談されていた。
だから俺が思いついて刺繍に魔術をかけたように思わせ、
第二王子たちに持たせることに成功した。
レイフィアのように解呪しているのを見ることはできないが、
解呪前と後の魔力の流れの違いは見ることができた。
それでも元の呪術がよくわからず、俺の結界では弾くことが難しそうだった。
レイフィアの解呪の仕組みも俺には無理そうで、
しばらくは刺繍に頼るしかなさそうだった。
そんな時に、レオンハルト殿の父親である宰相や、
兄のヒューバート様までが呪術にかけられていた。
ガルハッタ公爵家への恨みでもあるんだろうか。
そんなところに嫁いで大丈夫なのかと心配にもなるが、
呪術が見えて解呪できるレイフィアほど安全な者はいないかもしれない。
レオンハルト殿に守れと言ったが、そういう意味では誰よりも安全だ。
それでもこの秘密が王家にばれないようにするのは、かなり難しそうだった。
「生まれついた才能はそうだろう。
だが、俺たちの能力は後天的にのびたのだと思う。」
「後天的に?」
「そう。おそらくだが。
俺は安全にレイフィアといられるように結界を。
レイフィアは自分の身を守るために防御を。
母が防御系の魔術に特化した家の出身ではあるが、
それでも俺もレイフィアも威力が強すぎるんだ。」
母の生家である侯爵家との仲は良くない。
三兄弟の中でも突出した才能を持った母を他の兄弟が羨んでいたせいだ。
現在の当主である伯父や分家に嫁いだ伯母と違い、
母は魔術とはあまり縁のない商家として有名な伯爵家に嫁がされた。
それもすべて、母の魔力量が多いことが面白くなかったかららしい。
侯爵家にいた頃から蔑まれていた母は、固有スキルを発現させていた。
心を守る防御魔術だった。
今考えれば、後天的にのびたのは母も同じだろう。
そうでもなければ自分の心を守れなかった。だから、固有スキルを身につけた。
あんな父の所に嫁がなければ、もっと魔術の才能を生かして活躍できただろう。
だが、魔力量の少ない父は母の才能を憎んだ。魔女などいらないと。
結婚生活は母の我慢によって成り立っていた。
だけど、心を守る防御でも長年に渡れば身体に影響を及ぼす。
そのせいで身体を壊し、あんなに早くに亡くなってしまった。
俺が魔術研究所に入ったのをどこからか嗅ぎ付けたらしく、
侯爵家の伯父と叔母が面会に来たことがある。
どちらの子どもも魔力に恵まれなかったようだ。
このままでは防御系で名門だったはずの侯爵家から、
誰も魔術師にならない事態におちいる。
その前に俺を養子にしてなんとか名門の名前を守りたかったようだ。
もちろん、断らせてもらった。養子になる理由がない。
せっかくあの父から逃げて自由になれると言うのに。
レオンハルト殿が言い出したレイフィアの刺繍は面白いほど効果があった。
王宮魔術師とは護衛任務で顔見知りだったし、第二王子の件も相談されていた。
だから俺が思いついて刺繍に魔術をかけたように思わせ、
第二王子たちに持たせることに成功した。
レイフィアのように解呪しているのを見ることはできないが、
解呪前と後の魔力の流れの違いは見ることができた。
それでも元の呪術がよくわからず、俺の結界では弾くことが難しそうだった。
レイフィアの解呪の仕組みも俺には無理そうで、
しばらくは刺繍に頼るしかなさそうだった。
そんな時に、レオンハルト殿の父親である宰相や、
兄のヒューバート様までが呪術にかけられていた。
ガルハッタ公爵家への恨みでもあるんだろうか。
そんなところに嫁いで大丈夫なのかと心配にもなるが、
呪術が見えて解呪できるレイフィアほど安全な者はいないかもしれない。
レオンハルト殿に守れと言ったが、そういう意味では誰よりも安全だ。
それでもこの秘密が王家にばれないようにするのは、かなり難しそうだった。
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