38 / 69
ジョージアという魔術師
21.ジョセフとの出会い
しおりを挟む
「ジョセフ。もう少し詳しく伯爵家のことが知りたい。
あと、この婚姻書、どういうことなのか調べてくれる?」
「ええ~子爵家に嫁ぐ?冗談でしょう。
あんな才女。子爵家当主になんてもったいなさすぎる。」
「だろう?現当主が無理やりすすめようとしてきたものだ。
まだ何か企んでそうだから、ちょっと調べてくれる?」
「わかりました。」
マリーを待っている間、ジョセフにお茶を入れてもらいながら情報交換する。
待っている間に話し相手になってもらうのはいつものことだけど、
ジョセフのことで最近マリーと話していて思い出したことがあった。
「なぁジョセフ、何年か前に子爵家潰した時に、近くにいただろう?」
「…やっぱりバレてましたか。」
「ああ。一応近くに人が来たらわかるように結界張ってたからな。
あの時はジョセフに敵意がなさそうだし、めんどくさかったからほっといたけど、
公爵家で会ったときに気が付いたんだ。
何度か潰しに行った時に会ってるなって。」
「ちょうどあの頃、幼い少女が行方不明になる事件が多発してまして。
その犯人がジョージア様の狙いと一緒だったんですよね~。
俺は楽できて良かったですけど。」
「楽って。まぁ、俺も潰しに行ったらもう終わってたことがあるけど、
あれはジョセフか?」
「多分、そうでしょうね。お互い仕事が減って良かったですね。」
簡単にそういうジョセフに気が抜けてしまう。
母上が亡くなってすぐの頃はレイフィアの評判はとても高かった。
それまで母上と一緒に他家のお茶会に出ていたのだから、それも当然だった。
美しい少女、しかも後妻が邪魔にしている。
変態貴族やクズどもが狙ってくることが何度かあった。
レイフィアの婚約の話が出た二度目の時だっただろうか。
調べてみたら子爵家の当主は変態で、息子もクズ。
そんなところに後妻でやったらどんな目に合うか。想像するだけで腹立たしい。
父親へと話が来て、それ以上進んでしまう前に子爵家に忍び込んだ。
ちょうど当主が幼い少女を組み敷こうとしているところだった。
その少女がレイフィアと重なって見えて、思わず当主を結界で縛った。
ほんの少しの隙間もなく張った結界の中、苦しんで死んでいくのをじっと待つ。
動かなくなるのを確認して、ふぅっと息を吐いて結界を消す。
少女は服の乱れも無かったが、気を失ってしまっていた。
関係の無い少女だけど、間に合って良かったと思った。
近くに人の気配を感じた。敵意も無く、見学しているかのようだった。
顔を見られているわけではないし、揉めるのも困る。
そのままほっといて帰ったのだが、その後何度かその気配を感じた。
あれがジョセフだったと気が付いて、すべて納得した。
公爵家の仕事だったのだろう。
お互い汚れた手かもしれないけど、今こうして笑って話している。
なんだか不思議な関係ではあるけど、
信じられる人間が増えたのはいいことかもしれない。
お代わりしたお茶を飲み干したら、マリーがレイフィアと戻って来た。
楽しそうな二人の様子にほっとする。
「ジョージア様、終わりました。
レイフィア様は今日も異常ありませんでしたよ。」
「ああ、ありがとう。
じゃあ、帰ろうか。」
あの時助けたのがレイフィアだけじゃなく、マリーもだった。
俺のしたことが間違っていても、それでいいと思った。
あと、この婚姻書、どういうことなのか調べてくれる?」
「ええ~子爵家に嫁ぐ?冗談でしょう。
あんな才女。子爵家当主になんてもったいなさすぎる。」
「だろう?現当主が無理やりすすめようとしてきたものだ。
まだ何か企んでそうだから、ちょっと調べてくれる?」
「わかりました。」
マリーを待っている間、ジョセフにお茶を入れてもらいながら情報交換する。
待っている間に話し相手になってもらうのはいつものことだけど、
ジョセフのことで最近マリーと話していて思い出したことがあった。
「なぁジョセフ、何年か前に子爵家潰した時に、近くにいただろう?」
「…やっぱりバレてましたか。」
「ああ。一応近くに人が来たらわかるように結界張ってたからな。
あの時はジョセフに敵意がなさそうだし、めんどくさかったからほっといたけど、
公爵家で会ったときに気が付いたんだ。
何度か潰しに行った時に会ってるなって。」
「ちょうどあの頃、幼い少女が行方不明になる事件が多発してまして。
その犯人がジョージア様の狙いと一緒だったんですよね~。
俺は楽できて良かったですけど。」
「楽って。まぁ、俺も潰しに行ったらもう終わってたことがあるけど、
あれはジョセフか?」
「多分、そうでしょうね。お互い仕事が減って良かったですね。」
簡単にそういうジョセフに気が抜けてしまう。
母上が亡くなってすぐの頃はレイフィアの評判はとても高かった。
それまで母上と一緒に他家のお茶会に出ていたのだから、それも当然だった。
美しい少女、しかも後妻が邪魔にしている。
変態貴族やクズどもが狙ってくることが何度かあった。
レイフィアの婚約の話が出た二度目の時だっただろうか。
調べてみたら子爵家の当主は変態で、息子もクズ。
そんなところに後妻でやったらどんな目に合うか。想像するだけで腹立たしい。
父親へと話が来て、それ以上進んでしまう前に子爵家に忍び込んだ。
ちょうど当主が幼い少女を組み敷こうとしているところだった。
その少女がレイフィアと重なって見えて、思わず当主を結界で縛った。
ほんの少しの隙間もなく張った結界の中、苦しんで死んでいくのをじっと待つ。
動かなくなるのを確認して、ふぅっと息を吐いて結界を消す。
少女は服の乱れも無かったが、気を失ってしまっていた。
関係の無い少女だけど、間に合って良かったと思った。
近くに人の気配を感じた。敵意も無く、見学しているかのようだった。
顔を見られているわけではないし、揉めるのも困る。
そのままほっといて帰ったのだが、その後何度かその気配を感じた。
あれがジョセフだったと気が付いて、すべて納得した。
公爵家の仕事だったのだろう。
お互い汚れた手かもしれないけど、今こうして笑って話している。
なんだか不思議な関係ではあるけど、
信じられる人間が増えたのはいいことかもしれない。
お代わりしたお茶を飲み干したら、マリーがレイフィアと戻って来た。
楽しそうな二人の様子にほっとする。
「ジョージア様、終わりました。
レイフィア様は今日も異常ありませんでしたよ。」
「ああ、ありがとう。
じゃあ、帰ろうか。」
あの時助けたのがレイフィアだけじゃなく、マリーもだった。
俺のしたことが間違っていても、それでいいと思った。
162
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
幼馴染みを優先する婚約者にはうんざりだ
クレハ
恋愛
ユウナには婚約者であるジュードがいるが、ジュードはいつも幼馴染みであるアリアを優先している。
体の弱いアリアが体調を崩したからという理由でデートをすっぽかされたことは数えきれない。それに不満を漏らそうものなら逆に怒られるという理不尽さ。
家が決めたこの婚約だったが、結婚してもこんな日常が繰り返されてしまうのかと不安を感じてきた頃、隣国に留学していた兄が帰ってきた。
それによりユウナの運命は変わっていく。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。