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ジョージアという魔術師
35.事件の結末
「ようやく全部終わったか?」
「ですね。本当~にめんどくさかったです。
まさか侯爵家の馬鹿が関わってるとは思ってなかったですけどね。
良い機会なので、全部潰しておきました。」
「ジョージアの母方の生家だったか?たしかお前を養子にしたがってたな。
そのせいでマリー嬢をさらったのか?」
「ええ。マリーをさらって、侯爵家の嫁になる契約書に署名させようとしてました。
マリーと結婚したければ俺に侯爵家の養子になれと、
そういうつもりだったようですよ。
そのためにお金に困ってた伯爵家のリンネに手引きさせたようです。」
「本当に馬鹿だな…そいつら。
ジョージアが守ってるマリー嬢を簡単にさらえると思うなんて。
あの日、真っ青な顔して出ていった時には何が起こったのかと思ったがな。
まぁ、うまくまとまったようで良かったよ。」
「…。」
面白そうににやっと笑う陛下に、この人はいつから気が付いていたんだろうと思う。
まさか最初からわかっててマリーを王宮医術士にしたわけじゃないと思うけど。
伯爵家を継いだマリーの叔父夫妻は破落戸から脅されて、金を要求されていたらしい。そのためマリーを子爵家に売ろうとしていたようだが、俺が間に入って話を止めてしまった。それを侯爵家が知って、今回のことを企んだようだ。
リンネはマリーを売った金でどこか他国に行って生活しようと思ってたらしい。伯爵家にいても金をむしり取られてしまうとでも思っていたのだろうか。
おそらく破落戸に脅されている理由は、マリーの両親の殺害だろう。事故だとは聞いていたが、強盗に襲われて亡くなっていたとは知らなかった。叔父夫妻とリンネの他に破落戸どもも捕まえたので、この件もいずれわかることになるだろう。
伯爵家はマリーの弟が成人するまで、王宮の管財人が管理することになった。
「それで、女官と文官の方はいい返事もらえそうですか?」
「ああ、今週から移っていいそうだ。あの二人なら大丈夫だろう。」
王宮医術士局には医術士ではなく、女官と文官を一名ずつ入れることにした。処方の記録や薬草の在庫管理、医術を受ける予約の受付など、医術士じゃなくてもできる仕事は多い。
それに、女官と文官は同じ場所で働く仲間として、男女で働くことに慣れている。
男性医術士のかたくなな態度を変えるには、女官と文官が仲良く働いているところを見せるのが一番だと思った。
特に今回来てくれることになった女官のリリアさんは30年も王宮で働いている力のある女官で、男性に対しても物怖じすることなく肝っ玉母さんのように接することで有名な人だった。男性医術士にもばんばん文句を言ってくれることを期待している。
マリーが公爵家に行っている間、マリリアが一人になることを心配していたが、リリアさんがいれば心配ないだろう。
「これで少しは医術士局も落ち着くと思うので、公爵家のほうにいても大丈夫ですよね。」
「レイフィアの様子はどうだ?」
「もうだいぶお腹の子が大きくなってきて、魔力が足りないんです。
俺とレオンハルトで毎日魔力を流していますが、
将来は大物になるのは間違いないでしょうね。」
「そんなにか。」
「そんなにです。
じゃあ、今日もこれから行ってきます。」
「ですね。本当~にめんどくさかったです。
まさか侯爵家の馬鹿が関わってるとは思ってなかったですけどね。
良い機会なので、全部潰しておきました。」
「ジョージアの母方の生家だったか?たしかお前を養子にしたがってたな。
そのせいでマリー嬢をさらったのか?」
「ええ。マリーをさらって、侯爵家の嫁になる契約書に署名させようとしてました。
マリーと結婚したければ俺に侯爵家の養子になれと、
そういうつもりだったようですよ。
そのためにお金に困ってた伯爵家のリンネに手引きさせたようです。」
「本当に馬鹿だな…そいつら。
ジョージアが守ってるマリー嬢を簡単にさらえると思うなんて。
あの日、真っ青な顔して出ていった時には何が起こったのかと思ったがな。
まぁ、うまくまとまったようで良かったよ。」
「…。」
面白そうににやっと笑う陛下に、この人はいつから気が付いていたんだろうと思う。
まさか最初からわかっててマリーを王宮医術士にしたわけじゃないと思うけど。
伯爵家を継いだマリーの叔父夫妻は破落戸から脅されて、金を要求されていたらしい。そのためマリーを子爵家に売ろうとしていたようだが、俺が間に入って話を止めてしまった。それを侯爵家が知って、今回のことを企んだようだ。
リンネはマリーを売った金でどこか他国に行って生活しようと思ってたらしい。伯爵家にいても金をむしり取られてしまうとでも思っていたのだろうか。
おそらく破落戸に脅されている理由は、マリーの両親の殺害だろう。事故だとは聞いていたが、強盗に襲われて亡くなっていたとは知らなかった。叔父夫妻とリンネの他に破落戸どもも捕まえたので、この件もいずれわかることになるだろう。
伯爵家はマリーの弟が成人するまで、王宮の管財人が管理することになった。
「それで、女官と文官の方はいい返事もらえそうですか?」
「ああ、今週から移っていいそうだ。あの二人なら大丈夫だろう。」
王宮医術士局には医術士ではなく、女官と文官を一名ずつ入れることにした。処方の記録や薬草の在庫管理、医術を受ける予約の受付など、医術士じゃなくてもできる仕事は多い。
それに、女官と文官は同じ場所で働く仲間として、男女で働くことに慣れている。
男性医術士のかたくなな態度を変えるには、女官と文官が仲良く働いているところを見せるのが一番だと思った。
特に今回来てくれることになった女官のリリアさんは30年も王宮で働いている力のある女官で、男性に対しても物怖じすることなく肝っ玉母さんのように接することで有名な人だった。男性医術士にもばんばん文句を言ってくれることを期待している。
マリーが公爵家に行っている間、マリリアが一人になることを心配していたが、リリアさんがいれば心配ないだろう。
「これで少しは医術士局も落ち着くと思うので、公爵家のほうにいても大丈夫ですよね。」
「レイフィアの様子はどうだ?」
「もうだいぶお腹の子が大きくなってきて、魔力が足りないんです。
俺とレオンハルトで毎日魔力を流していますが、
将来は大物になるのは間違いないでしょうね。」
「そんなにか。」
「そんなにです。
じゃあ、今日もこれから行ってきます。」
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