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12.追いすがる者たち
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「レオルド様!お慕いしております!
どうか、陛下になって、私を側妃にしてくださいませ!」
胸の開いた碧色ののドレス。
金髪の髪をカールした令嬢は顔を真っ赤にして叫んだ。
見覚えは…あるようなないような?いや、無いな…。
「お前、誰?」
「えっ。学園で一緒の学年だった私です!
エリーゼ・グランドール。グランドール侯爵家の二女でございます。」
グランドール侯爵家…学園で一緒。思い出せないな。
まぁ、どうでもいいか。
どうせ俺を陛下にしたい父親辺りがそそのかしたんだろう。
リリー以外の女で俺をなんとかできると思うとは。
まともな貴族って、ホント少ないんだな…。
「俺はお前なんて知らないぞ。
俺は陛下にはなれないし、なる気もこれっぽっちも無い。
それ以上言う気なら、不敬罪で処罰するぞ。
それに、側妃だと?ふざけんな。
俺はリリーだけいればいいんだよ。」
睨みつけると、ふらっと倒れそうになっている。
いや、助けたりしないよ。勝手に倒れてよ。
助けたりしようものなら、やっぱりとか言われそうだからな。貴族って怖ぇ。
「じゃ、そういうことで。
俺のことはあきらめて、早いとこ陛下のほうなんとかしなよ。」
「待ってください!領地に行くなら、俺も連れて行ってください!」
護衛騎士の一人がそう言って、俺の前に跪いた。
「俺もです!」「お願いします!」
護衛騎士の横に、侍従や文官たちも並び始める。
何の真似だろう。再就職?え?王宮をやめて、公爵領で雇えと?
「俺は、しばらくは領地にも戻らない。」
「「「え!」」」
「だって、公爵領にいたら、
陛下から戻ってくるように使いが毎日くるだろう?
それだけじゃない、貴族や令嬢も押しかけてくる気だろう?
そういうのも相手するの嫌なんだよ。」
皆が顔を見合わせて頷く。そうだろう。
俺の居場所がわかっていると、そうなるんだよ。
「だから、この国が安定するまでは、俺とリリーは姿を隠す。
公爵領に手紙や使いが来ても、一切取り次がせない。
王宮からも誰一人連れていくつもりはない。あきらめろ。
じゃあな!あとは頑張ってくれよ!」
待ってください!と聞こえたが、後は任せた。
さくっと転移して王宮から出る。
追ってこれる者はいないだろうし、すぐ魔女の森に行くから、
ついてくるのは不可能だろう。
しばらくは俺の手の者たちは王宮に残してある。
どうなるのか知りたい気持ちはある。
でも、この国がどうなろうと、もうここに戻る気にはなれなかった。
王家の血が入ってないことがどれほど大事なのかわからないが、
それよりも愛国心というものが俺には無い。
王宮を出る理由には十分だろう。
どうか、陛下になって、私を側妃にしてくださいませ!」
胸の開いた碧色ののドレス。
金髪の髪をカールした令嬢は顔を真っ赤にして叫んだ。
見覚えは…あるようなないような?いや、無いな…。
「お前、誰?」
「えっ。学園で一緒の学年だった私です!
エリーゼ・グランドール。グランドール侯爵家の二女でございます。」
グランドール侯爵家…学園で一緒。思い出せないな。
まぁ、どうでもいいか。
どうせ俺を陛下にしたい父親辺りがそそのかしたんだろう。
リリー以外の女で俺をなんとかできると思うとは。
まともな貴族って、ホント少ないんだな…。
「俺はお前なんて知らないぞ。
俺は陛下にはなれないし、なる気もこれっぽっちも無い。
それ以上言う気なら、不敬罪で処罰するぞ。
それに、側妃だと?ふざけんな。
俺はリリーだけいればいいんだよ。」
睨みつけると、ふらっと倒れそうになっている。
いや、助けたりしないよ。勝手に倒れてよ。
助けたりしようものなら、やっぱりとか言われそうだからな。貴族って怖ぇ。
「じゃ、そういうことで。
俺のことはあきらめて、早いとこ陛下のほうなんとかしなよ。」
「待ってください!領地に行くなら、俺も連れて行ってください!」
護衛騎士の一人がそう言って、俺の前に跪いた。
「俺もです!」「お願いします!」
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何の真似だろう。再就職?え?王宮をやめて、公爵領で雇えと?
「俺は、しばらくは領地にも戻らない。」
「「「え!」」」
「だって、公爵領にいたら、
陛下から戻ってくるように使いが毎日くるだろう?
それだけじゃない、貴族や令嬢も押しかけてくる気だろう?
そういうのも相手するの嫌なんだよ。」
皆が顔を見合わせて頷く。そうだろう。
俺の居場所がわかっていると、そうなるんだよ。
「だから、この国が安定するまでは、俺とリリーは姿を隠す。
公爵領に手紙や使いが来ても、一切取り次がせない。
王宮からも誰一人連れていくつもりはない。あきらめろ。
じゃあな!あとは頑張ってくれよ!」
待ってください!と聞こえたが、後は任せた。
さくっと転移して王宮から出る。
追ってこれる者はいないだろうし、すぐ魔女の森に行くから、
ついてくるのは不可能だろう。
しばらくは俺の手の者たちは王宮に残してある。
どうなるのか知りたい気持ちはある。
でも、この国がどうなろうと、もうここに戻る気にはなれなかった。
王家の血が入ってないことがどれほど大事なのかわからないが、
それよりも愛国心というものが俺には無い。
王宮を出る理由には十分だろう。
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