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3章 将軍っていらないよね
4.軍とシオン
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さて、これからのことを副将軍と話し合わなきゃなと思って待っていると、
副将軍が慌てて執務室に飛び込んできた。
「レオルド様、大変です。こんなものが。」
手紙?と思って読んでみて、ため息をつく。
「無視していいか?」
「…気持ちはわかりますが、これも軍の仕事です。」
「そうだよなぁ。…仕方ないか。」
手紙にはレイハバル家の令嬢を預かっている、
無事に帰してほしければ言うことを聞け、と書いてあった。
言うことを聞けというわりには、どうしてほしいかが書かれていない。
次の連絡が来るまで待てということなんだろうか。
「副将軍、さきほど外で見たんだが、
令嬢が護衛として何人か貸せと言っていた。
あれも元将軍の孫娘だと思う。よくあることなのか?」
「はい。軍が動いていないため、王都の治安が悪くなっています。
街に買い物に行くと言って何度か連れて行っていました。
レオルド様が見たのは、妹のアンヌ様でしょう。」
なるほど。元将軍のせいで治安が悪くなったから、護衛が多く必要になったと。
3人は連れて行ったはずなのに、それで攫われることがあるんだろうか?
「とりあえず、これじゃ何の手掛かりもないな。
次の連絡が来るまで、待つか。
あ、この件が解決するまで、俺が将軍だという話は広めるな。
極秘扱いで頼む。」
「わかりました。極秘ですね!」
ちょっと出てくると言って、執務室から外に出た。
もう一度シオンに変化しているが、
リリー付きだったシオンのことがわかるものもいるのだろう。
あきらかに驚いて顔色を変えた者もいる。
…シオン、軍に何かやったな?
侯爵家からリリーの護衛としてついてきていた、
シオンへのやっかみはすごかった。
王弟妃の護衛は軍がするという慣例を無視しているのだから、
仕方がないことではあったが。
それがいつの間にか静かになった。
シオンの腕前を見て納得したのだろうと思っていたのだが。
数人はボコボコにしたんだな…。
探しているものはすぐに見つかった。
さきほど令嬢に我がままを言われていた軍人だ。
護衛を貸した時のことを聞こうと思って探しに来ていた。
「ちょっと良いか?」
声をかけると振り返り、驚いて顔色が悪くなる。あれ、こいつもか。
空き部屋に誘導して、中に入って変化を解く。
シオンじゃなく俺だってわかれば安心するだろうと思ったのに、
余計に顔色が悪くなっている。どうしてだ?
「俺が誰だかわかるな?ちょっと聞きたいことがあるんだ。」
「は、っはい。なんでしょうか?」
「アンヌ嬢に護衛をつけたな?その時の様子を教えてくれないか?
あ、軍の規定違反とか、そういうのはどうでもいい。
責めるつもりは無いから、あったことをそのまま教えてくれ。」
「責めないんですか?」
「うん、今はどうでもいい。それに責められるのは将軍だ。
君や護衛についた者を処罰する気は無いから、安心していいよ。」
「…そうですか。わかりました。
あの後、訓練していた若いものを3人つけました。
訓練場には10人ほどいたのですが、彼女が顔のいいものを選んで…。
拒否することを許さず、半ば無理やりに連れて行ってしまいました。
街で買い物をしてくると言ってました。数時間で帰ると。
ここ1月で5回ほど、こういうことがあったので、またかと言った感じです。
断ってもお爺様に言いつけると言われると、私たちも弱くて…。
顔のいい者を連れて行きたがるので、
周りに見せびらかしたいのもあるんでしょう。
敵対している侯爵家の令嬢に対抗しているという噂もありました。」
「敵対してる侯爵家の令嬢?」
「…リリーアンヌ様の妹様です。」
「…あぁ、なるほどね。そういう対抗ね。わかった。」
あの妹には関わりたくないな。今回の件とは関係ないと思うが、
もしかしたら行き先にいたりするのか?
そしたらシオンの変化してもダメだよな。
ふと目の前の男に気が付いて、そうだと思う。
「頼みがあるんだが。」
「なんでしょうか?」
「君に変化して街を歩いてきてもいいか?
俺がこのまま行くと大変だし、シオンでも騒がれそうなんだ。」
「あぁ、それはそうでしょう。わかりました。」
「じゃ、令嬢が行ったと思う場所を教えてくれないか?」
「地図に書き込みますので、お待ちください。」
副将軍が慌てて執務室に飛び込んできた。
「レオルド様、大変です。こんなものが。」
手紙?と思って読んでみて、ため息をつく。
「無視していいか?」
「…気持ちはわかりますが、これも軍の仕事です。」
「そうだよなぁ。…仕方ないか。」
手紙にはレイハバル家の令嬢を預かっている、
無事に帰してほしければ言うことを聞け、と書いてあった。
言うことを聞けというわりには、どうしてほしいかが書かれていない。
次の連絡が来るまで待てということなんだろうか。
「副将軍、さきほど外で見たんだが、
令嬢が護衛として何人か貸せと言っていた。
あれも元将軍の孫娘だと思う。よくあることなのか?」
「はい。軍が動いていないため、王都の治安が悪くなっています。
街に買い物に行くと言って何度か連れて行っていました。
レオルド様が見たのは、妹のアンヌ様でしょう。」
なるほど。元将軍のせいで治安が悪くなったから、護衛が多く必要になったと。
3人は連れて行ったはずなのに、それで攫われることがあるんだろうか?
「とりあえず、これじゃ何の手掛かりもないな。
次の連絡が来るまで、待つか。
あ、この件が解決するまで、俺が将軍だという話は広めるな。
極秘扱いで頼む。」
「わかりました。極秘ですね!」
ちょっと出てくると言って、執務室から外に出た。
もう一度シオンに変化しているが、
リリー付きだったシオンのことがわかるものもいるのだろう。
あきらかに驚いて顔色を変えた者もいる。
…シオン、軍に何かやったな?
侯爵家からリリーの護衛としてついてきていた、
シオンへのやっかみはすごかった。
王弟妃の護衛は軍がするという慣例を無視しているのだから、
仕方がないことではあったが。
それがいつの間にか静かになった。
シオンの腕前を見て納得したのだろうと思っていたのだが。
数人はボコボコにしたんだな…。
探しているものはすぐに見つかった。
さきほど令嬢に我がままを言われていた軍人だ。
護衛を貸した時のことを聞こうと思って探しに来ていた。
「ちょっと良いか?」
声をかけると振り返り、驚いて顔色が悪くなる。あれ、こいつもか。
空き部屋に誘導して、中に入って変化を解く。
シオンじゃなく俺だってわかれば安心するだろうと思ったのに、
余計に顔色が悪くなっている。どうしてだ?
「俺が誰だかわかるな?ちょっと聞きたいことがあるんだ。」
「は、っはい。なんでしょうか?」
「アンヌ嬢に護衛をつけたな?その時の様子を教えてくれないか?
あ、軍の規定違反とか、そういうのはどうでもいい。
責めるつもりは無いから、あったことをそのまま教えてくれ。」
「責めないんですか?」
「うん、今はどうでもいい。それに責められるのは将軍だ。
君や護衛についた者を処罰する気は無いから、安心していいよ。」
「…そうですか。わかりました。
あの後、訓練していた若いものを3人つけました。
訓練場には10人ほどいたのですが、彼女が顔のいいものを選んで…。
拒否することを許さず、半ば無理やりに連れて行ってしまいました。
街で買い物をしてくると言ってました。数時間で帰ると。
ここ1月で5回ほど、こういうことがあったので、またかと言った感じです。
断ってもお爺様に言いつけると言われると、私たちも弱くて…。
顔のいい者を連れて行きたがるので、
周りに見せびらかしたいのもあるんでしょう。
敵対している侯爵家の令嬢に対抗しているという噂もありました。」
「敵対してる侯爵家の令嬢?」
「…リリーアンヌ様の妹様です。」
「…あぁ、なるほどね。そういう対抗ね。わかった。」
あの妹には関わりたくないな。今回の件とは関係ないと思うが、
もしかしたら行き先にいたりするのか?
そしたらシオンの変化してもダメだよな。
ふと目の前の男に気が付いて、そうだと思う。
「頼みがあるんだが。」
「なんでしょうか?」
「君に変化して街を歩いてきてもいいか?
俺がこのまま行くと大変だし、シオンでも騒がれそうなんだ。」
「あぁ、それはそうでしょう。わかりました。」
「じゃ、令嬢が行ったと思う場所を教えてくれないか?」
「地図に書き込みますので、お待ちください。」
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