王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)

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3章 将軍っていらないよね

12.新しい軍

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よし、この件に関してはもういいな。
軍人たちに指示を出した後は、すぐに将軍の執務室に転移して戻る。
急に現れたせいで副将軍が後ろに倒れたけど、仕方ないよね。
廊下に転移すると、他の者に見られちゃうからね。

「ただいま。副将軍、ちょっとショーンというものを呼んでくれないか?」

「は、っはい!すぐに呼びます!」

転移してきたのが俺だとわかって安心したのか、嬉しそうに部屋から出て行った。
まもなく執務室にショーンを連れて副将軍が戻って来た。
とりあえず疲れたからソファに座って、二人にも座ってもらう。

「さっきはありがとう、助かったよショーン。」

「いえ、こちらに帰って来たということは無事に解決しましたか?」

「ああ、大丈夫。アンヌ嬢は侯爵家に送り届けるように言ってきたよ。
 護衛についていた軍人たちも無事だ。安心していい。」

「わかりました。」

「さて、大事な話はここからだ。
 陛下から、将軍の任命権ももらってきてある。
 ちゃんとした任命は後でにして、今はとにかく早く軍を動かしたい。
 王都の治安の悪さを一刻でも早く何とかしなきゃいけない。

 だから、副将軍?」

「はい?」

「副将軍に将軍を任命するよ。」

「ええ!?」

「だって、他を探してる場合じゃないんだ。わかるだろう?」

「ええ。確かにそれはそうです。」

「一人でやるのは大変だろう?だから、ショーン?」

「え?俺ですか?はい?」

「うん、君は将軍補佐に任命する。」

「ふぇ?」

「ショーンは軍人たちに詳しいだろう?
 人が少ない中、配置しなきゃいけない。
 それには軍人たちをよく知っている人間が必要だ。
 ショーンの仕事は、将軍の補佐として配置を決めることと、
 軍人を増やす部署を統括すること。わかった?
 簡単に言うと、人事と新しい軍人を募集してね、てこと。」

「は、はい。」

二人とも思っても見なかったのだろう。カチコチになってしまっている。

「一刻も早く王都の治安を戻して、民を守らなければいけない。
 これ以上の犠牲者を出すな。わかったな?」

「「はい!」」

王都の治安の悪さを思い出したのだろう。顔つきが変わった。
この二人に任せておけば大丈夫かな。
とにかく、今は動かなければいけない。

「じゃあ、任命書は置いていく。
 陛下に報告に行くから、後は各自で動いて。」

「レオルド様は将軍にならないのですか?」

「ああ、俺が一時的に将軍になったのは、
 元将軍よりも上の立場にならないとダメだったから。
 邪魔なものを排除して、軍を正常に動かせる人に任せようと思っていた。
 最初からそのつもりで陛下から任命書をあずかってきたんだ。
 俺はここには戻ってこない。二人に任せるから、しっかり頑張ってね。」


「「は、っはい!」」

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