王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)

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6章 つながる世界

13.嫌がらせ

リオルとミーシャの婚約が発表されてから一月。学園は落ち着きを取り戻すどころか、さらに騒ぎが大きくなっていた。
ミーシャへの嫌がらせが頻繁に見られるようになったからである。

側妃の子ではあるが、ミーシャは第一王女であり、同じ教室には王妃の子であるレイモンドもいる。
学園内ではあるが、必ず護衛と侍女が付き添っているため、被害はほとんどなかった。
ただミーシャが使用している机が消えたり、椅子が壊れるように仕掛けがされていたりと、それなりに悪質なものが多かった。


「相手はエリザの周辺だろうな。」

「おそらく。調べているんだが、同じ人間を使っていないのか、
 なかなか捕まえられないんだ。」


嫌がらせを命令しているのはおそらくエリザだろうと、早くからその周辺には監視をつけていた。それでも一回限りの嫌がらせでは捕まえるのは難しかった。同じ人間がしているのであれば行動もわかりやすいのだが。


「…もう卒業しちゃってもいいんだけどな。」


この学園の授業レベルは他国よりも高いと言われている。それでも飛び級試験を受けて卒業することは可能だった。現に両親は王代理と王妃代理を務めることになった時に飛び級試験を受けて卒業している。
俺が今まで飛び級試験を受けなかった理由はミーシャと一緒に通いたかっただけだった。


「…私は大丈夫よ?ちゃんと魔術具をつけているし、護衛もいるんだから。
 離れているのは授業中だけで、後はリオルが守ってくれるんでしょう?」

ふふふとなぜか楽しそうにミーシャに笑われて、あぁもう俺の負けだなと思う。


「何かあればすぐに逃げろよ。レイモンドも。」

「わかったわ。」「ああ。」

学年が違うため、学園では昼休みくらいしか一緒にいることは出来ない。
イライラはするけど、学園に通いたいミーシャを邪魔する気はなかった。
せめて俺にできることをしておきたくて、犯人を探し出せるように監視用の魔術具を設置してまわる。

…こんな魔術具を作ったのバレたら、父上に怒られるだろうな。

父上が魔術具を作っても売らないのは、利用されないようにするためだろう。
前世で母上が魔術具を使って殺されたように、一歩間違えば犯罪に利用されかねない。
その気持ちがわかるから、俺が作った魔術具も俺以外は使えないようにしてあった。

いつか犯罪に使われない魔術具を作り出すことができればいいのにと思う。
人の悪意を感知できるような…。


その日設置した魔術具で嫌がらせの犯人を二人ほど捕まえることができたが、
その犯人たちはエリザとは関係のない令嬢たちだった。

令嬢たちは捕まった瞬間力が抜けたように気を失い、目が覚めると記憶が無かった。
どうして嫌がらせなんてしたのかわからないという令嬢たちに、
調べてみると魔術具を使用して洗脳されていた跡が見つかった。

その跡はジョセフィーヌ王女が使用されていた魔術具のものと一致していた。





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