お飾り王妃のはずなのに、黒い魔法を使ったら溺愛されてます

りんりん

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二、魔女の国2

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「けど妹のダリヤはお姉様方とは、少し違うわ。
末っ子のせいか、我が儘になってるのよね。
ダリアには、もっと厳しい教育が必要よ」

拳で机をばしっと叩く。

一つ年下のダリヤも金髪碧眼だった。

生意気にも、私より身体も大きいし、貴族学園の成績もいい。

魔力だって、私よりもずーと強くなっている。

「最近では、姉の私を露骨にバカにしてくるのよ」

「それはいけないわね。
けどね。
ダリアは、もうこの本を全部暗唱してるのよ。
バカにされるのが嫌なら、ローズももっと頑張りなさい」

お母様が深いため息をつく。

「わたくしはね。ローズウッド。
あなたが一番気がかりなのです」

「ほかの姉妹より、頭も容姿も悪いし、魔力だって劣っているからですよね」

王家代々の特徴である金髪碧眼でない王女は、長い歴史の中でもこの私だけだそうだ。

薄いピンクの髪に、同じ色の瞳、小さな身体は、王女としては貧弱すぎる。

他の姉妹は、咲き誇る大輪の花のように華やかなのに。

こっちは、雑草の先っぽに咲く小さな花だ。

「わかりました。
私も、もっと努力をします。
だから、女王様、いえお母様も私をお姉様たちと比べて、余計な心配をしないで下さい。
私は私だから」

目をふせて、両手をぎゅっと握る。

「比べて憂慮しているわけでは、ありませんよ。
いつかわたくしの気持ちが、あなたに伝わる日がくるのを待っています」

お母様さまの静かな声がした。

そして、二人とも黙りこんでしまう。

気まずい沈黙が部屋に流れた。

「こら、ローズ。
あまり女王様を困らせるんじゃないぞ」

扉がカタリと音がして開いたかと思えば、チューちゃんが小さな顔をのぞかせる。

「あらあら、チューちゃんに心配してもらっているのですね」

いつのまにか私の肩にのったチューちゃんを見て、お母様が弾むように笑う。

「へへへ」

チューちゃんは、照れて小さな手で白い頭をかく。

その仕草に私とお母様が同時に笑ってしまう。

「ローズ。
チューちゃんがお迎えにきてくれたことだし、今日はこれでおわりにしましょう」

「はい。わかりました。
では、失礼します」

深々と頭を下げると、チューちゃんと執務室を後にする。

私は、ローズウッド。

親しい人達からは、ローズと呼ばれている。

そして、アンバー女王の頭痛の種なのだ。








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