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七、妹ダリア
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「私はこれから学園へ行ってきますわ。
次期生徒会長として、やっておかなければならない用事が多くて、お休みの日まで登校しないといけないの。
それに比べてお姉さまは気楽ね。
卒業してからは、何もせずにずーと屋敷でのんびりしているんだもん。
うらやましい限りだわ」
そう言って、ダリアは野苺のような唇をすぼめる。
肩のあたりまである縦に巻かれた金髪、形のいい眉、華奢なのにメリハリのある身体。
襟元や袖口に白いレースがあしらわれたクリーム色のドレスを着たダリヤは、まるでお人形のようだった。
「悪かったわね。
留学する頭もない。
結婚相手もいない。
なんにもない姉で」
華やかなダリヤに両手をギュツと握って、声をあらげる。
「ひどいわ。
そんな意味で言ったんじゃないのよ。
ひょっとしたらお姉さまったら、ひがんでいるのかしら」
「なんですって」
グイとダリアの前に足を一歩踏みだすと、ブーニャンが低い声で威嚇した。
「まあ。こわいわね。
主人が主人なら、使い魔も使い魔ね。
それにブーニャンは太り過ぎて、まるで
豚だわ。
お姉様も、少しは気をつけてあげなくっちゃ。
それとも、使い魔の姿には主人の魔力が反映されるって言うから、どうしようもないのかしらね。
フフフ。
じゃあ、そろそろ学園へ行ってくるわ」
言いたい放題言うと、ダリアはクルリと背をむけ玄関へ向かう。
玄関では、いつものように専属侍女や使用人達が待っているはずだ。
今日も皆に完璧な笑顔をむけて、ダリアは王族の豪華な馬車にのりこんでゆくのだろう。
誰から見ても、ダリアは完璧な王女様なのだ。
本当は腹黒のくせに。
それがどーしても歯がゆくて、ギュッと唇を一文字に結ぶ。
「ブーニャン。姉妹って難しいものなのね」
「あの態度は妹なんかじゃない。
まるで敵のようね。
そのうえ人のことを豚呼ばわりするなんて。
憎たらしくて、しょうがないわ」
毛を逆立てて怒っているブーニャンにつられたのか、ダリアの姿がすっかり見えなくなっても怒気はおさまらない。
「ほんとそうだわ。
ブーニャンはね。
コロコロして、とても可愛いのよ。
そんなこともわからないなんて、目がくさってるんじゃないの」
仁王立ちして、胸の前で腕組みをする。
「そうよ。ローズの言うとおりよ」
ブーニャンは強く首を縦にふった。
「さあ、そろそろ部屋へもどりましょうか」
気分が落ちついてくると、ブーニャンを抱き上げる。
「四日後には大事なお茶会があるのよ。
準備にとりかからないとね」
ここから廊下をまっすぐ歩けば、玄関へゆく。
玄関前では左右に廊下がのびていた。
右の廊下のつきあたりには、庭園につながる扉がある。
私の部屋は、庭園の先につくられた農村の小さな家の中だ。
ーガチャリー
扉のノブを回す。
その瞬間、さっきのダリアの言葉が心の中で再生される。
『私の取り巻きじゃないけれど、確かに超優良物件ね。
教えてくれてありがとう。
ローズお姉様か』
なぜかザワザワと不安が胸をよぎった。
まさかね。
クレオは卒業してるし、ダリアとの接点は何もないはずだ。
弱気になっては駄目よ。
今度のお茶会で、きちんとクレオに気持ちを伝えるのよ。
ギイイと音とたてて閉まってゆく扉を後にして、まだ朝の気配が残る小道を進んでゆく。
次期生徒会長として、やっておかなければならない用事が多くて、お休みの日まで登校しないといけないの。
それに比べてお姉さまは気楽ね。
卒業してからは、何もせずにずーと屋敷でのんびりしているんだもん。
うらやましい限りだわ」
そう言って、ダリアは野苺のような唇をすぼめる。
肩のあたりまである縦に巻かれた金髪、形のいい眉、華奢なのにメリハリのある身体。
襟元や袖口に白いレースがあしらわれたクリーム色のドレスを着たダリヤは、まるでお人形のようだった。
「悪かったわね。
留学する頭もない。
結婚相手もいない。
なんにもない姉で」
華やかなダリヤに両手をギュツと握って、声をあらげる。
「ひどいわ。
そんな意味で言ったんじゃないのよ。
ひょっとしたらお姉さまったら、ひがんでいるのかしら」
「なんですって」
グイとダリアの前に足を一歩踏みだすと、ブーニャンが低い声で威嚇した。
「まあ。こわいわね。
主人が主人なら、使い魔も使い魔ね。
それにブーニャンは太り過ぎて、まるで
豚だわ。
お姉様も、少しは気をつけてあげなくっちゃ。
それとも、使い魔の姿には主人の魔力が反映されるって言うから、どうしようもないのかしらね。
フフフ。
じゃあ、そろそろ学園へ行ってくるわ」
言いたい放題言うと、ダリアはクルリと背をむけ玄関へ向かう。
玄関では、いつものように専属侍女や使用人達が待っているはずだ。
今日も皆に完璧な笑顔をむけて、ダリアは王族の豪華な馬車にのりこんでゆくのだろう。
誰から見ても、ダリアは完璧な王女様なのだ。
本当は腹黒のくせに。
それがどーしても歯がゆくて、ギュッと唇を一文字に結ぶ。
「ブーニャン。姉妹って難しいものなのね」
「あの態度は妹なんかじゃない。
まるで敵のようね。
そのうえ人のことを豚呼ばわりするなんて。
憎たらしくて、しょうがないわ」
毛を逆立てて怒っているブーニャンにつられたのか、ダリアの姿がすっかり見えなくなっても怒気はおさまらない。
「ほんとそうだわ。
ブーニャンはね。
コロコロして、とても可愛いのよ。
そんなこともわからないなんて、目がくさってるんじゃないの」
仁王立ちして、胸の前で腕組みをする。
「そうよ。ローズの言うとおりよ」
ブーニャンは強く首を縦にふった。
「さあ、そろそろ部屋へもどりましょうか」
気分が落ちついてくると、ブーニャンを抱き上げる。
「四日後には大事なお茶会があるのよ。
準備にとりかからないとね」
ここから廊下をまっすぐ歩けば、玄関へゆく。
玄関前では左右に廊下がのびていた。
右の廊下のつきあたりには、庭園につながる扉がある。
私の部屋は、庭園の先につくられた農村の小さな家の中だ。
ーガチャリー
扉のノブを回す。
その瞬間、さっきのダリアの言葉が心の中で再生される。
『私の取り巻きじゃないけれど、確かに超優良物件ね。
教えてくれてありがとう。
ローズお姉様か』
なぜかザワザワと不安が胸をよぎった。
まさかね。
クレオは卒業してるし、ダリアとの接点は何もないはずだ。
弱気になっては駄目よ。
今度のお茶会で、きちんとクレオに気持ちを伝えるのよ。
ギイイと音とたてて閉まってゆく扉を後にして、まだ朝の気配が残る小道を進んでゆく。
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