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1章 可愛いは無敵
1,突然の婚約破棄
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「私は今ここでオリビア公爵令嬢との婚約を破棄する!」
真っ青な顔をしたお父様に腕をひっぱられて、転げるように邸の玄関にたどりつくと王太子ががなり声をあげている。
私達の婚約が整ったのは私が5才、ヒョイ様が7才の時だった。
そして、それからの12年間。
私の生活はまさに灰色となる。
なぜかと言うと。
理由、その1
どんな時も自分の感情をグっと押し殺さないといけなかったから。
「王族は他者に本心をよまれてはなりません。常に微笑んでいるのです」と王太子妃教育で叩きこまれたからだ。
理由、その2
ヒョイ様が規格外のバカだったから。
大人になったヒョイ様はあちこちでバカの逸話を残していた。
そんな逸話の1つがこれよ。
ー貴族学園に入学して卒業するまで成績はずーとドンケツー
ソンタクした学園長がヒョイ様が卒業するまで順位をつけるのをやめようとしたが、第2王子派がそれに強く反対してできなかったという。
第2王子ジョイ様は兄と違って学園の成績は抜群に良かった。
私と同じ年のジョイ様はその頭脳をかわれて、現在は選ばれた者だけが入れる他国の大学に留学中だ。
いわゆる飛び級をしてね。
残念ながら、我が国の王族はジョイ様の他はカスばかりだ。
お父様の兄であるアトワール国王は1日中眠たそうな顔をして、ボーとしているし。
私のお父様のノワールシトロン公爵は博打と女遊びが命の遊び人だし。
あと隣国の王家から嫁いできた王妃様もまるでダメだった。
稀にみる恋愛体質で年がら年中、国内外の男と浮名を流しているのだから。
ここだけの話。
ジョイ様は側近の1人と王妃様の間にできた子供だという噂があるが、信憑性は高いと思う。
お父様はヒョイ様との婚約話がもちあがった時、「これで博打のツケがかえせる」と高笑いしてたっけ。
一体どれだけ盛大に負けているのか、って不安になるわ。
こんなお父様でも私にはたった1人の肉親だ。
本当のお母様は私が3才の時流行病で亡くなってしまった。
だから、私。
お父様の期待にこたえようと相当な我慢をしてきたつもりよ。それなのになぜこんな事になったのだろう。
「王太子様。
いきなりどうされたのですか。
はっきりした理由をお聞かせください」
静かな声をだした。
「こんな時でも顔色1つ変えないとは、やはりオマエは鉄仮面だな。
天才だとおだてられて調子にのっているのか?」
浅黒い肌の体育会系ヒョイ様は大きな瞳をギラりと光らせ、鋭い視線をこちらにむけた。
「誤解ですわ。
自分の事を天才だなんて思ったことは1度もありません」
1度聞いただけで授業内容が全部頭に入ってしまうので、学園に入学して以来ずーと成績はトップではあるが……。
その聡明さ(自分でいうのもなんだけど)をみこまれて、ハズレ王太子の婚約者に選ばれてしまったのだから、そこは喜ぶ所ではないのだ。
「そーか。わかった。
なら、お望みどうり正直に言ってやろう。
オマエは全くもって可愛くないからだ!」
まるで私が大罪を犯したようにヒョイ様はわめきちらし、その声が邸中にひびきわたる。
そして心配そうな顔をした使用人達がゾロゾロと玄関に集まってきた。
これから私の公開死刑が始まるのだろうか。
真っ青な顔をしたお父様に腕をひっぱられて、転げるように邸の玄関にたどりつくと王太子ががなり声をあげている。
私達の婚約が整ったのは私が5才、ヒョイ様が7才の時だった。
そして、それからの12年間。
私の生活はまさに灰色となる。
なぜかと言うと。
理由、その1
どんな時も自分の感情をグっと押し殺さないといけなかったから。
「王族は他者に本心をよまれてはなりません。常に微笑んでいるのです」と王太子妃教育で叩きこまれたからだ。
理由、その2
ヒョイ様が規格外のバカだったから。
大人になったヒョイ様はあちこちでバカの逸話を残していた。
そんな逸話の1つがこれよ。
ー貴族学園に入学して卒業するまで成績はずーとドンケツー
ソンタクした学園長がヒョイ様が卒業するまで順位をつけるのをやめようとしたが、第2王子派がそれに強く反対してできなかったという。
第2王子ジョイ様は兄と違って学園の成績は抜群に良かった。
私と同じ年のジョイ様はその頭脳をかわれて、現在は選ばれた者だけが入れる他国の大学に留学中だ。
いわゆる飛び級をしてね。
残念ながら、我が国の王族はジョイ様の他はカスばかりだ。
お父様の兄であるアトワール国王は1日中眠たそうな顔をして、ボーとしているし。
私のお父様のノワールシトロン公爵は博打と女遊びが命の遊び人だし。
あと隣国の王家から嫁いできた王妃様もまるでダメだった。
稀にみる恋愛体質で年がら年中、国内外の男と浮名を流しているのだから。
ここだけの話。
ジョイ様は側近の1人と王妃様の間にできた子供だという噂があるが、信憑性は高いと思う。
お父様はヒョイ様との婚約話がもちあがった時、「これで博打のツケがかえせる」と高笑いしてたっけ。
一体どれだけ盛大に負けているのか、って不安になるわ。
こんなお父様でも私にはたった1人の肉親だ。
本当のお母様は私が3才の時流行病で亡くなってしまった。
だから、私。
お父様の期待にこたえようと相当な我慢をしてきたつもりよ。それなのになぜこんな事になったのだろう。
「王太子様。
いきなりどうされたのですか。
はっきりした理由をお聞かせください」
静かな声をだした。
「こんな時でも顔色1つ変えないとは、やはりオマエは鉄仮面だな。
天才だとおだてられて調子にのっているのか?」
浅黒い肌の体育会系ヒョイ様は大きな瞳をギラりと光らせ、鋭い視線をこちらにむけた。
「誤解ですわ。
自分の事を天才だなんて思ったことは1度もありません」
1度聞いただけで授業内容が全部頭に入ってしまうので、学園に入学して以来ずーと成績はトップではあるが……。
その聡明さ(自分でいうのもなんだけど)をみこまれて、ハズレ王太子の婚約者に選ばれてしまったのだから、そこは喜ぶ所ではないのだ。
「そーか。わかった。
なら、お望みどうり正直に言ってやろう。
オマエは全くもって可愛くないからだ!」
まるで私が大罪を犯したようにヒョイ様はわめきちらし、その声が邸中にひびきわたる。
そして心配そうな顔をした使用人達がゾロゾロと玄関に集まってきた。
これから私の公開死刑が始まるのだろうか。
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