11 / 50
第二章 狩る者と狩られる者の探り合い
【第四話 約束】4-2 ひぇ……難しい……
しおりを挟む
『――ということでキョンキョン、私と取引しない?』
『……は?』
私の提案に、それまで険しい顔をしていたキョウはぽかんとした表情を浮かべた。うん、やっぱりこの顔可愛いな。と思っていたらすぐにまた難しい顔になってしまって、『どういうことだ』と低い声を出す。可愛くない。
『取引だよ、取引。私は効率良く上位種を捕まえたいんだけど、それには必要なことがあるんだ。で、その必要なことを満たそうとすると今度は効率を落とさなきゃいけなくて、はっきり言って非常に面倒臭い』
『……意味が分からないんだが』
まあそうだよね、抽象的にしか言ってないし。でも取引成立前に詳細を話すのも壱政様にバレたら怒られそうなので仕方ない。
『細かいことは後で話すよ。何が言いたいかと言うと、効率良く上位種を捕まえるために、私じゃできない必須事項をキョウにやってもらいたいの』
『変なことじゃないだろうな』
『それは大丈夫! 簡単な荷物運びみたいなものだから。その荷物も人間には一切害はないよ』
『そんな内容で対等な取引になるのか? アンタの使いっぱしりみたいな立場なら断る。そんなの知られたら恥でしかない』
『君の能力の高さの証明にならないから?』
私が問うと、キョウは動きを止めた。ああ、これは図星かな。カマをかけるというほどでもないけれど、なんとなく抱いていた彼の態度への違和感の正体を探ろうとして言ってみたのだ。さっきモロイを捕らえることによる手柄について話していたから、もしかして関係あるのかなと思って選んだ言葉は正解だったらしい。
とはいえ彼が素直にそのあたりを話してくれるとは思えない。一瞬だけ固まったキョウは小声で『……それもある』と言うと、ぐいっと眉間に皺を寄せ厳しい表情を作った。
『俺はハンターだ。ハンターが狩るべき相手の子分みたいなことできないだろ』
『確かにそうだね。なら一度お試しでやってみる? それで上位種を捕まえた時、キョンの満足行く内容じゃなかったら私一人で捕まえたってことにするから』
案の定話を逸らされたけれど、深追いするのはやめておいた。代わりに彼が受け入れやすい内容になるように提案し直せば、キョウは険しい顔のまま片方の口角だけにっと上げた。悪い顔だ、でも格好良いと思います。
『いいだろう。しょうもなかったら二度とやらないぞ』
§ § §
昨夜のやり取りを思い出して、荷物持ちは彼のお眼鏡にかなうだろうかと今更だけどちょっと不安になった。
キョウに持ってもらいたいのは対吸血鬼用の捕縛道具だ。これを持っていると私は影になれないから、相手がそうして逃げてしまったら追いかけることができない。だから彼に持っておいて欲しいのだ。重さは大したことないけれど、そのせいでキョウは自分が上位種の捕縛に貢献したと思えないかもしれない。
でも使いっぱしりだと思われなければまだ望みはあるのかな? うーん、よく分かんないや。
「手枷を持たせることがそいつの手柄になるのか?」
考え込んでいたら壱政様が呆れたように笑った。あ、もしかして客観的に見たらこれ駄目そうなのかな。
「でも人間じゃそれくらいしかできなくないです? あれ、でも壱政様って人間のままで戦争参加したんでしたっけ」
戦争というのは百年前までやっていた吸血鬼同士の争いのことだ。あまり壱政様の人間時代には詳しくないけれど、確か彼は人間のままで吸血鬼を相手取って立ち回っていたと小耳に挟んだことがある。うん、化け物かな?
「ああ。だがあれは参加したというよりどうにか生き残っただけだ。周りは興奮状態で冷静さを失った連中だったのも助かった。だからまあ、人間でも相手が侮って油断している間なら一太刀くらいは入れられるぞ」
「……壱政様自身は舐めている人間からの不意打ち食らうと思います?」
「お前は人間の頃、俺への奇襲を成功させたことがあったか?」
ないです。訓練がてら常に狙えって言われて数え切れないくらい狙ったけど一度も成功したことがなかったです。
っていうか壱政様、私のこと舐めてたのか。……うん、全く意外じゃない。むしろ評価していたと言われた方がびっくりする。
「俺のことはともかく、そんな手練はこの辺にはいないだろ。年若い奴なら尚更だ、ハンターほどの能力があれば狙えるかもしれない」
「つまり荷物持ち以外もさせた方がいいってことですか?」
「そいつに実力があればな。荷物持ちが妥当かどうか自分で分かるなら、お前への信用がなくなるぞ」
「……私が相手によって行動を変えるべきだと」
「それが誰かと手を組むということだ。お前ばかりが得をしているように見えれば取引は成立しない」
「ひぇ……難しい……」
私は人間と手を組むなんて今回が初めてた。吸血鬼同士でだって、基本的に周りの方が年上だから結構甘やかされてきた自覚もある。
だから私の方が相手の力量等々を推し量って振る舞いを変えるというのはあまりしたことがないし、私自身のためじゃなくて相手のためにそれをしなければならないというのなんて初めての状況だ。しかもキョウは妙に鋭い上にこじらせた面倒臭い子だから、失敗すると後が大変そう。
なんてことを考えながらうーんと唸っていると、「一葉」と私を呼ぶ壱政様の声が聞こえてきた。
「なんですか?」
「あまりそいつに肩入れするなよ」
「え? してませんよ?」
何を言ってるんだろうと思っていたら、壱政様が大きな溜息を吐いた。
「してるだろ。別にお前一人で仕事したって何も問題はないはずだ。それなのに二人で仕事を続けようとしているし、どうにか相手のメリットまで提示しようとしているのは肩入れ以外何がある?」
「……あ、ほんとだ」
「馬鹿」
壱政様の言うとおりだ。キョウとバディを組むことは元々の協定に含まれていないのだから、私がそれを受け入れる必要はない。
私の顔を知らないハンターとの面倒事を避けるという意味では、短期間だけキョウと行動してその後は単独行動に戻っても何ら問題はないのだ。個人的にあの顔を近くで拝んでいたいという下心はあるけれど、だからと言ってキョウの満足度を高めてあげる必要だってない。あれ? 私なんで肩入れしてるの?
と思って壱政様を見てみれば、俺に聞くなと言わんばかりに冷たい視線を返された。辛い。
「何にせよ、慣れないことをしてお前自身がやられるなり技術を盗まれるなりしたら俺がお前にトドメを刺してやる」
「そこは尻拭いするとこじゃ……」
「尻拭いは自分でしろ。だが介錯は自分じゃできないだろ」
「ひっ……そんなんだから切腹が趣味って言われるんですよ!」
「お前も趣味にしてみるか?」
「無理!!」
あれ、これ壱政様怒ってるな? 子供の頃から壱政様の顔色を見て生きてきたからそのへんの感度は高いんだ。あ、顔色見るって言っても窺うわけじゃないよ。自分に対して怒ってるんじゃなければ安全だからね。壱政様は善悪観念ぶっ壊れ気味だけど、元々が立派な人だから八つ当たりはしないんだ。
で、本題だ。壱政様は怒っている。ぶった斬るほどではないけどじわじわ怒っている。なんでかなと考えてみたら、心当たりしかなくてちょっと泣きたくなった。
「えっと……お忙しいところ私めの都合のせいでお手間をおかけしてしまいまして大変申し訳ございません?」
「聞くな。その謝罪も行動が伴わなければ相手を騙すのと同じだぞ。――俺を謀るなよ、一葉」
つまり次はないということだ。私の手足、いつまで無事でいられるかな……。
『……は?』
私の提案に、それまで険しい顔をしていたキョウはぽかんとした表情を浮かべた。うん、やっぱりこの顔可愛いな。と思っていたらすぐにまた難しい顔になってしまって、『どういうことだ』と低い声を出す。可愛くない。
『取引だよ、取引。私は効率良く上位種を捕まえたいんだけど、それには必要なことがあるんだ。で、その必要なことを満たそうとすると今度は効率を落とさなきゃいけなくて、はっきり言って非常に面倒臭い』
『……意味が分からないんだが』
まあそうだよね、抽象的にしか言ってないし。でも取引成立前に詳細を話すのも壱政様にバレたら怒られそうなので仕方ない。
『細かいことは後で話すよ。何が言いたいかと言うと、効率良く上位種を捕まえるために、私じゃできない必須事項をキョウにやってもらいたいの』
『変なことじゃないだろうな』
『それは大丈夫! 簡単な荷物運びみたいなものだから。その荷物も人間には一切害はないよ』
『そんな内容で対等な取引になるのか? アンタの使いっぱしりみたいな立場なら断る。そんなの知られたら恥でしかない』
『君の能力の高さの証明にならないから?』
私が問うと、キョウは動きを止めた。ああ、これは図星かな。カマをかけるというほどでもないけれど、なんとなく抱いていた彼の態度への違和感の正体を探ろうとして言ってみたのだ。さっきモロイを捕らえることによる手柄について話していたから、もしかして関係あるのかなと思って選んだ言葉は正解だったらしい。
とはいえ彼が素直にそのあたりを話してくれるとは思えない。一瞬だけ固まったキョウは小声で『……それもある』と言うと、ぐいっと眉間に皺を寄せ厳しい表情を作った。
『俺はハンターだ。ハンターが狩るべき相手の子分みたいなことできないだろ』
『確かにそうだね。なら一度お試しでやってみる? それで上位種を捕まえた時、キョンの満足行く内容じゃなかったら私一人で捕まえたってことにするから』
案の定話を逸らされたけれど、深追いするのはやめておいた。代わりに彼が受け入れやすい内容になるように提案し直せば、キョウは険しい顔のまま片方の口角だけにっと上げた。悪い顔だ、でも格好良いと思います。
『いいだろう。しょうもなかったら二度とやらないぞ』
§ § §
昨夜のやり取りを思い出して、荷物持ちは彼のお眼鏡にかなうだろうかと今更だけどちょっと不安になった。
キョウに持ってもらいたいのは対吸血鬼用の捕縛道具だ。これを持っていると私は影になれないから、相手がそうして逃げてしまったら追いかけることができない。だから彼に持っておいて欲しいのだ。重さは大したことないけれど、そのせいでキョウは自分が上位種の捕縛に貢献したと思えないかもしれない。
でも使いっぱしりだと思われなければまだ望みはあるのかな? うーん、よく分かんないや。
「手枷を持たせることがそいつの手柄になるのか?」
考え込んでいたら壱政様が呆れたように笑った。あ、もしかして客観的に見たらこれ駄目そうなのかな。
「でも人間じゃそれくらいしかできなくないです? あれ、でも壱政様って人間のままで戦争参加したんでしたっけ」
戦争というのは百年前までやっていた吸血鬼同士の争いのことだ。あまり壱政様の人間時代には詳しくないけれど、確か彼は人間のままで吸血鬼を相手取って立ち回っていたと小耳に挟んだことがある。うん、化け物かな?
「ああ。だがあれは参加したというよりどうにか生き残っただけだ。周りは興奮状態で冷静さを失った連中だったのも助かった。だからまあ、人間でも相手が侮って油断している間なら一太刀くらいは入れられるぞ」
「……壱政様自身は舐めている人間からの不意打ち食らうと思います?」
「お前は人間の頃、俺への奇襲を成功させたことがあったか?」
ないです。訓練がてら常に狙えって言われて数え切れないくらい狙ったけど一度も成功したことがなかったです。
っていうか壱政様、私のこと舐めてたのか。……うん、全く意外じゃない。むしろ評価していたと言われた方がびっくりする。
「俺のことはともかく、そんな手練はこの辺にはいないだろ。年若い奴なら尚更だ、ハンターほどの能力があれば狙えるかもしれない」
「つまり荷物持ち以外もさせた方がいいってことですか?」
「そいつに実力があればな。荷物持ちが妥当かどうか自分で分かるなら、お前への信用がなくなるぞ」
「……私が相手によって行動を変えるべきだと」
「それが誰かと手を組むということだ。お前ばかりが得をしているように見えれば取引は成立しない」
「ひぇ……難しい……」
私は人間と手を組むなんて今回が初めてた。吸血鬼同士でだって、基本的に周りの方が年上だから結構甘やかされてきた自覚もある。
だから私の方が相手の力量等々を推し量って振る舞いを変えるというのはあまりしたことがないし、私自身のためじゃなくて相手のためにそれをしなければならないというのなんて初めての状況だ。しかもキョウは妙に鋭い上にこじらせた面倒臭い子だから、失敗すると後が大変そう。
なんてことを考えながらうーんと唸っていると、「一葉」と私を呼ぶ壱政様の声が聞こえてきた。
「なんですか?」
「あまりそいつに肩入れするなよ」
「え? してませんよ?」
何を言ってるんだろうと思っていたら、壱政様が大きな溜息を吐いた。
「してるだろ。別にお前一人で仕事したって何も問題はないはずだ。それなのに二人で仕事を続けようとしているし、どうにか相手のメリットまで提示しようとしているのは肩入れ以外何がある?」
「……あ、ほんとだ」
「馬鹿」
壱政様の言うとおりだ。キョウとバディを組むことは元々の協定に含まれていないのだから、私がそれを受け入れる必要はない。
私の顔を知らないハンターとの面倒事を避けるという意味では、短期間だけキョウと行動してその後は単独行動に戻っても何ら問題はないのだ。個人的にあの顔を近くで拝んでいたいという下心はあるけれど、だからと言ってキョウの満足度を高めてあげる必要だってない。あれ? 私なんで肩入れしてるの?
と思って壱政様を見てみれば、俺に聞くなと言わんばかりに冷たい視線を返された。辛い。
「何にせよ、慣れないことをしてお前自身がやられるなり技術を盗まれるなりしたら俺がお前にトドメを刺してやる」
「そこは尻拭いするとこじゃ……」
「尻拭いは自分でしろ。だが介錯は自分じゃできないだろ」
「ひっ……そんなんだから切腹が趣味って言われるんですよ!」
「お前も趣味にしてみるか?」
「無理!!」
あれ、これ壱政様怒ってるな? 子供の頃から壱政様の顔色を見て生きてきたからそのへんの感度は高いんだ。あ、顔色見るって言っても窺うわけじゃないよ。自分に対して怒ってるんじゃなければ安全だからね。壱政様は善悪観念ぶっ壊れ気味だけど、元々が立派な人だから八つ当たりはしないんだ。
で、本題だ。壱政様は怒っている。ぶった斬るほどではないけどじわじわ怒っている。なんでかなと考えてみたら、心当たりしかなくてちょっと泣きたくなった。
「えっと……お忙しいところ私めの都合のせいでお手間をおかけしてしまいまして大変申し訳ございません?」
「聞くな。その謝罪も行動が伴わなければ相手を騙すのと同じだぞ。――俺を謀るなよ、一葉」
つまり次はないということだ。私の手足、いつまで無事でいられるかな……。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
〜仕事も恋愛もハードモード!?〜 ON/OFF♡オフィスワーカー
i.q
恋愛
切り替えギャップ鬼上司に翻弄されちゃうオフィスラブ☆
最悪な失恋をした主人公とONとOFFの切り替えが激しい鬼上司のオフィスラブストーリー♡
バリバリのキャリアウーマン街道一直線の爽やか属性女子【川瀬 陸】。そんな陸は突然彼氏から呼び出される。出向いた先には……彼氏と見知らぬ女が!? 酷い失恋をした陸。しかし、同じ職場の鬼課長の【榊】は失恋なんてお構いなし。傷が乾かぬうちに仕事はスーパーハードモード。その上、この鬼課長は————。
数年前に執筆して他サイトに投稿してあったお話(別タイトル。本文軽い修正あり)
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる