アザー・ハーフ

新菜いに/丹㑚仁戻

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第十二章 本当の姿

49. 近付く真実

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「――……朔さん?」

 目の前に現れた朔を見て、蒼の全身から一気に力が抜けた。レオニードからは涼介に殺されるかもしれないと聞いていたのだ。そんな彼が無事な姿で現れたことで、口からは大きな息がゆっくりと漏れ出ていく。

 しかし安堵する一方で、蒼は朔の目を上手く見ることができなかった。自分は彼の敵と手を組んでしまったのだという罪悪感が、胸の中に燻っていた。

 ――それもよりにもよってレオニードと……。

 朔の今までの話に嘘がないとすれば、彼にとっては復讐相手だ。最近は名前を出すくらいなら平気そうだったが、かつてレオニードが全ての元凶だと気付いた時の朔の動揺を思うと、自分はとんでもないことをしてしまったのだと思わずにはいられない。

 そして何よりも、レオニードに聞かされた朔の素性が頭の中にちらついていた。
 レオニードにとって朔は身内である――それがもし事実であった場合、朔はそれを知っていたのか、知らなかったのか。状況によっては彼との今までのやり取りは一気に信憑性を失ってしまうことになる。少しずつ積み上げてきた関係性が崩れてしまいそうな不安が、心の奥で渦巻いていた。
 しかし――。

「……無事か」

 その瞬間、蒼の中にあった暗い気持ちはどこかへと消え去った。朔の表情は未だ硬いが、口元には薄っすらとぎこちない笑みを浮かべている。苦笑とも取れそうな表情だったが、だからこそ蒼にはそれが本物だと分かった。そして同時に込み上げてきた熱い何かが、胸にあった不安や後ろめたさを追い払っていた。

「……ご心配、おかけしました」
「心配じゃなくて面倒をかけてんだよ」

 思い切り顔を顰めて朔は吐き捨てるように言ったものの、その声はどこか柔らかい。いつもどおりの彼の表情に蒼の胸は軽くなったが、すぐに先程忘れたばかりの今の状況を思い出し、すっと顔を曇らせた。

「涼介さんは?」
「三階に行った。ここって、談話室か……?」

 怪訝な表情で朔が部屋を見渡すが、蒼にはその意味が分からなかった。欧米の文化に明るくない蒼でも談話室だと言われればそう思えるが、朔が一体何を気にしているのか見当も付かない。

 そのまま朔の話を聞きたかったが、蒼はレオニードとのやり取りを思い出しきゅっと唇を引き締めた。まずは彼に言われたことをしなければならない。それをすればたとえ涼介が朔に何かしようとしても、レオニードが守ってくれるはずだからだ。本当かどうかは信じるしかないが、本当に守ってくれる気があるのであれば、蒼が今優先すべきは彼の指示に従うこと。それに蒼がやれと言われていることは、特に難しいことではない。
 ただ、朔に伝えろと言われているのだ――涼介とレオニードの関係を。

「朔さん」
「あ?」
「実は……涼介さん、レオニードに脅されてたわけじゃないみたいです」
「……奴がそう言ったのか?」

 朔の声色に怒りが滲んだのを感じ、蒼は身を強張らせた。この反応は想定していたとはいえ、実際に目の前にすると身の竦む思いがする。
 朔にとって涼介は信頼している人物なのだ。蒼の言葉はそんな相手が朔に対し嘘を吐いていることを表すもので、しかもその根拠は彼にとって憎むべき相手の発言とくれば腹を立てるのは当たり前のこと。
 何故レオニードなんかの言葉を信じるんだ――そんな怒声が聞こえてきてもおかしくないと思いながら、蒼は朔の質問にこくんと小さく頷いた。

「……どうして信じる気になった?」
「え?」
「『え?』じゃねぇよ。奴の言葉を信じるってことは、何か理由があるんだろ?」
「あ……えっと、電話を……」
「電話?」
「涼介さんとレオニードの電話の話を、ずっと聞いていて、それで……」

 蒼が言い淀むと、朔はガシガシと頭を掻きながら「あれか……」と小さく呟いた。

 てっきり朔の怒りを買うかと思っていた蒼は、思っていたのとは全く異なる彼の反応に戸惑っていた。
 しかし同時に、胸の奥が暖かくなるのを感じる。頭ごなしに怒りをぶつけられるのではなく、朔は蒼に理由を聞いた。それは彼が、蒼は理由もなしにレオニードの話を信じる人間ではないと思っているということだ。自分も少なからず朔に信頼してもらえている――蒼は自分の頬が緩むのが分かった。

 そんな蒼の一方で、朔はまた一つ涼介に対する疑いが増えたことに眉間の皺を深くしていた。ゲオルギーが朔の名前を知っていた件に、この部屋のこと。どう見ても空き部屋には見えないこの部屋を、あの状況で涼介が三階の別の部屋と勘違いするとは思えない。更にたった今蒼から告げられたレオニードとの関係――かつて裏切られた時のことを思い出さざるを得ない状況に、朔は舌打ちしそうになるのをぐっとこらえた。

「あの……」
「あ?」
「朔さんって、レオニードとは知り合いではないんですよね?」
「何だよ、今更」
「いや、知らないならいいんです」

 煮え切らない蒼の態度に朔は訝しげな表情を浮かべたが、すぐに思い当たることがあり口を開いた。

「奴が俺の名前でも知ってたのか?」
「なんでそれを……」
「ちょっとな」

 涼介の言葉は、レオニードが朔の存在自体を知らないという意味ではないかもしれない――蒼の言葉により肯定されたそれに、朔は溜息を吐いた。
 だとすればレオニードが知らないのは、朔が生き残っているということだけだ。何故勘違いさせるような曖昧な言い方をしたのか――朔は不思議に思ったが、それを聞きたい人物は今ここにはいない。

「朔さんって、レオニードと身内なんですか?」
「はぁ?」

 突然投げかけられた質問に朔は思わず素っ頓狂な声を上げた。その意図を探ろうと蒼を見れば、当の本人は何故か安心したような表情を浮かべている。

「いや、うん、いいんです」

 蒼は朔の反応を見て、彼が自分とレオニードとの関係を知らないのだと確信した。ならばもう迷うことはない。彼らの関係性がどうであれ、朔が自分を騙していたわけではないということが分かったのだ。それだけで蒼には十分だった。

「一人で納得してんじゃねぇよ。何なんだよ、身内って」

 不機嫌そうな朔の声も、今の蒼にとっては安心するものでしかない。

「――身内は身内だろ?」

 突然廊下の方から聞こえてきた第三者の声に、蒼と朔の動きが止まる。表情を固める蒼とは違い、朔は咄嗟に振り返って相手と対峙した。

「……レオニードか」
「初めまして?」

 朔は相手がレオニードだと気付いた瞬間、自分の身体がまるで金縛りにでも遭ったかのように動かなくなるのを感じていた。身体の中から湧き上がった怒りは今すぐにでも朔をレオニードに殴りかからせようとしていたが、何かがそれを引き止めている。その何かとは全く知らないものではなく、自分が目を背けようとしているもの――思わず直視しそうになるそれから目を逸らすため、朔はどうにか怒りを抑えて冷静でいようと努めていた。

 朔のそんな心情など知りもしない蒼は、どこか似た雰囲気を持つ二人を複雑な気持ちで見ていた。身体に緊張を纏う朔の一方で、レオニードは全く警戒した様子がない。ニヤニヤと相変わらず厭らしい笑みを浮かべながら朔を見ている彼は、この状況を楽しんですらいるようだった。

「……身内ってどういう意味だ?」

 いつもよりも声のトーンをいくらか落として朔が尋ねる。それは緊張や威嚇ではなく、彼の中にあるレオニードに対する感情を極力押さえつけた結果だということが蒼には分かった。

 そんな朔を揶揄からかうかのように、レオニードは軽い調子で口を開く。

「お前どうやって島から出た?」
「あ?」
「いいから言ってみろよ」

 自分の質問とは全く関係のない相手の言葉に朔は眉を顰めたが、目の前の人物は発言を取り下げる気はなさそうだった。なんでそんなことを答えなければならない――その不満をどうにか飲み込んで、最終的に自分の質問の答えが返ってくればいいと言い聞かせながら、朔は渋々と言った様子で答えを口にした。

「たまたま島に来てた奴がいたんだよ。そいつに本土まで乗せてもらった」

 朔の返答に違和感を覚えたのは蒼だった。何故なら本土から振礼島へ行く手段はないのだ。乗せてもらったということは船か、飛行機ということもあるかもしれない。どちらにせよ、本土から振礼島へと運行しているという話は聞いたことがなかった。蒼が調べきれなかっただけかもしれないが、そもそも情報規制をされた後で偶然島に行く人間などいるのだろうか。

 朔の言葉に眉を寄せた蒼とは違い、レオニードはニヤリと笑みを深くしていた。

「たまたま、ねぇ。本当に偶然だと思うか?」
「何が言いたいんだよ」
「恐らく、そいつはお前を迎えに行ったんだ」
「……は?」

 全く理解できないとばかりに顔を顰める朔と同様に、蒼もまたレオニードの言葉の意味を測りかねていた。
 迎えに行く――それは、その人物が朔が生きていることを事前に知っていたということだ。更に朔自身が、島の外から迎えが来るような存在だということでもある。朔はそれまで振礼島を出たことがなかったはずだ。そうなると彼を迎えに行こうと考える人間が本土側にいるとは考えづらい。
 自分の発した言葉についていけていない様子の蒼や朔を気にすることもなく、レオニードは思いついたかのように言葉を続ける。

「あぁ、お前が自力で島を出たんじゃないとすると、十人目はあいつだろうな。じゃなきゃお前に迎えが行くはずがない。運が良かったなぁ、優しい姉がいて」
「……何言ってんだ? お前」

 朔にはレオニードの言葉が全く理解できていなかった。自分が偶然島を出られたわけではないということもそうだが、あの時自分を本土まで連れて行った人間が迎えだというのも理解できない。何故なら、朔とその人物は初対面だったのだ。初対面の人間が自分を迎えに来る――そんなことは普通に考えてまず有り得ない。

 その上、レオニードの口から発せられた姉という言葉。朔はずっと母親である華と二人で暮らしていたのだ。姉なんてその存在すら聞かされたことはないし、十六歳で自分を生んだという華の年齢を考えても彼女に自分より年上の子供がいるとは思えない。更にレオニードの口振りからすると、その姉というのが存在が不明だった十人目だという。
 考えが追いつかないことが多すぎて朔が戸惑っていると、レオニードは一人で合点がいったといった様子で頷いていた。

「あいつが生き残ってたなら、全て説明がつくな。妙に島への規制が早かったのも、普通に生き残った連中がどこにも見当たらなかったのも、全部あいつの仕業ってわけだ」
「おい、一人でぶつぶつ言ってんじゃ――」
「やっぱり、お前をここに呼んでよかった」
「何を……」

 ――それ以上言わないで……。

 やっと朔に視線を合わせたレオニードの表情を見て、蒼は思わずそう懇願したくなった。その顔は蒼が今まで見た彼の表情のどれよりも、嫌な雰囲気を感じさせる笑みだったのだ。そう感じるのは、蒼の中にレオニードの言葉の続きが浮かんでいたからかもしれない。

「我らが親父殿はお前のことは大事にしたいらしい。ってことは、お前をリョウスケから守ってやったと言えば、俺のしたちょっとした悪戯も許されるってわけだ」
「親父って……」

 朔の表情がより一層険しくなる。それを全く気にする素振りも見せず、レオニードは愉しそうに笑みを濃くした。

「俺たちは父親が同じってことだ、兄弟」


 § § §

 三階を抜け出した涼介は地下へと下りて来ていた。以前レオニードの仲間二名が死んで以来、入ることのなかった場所だ。

 地下にはいくつか部屋があったが、涼介は迷わず最奥へと進む。向かう先にあるのは防音室。涼介は防音室の前までやって来ると、手を扉に差し入れて鍵を開けた。このタイミングで中からの音が聞こえれば人がいるかどうか確認できたかもしれないが、防音室という部屋の構造上無理がある。涼介は鍵の空いた扉を開け、中へと入った。

「なんだ、ここにいたのか」

 部屋の奥で小さく縮こまっているのは、この家の主だった。
 涼介は扉を閉めると、家主へと歩み寄る。その気配に気が付いた家主は、絶望と希望の入り混じった視線を彼に向けた。

「聞きたいことがあるんだ」
「聞きたいこと……?」

 家主が涼介に対してそこまで怯えた様子を見せないのは、涼介が拷問に関与しているところを見たことがないからだろう。実際、涼介はレオニードの実験には付き合っていない。その上彼の纏う雰囲気は人好きするもので、異常な外国人ばかりがいる環境で好感の持てる日本人というのは、それだけで心を許してしまいそうなくらい、この哀れな男にとっては安心できるものだった。

「レオニードがさ、聖杯を持ってると思うんだよ」
「聖杯?」
「金色のワイングラスみたいなやつ。見たこと無い?」
「な、ないです……」

 涼介の期待に応えられないからだろうか。家主は先程よりも緊張を強くすると、声を震わせながらそう答えた。

「じゃあ、この屋敷でいい感じの隠し場所とかある?」

 続いた質問に、それならと言った様子で家主の表情が少しばかり明るくなる。この異常な状況から助けてくれるとしたら目の前にいる日本人しかいないのだ。彼の要望に応えられれば、助けてもらえる可能性が高くなるかもしれない。

「二階の私の書斎に金庫があります」
「書斎か」

 涼介は家主の言葉を繰り返しながら、優しくにっこりと微笑む。好意的なその表情は、自分の答えが間違っていなかったのだと家主に思わせるものだった。
 これで助かる――ここから出してくれと、口を開こうとした。

「そこ、もう確認済みなんだよね」
「そんな――」

 家主の言葉は小さな呻き声に変わり、最後まで紡がれることはなかった。

「……本人に聞くしかないか」

 涼介は動かなくなった家主の身体からナイフを抜き取ると、その部屋を後にした。


 § § §

「ちょっと待って」

 エレナは扉に耳を当てながら、人差し指を自身の口元に当てた。廊下を歩く足音が別の扉の閉まる音と共に止むのを確認すると、真剣な表情で自分の様子を窺う輪島に目を向ける。

「本当に、いいのね?」
「大丈夫。その代わり、俺がダメだったらエレナちゃんだけでも行って」

 にっこりと笑う輪島を見ながら、エレナは顔を歪めた。そんなことできるはずない――そう言いたかったが、それを言ってしまうと押し問答が始まってしまうことは分かりきっていた。

「……行くわよ」

 ぎゅっと輪島の手を強く握って、エレナは廊下に向かって扉のへと入っていった。


 § § §

 『俺たちは父親が同じってことだ』

 レオニードのその言葉に、蒼は嫌な予感が的中してしまったと顔を歪めていた。蒼から見て朔とレオニードの容姿はあまり似ていない。だがレオニードの瞳の色と時折見せる仕草だけは、蒼に朔のことを思い出させるもの――たったそれだけでも、二人の間に何かしらの共通点があるのだと考えずにはいられないものだった。

「……意味分かんねぇこと言ってんじゃねぇよ」
「そうか? アオは納得してそうな顔してるぞ?」

 朔は蒼を一瞥し、彼女のその表情に少しだけ眉間に皺を寄せた。朔にとってレオニードの言葉は信用できるものではなかったし、自分ではレオニードと似ているかどうかなど分からない。だが蒼の表情は、自分達に似ている要素があるのだと、自分が憎い相手と本当に血縁関係にあるのかもしれないと朔に思わせていた。そのことに少しばかり気分が悪くなった朔だったが、小さく息を吐いて自分を落ち着かせる。

 関係ないのだ。自分とレオニードの関係がどうであれ、それで過去に起こったことが変わるわけではない。

 朔の険しい表情を見て、「あ……私は……」と蒼が言いづらそうに口を開こうとしたが、朔は制止するように目配せすると、レオニードへと視線を戻した。

「――知るか。大体、仮にお前と俺の血が繋がってようがお前がやったことに変わりはねぇだろ」
「俺のやったこと?」
「とぼけんじゃねぇよ。変な儀式とやらで島をぶっ壊したじゃねぇか!」
「ああ、あれな。あれは事故みたいなものだ」

 事も無げに笑うレオニードの姿を見て、朔の中に抑え込んでいた怒りが再び湧き上がった。心の中で少しだけ期待していたのだ――レオニードがあの日のことを後悔していると。なのに目の前の男は後悔どころか、恐らく気にも留めていない。
 それが朔の感情を逆撫でしていた。腕や顔に感じる痛みは彼のその気持ちを表しているかのようで、先程彼を引き止めていた何かはもう、その役割を果たせそうになかった。

「俺はあれが本物だと知らなかったんだ。これを事故と言わず何と言うんだ?」
「ふざけんじゃねぇ!」

 その瞬間、朔は何も考えずにレオニードに飛びかかっていた。振り上げた拳が捉えたその顔面がすぐに笑みを浮かべるのも、彼から更に思考を奪っていく。

「朔さん!」

 明らかに冷静さを欠いた様子でレオニードへと向かっていった朔に、蒼が悲鳴のような声を上げた。しかし部屋の外へと消えていった彼らの上げる鈍い物音が止む気配はない。廊下の壁や床に何度もぶつかるような音と共に時折聞こえるくぐもった声は、一体どちらのものだろうか。

 自分が行って何かできるのか――自身の震える手に気付いて、蒼がぐっと唇を噛み締めた。確かにあれだけ自分と体格が異なる二人の間に入ったところで、何もできないだろう。しかし、そのうち一人は自分を助けに来てくれたのだ。今の行動の理由が自分とは関係のない彼の私怨だとしても、彼はここまで助けに来てくれたじゃないか――蒼がぎゅっと拳を握り、震えを無理矢理止めようとした時だった。

 ドンッ! ――何かが落ちるような、鈍い衝撃音が響いた。
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