7 / 401
第1章 英雄と竜帝
第7話 勇者、反撃する。
しおりを挟む
「おのれ、どこへ行った?」
男は戸惑っていた。先程まで狙っていた自分の獲物を見失ってしまったのである。一度は相手に矢を当てたとはいえ、かすり傷程度であることはわかっていたので、まだ死んではいないという確信はあった。
相手が物陰に隠れようとしたところを狙って以降、姿が見えない。草木や岩等が障害となって非常に見通しの悪い場所ではあったが、長年の経験のある彼が獲物をを見失ってしまったことは屈辱的であった。あんな素人臭い男を討ち漏らしたとあっては、あのお方に面目が立たない。なんとしてでも、探しだして始末しなければならない。そして始末するだけではなく、例のものも回収しなくてはならない。
とりあえずは見失った地点を調べなければいけない。いなくとも、手がかりはなにかあるはずだ。接近戦に備え、手にしていた弓をしまい短剣を取り出す。慎重にゆっくりと接近していった。接近していくに従って、草木に隠れていた相手の姿が少しずつ見えてきた。転倒している、その場に倒れてしまったことが功を奏し、運良く隠れてしまっていたというわけだ。だが気を失っているのかピクリとも動かない。
「悪運の強い奴め!」
男は悪態をつくと、さらに自分の獲物の所まで間合いを詰めていった。あと少しで止めをさせそうな距離まで辿り着いた。
「勇者とはいえ、呆気ないものだな。」
勝利を確信し、止めを刺すため短剣を構え直した。
「悪いが死んでもらう!」
短剣を相手に突きつけようとしたそのとき、その姿はその場から消え失せていた。
「……な、何!」
一瞬の出来事に、何が起きたのか理解が出来ないまま呆気にとられていた。
「戦技一0八計が一つ、空隙の陣!」
背後から突然、声が聞こえた。男は慌てて振り向く。先程まで目の前の地面に倒れていた相手が剣を構え、そこにいるではないか!
「バカな!いつの間に!」
そして、男は手元に違和感を感じ、そこに目線を移した。その瞬間、短剣の刃が根本の近くから折れていった。そのまま折れた刃先は地面へと突き刺さる。
「死んだふりとはふざけた真似をしおって!」
折れた短剣を放り投げつつ、悪態をつく。男にとってはかなり屈辱であった。狙う側のはずが逆に相手に騙され、狙われるとは!
「いや~、死んだふりじゃないんだなこれが。あんたの殺気が強すぎただけさ。ついついめが覚めちまったよ。すまんな。危うく死ぬところだったわ。」
目の前の男は飄々とした態度でニヤリと笑う。
「……かくなる上は!」
男は先程まで短剣を持っていた手を自らの懐へと入れた。
「これならばどうだ!」
手に取った何かをロアの顔へと投げつけた。とっさのことだったため、ロアはまともにそれを食らってしまう。
「ぐわっ!目、目がああ!」
目潰しの砂である。男は奥の手として懐にいつも用意してあった。
「目が見えなくてはさすがに貴様もなにもできまい!」
男は得意気に言いながら、しまいこんだ弓を手に取りつつ後方へと飛び退いた。矢をつがえ、狙いを定めつつ言い放った。
「このまま死ねい!」
矢を放とうとしたと瞬間、その声が聞こえてきた。
「戦技一0八計が一つ!落鳳波!」
そのとき何か体に衝撃を受けたような気がした。気にせずそのまま矢を放とうとしたが、何故か、視界が次第に上を向いていく。
「……何?いったい何が起こった!」
そのまま視界が上へと向くと同時に、下に落ちていくような感覚があった。そして驚くべきことに自分の体がそこにはあった。理解できなかった。何が起こったのか。しかし良く見ると自分の体にはあるはずのものがなかった。
「何!く、首がない!」
その瞬間自分の首が落とされたということに気付いた。彼はそのまま意識を失った。絶命したのである。
「だから言ったろ?殺気が強すぎるってな!」
ロアは自らの剣を鞘に納めつつ、そう言った。
――戦技一0八計、落鳳波。この技は離れた相手に斬撃を飛ばす技である。落鳳、つまり鳳をも落とすという意味合いであり、相手が離れていようが、空を飛んでいようが、問答無用で落とす技として恐れられている。
今回の場合は相手の首を落とすことになってしまったのだが。この技は空隙の陣との親和性も高く、遠くから狙撃したつもりが、逆にやり返されるといったことになるのである。ロアの祖国ではある程度はしられている技なので、流派梁山泊の人間を相手にする場合はこの技を警戒するのである。だが生憎、この国には流派梁山泊の知識はほぼないといっていいため、相手も知る由などなかったのである。
「破門になったとはいえ、今まで身に付けてきた技に助けられるなんてな。どこで何が役に立つかわからないもんだな。」
一人感心しながら、暗くなり始めた山中を戻り始めた。
「ずいぶんと遅かったな。一体何をしてたんだ?」
訝しげにファルは問う。
「いや、まあ途中で迷ってしまって。」
まさか刺客に襲われた等とは言えない。狙われている理由からしてクルセイダーズの二人にも伏せているので、余計に言えない。
「あんた、水がなんとかっていってなかったっけ?」
ジュリアが相変わらず痛いところを突いてくる。襲われたこともそうだが、その前に討伐対から逃げようとしたことなんて、言えるはずがない。刺客を撃ったあとも逃亡の意思はあったものの、夜の山中は危険であると思い直したことと、そして何より、空腹にはさすがに勝てはしなかった。荷物を野営地に置いたままにしたのが誤算だった。だが、最も荷物を持ったまま立ち去ったとしても、怪しまれるだけなのだが。
「結局、見つからなくてさ。迷ってしまったんだよ。」
実際、迷いそうになったのは事実で、野営地の焚き火の明かりがなければ、本当に迷っていただろう。結局、戻るという選択肢しかなかったのである。
「……とりあえず、飯だ、飯!」
自分の荷物から、討伐隊に支給された食料を取り出そうとする。……そこで、ロアは何か視線を向けられる気配を遠くから感じた。そのまま視線をその気配がする方向へと向ける。その視線の先には、あの竜食い、ヴァル・ムングがいた。側の焚き火に顔が照らし出され、表情まではさすがにわからないが、誰なのかはハッキリとわかる。こんな暗がりでも一々絵になる男である。さすがに英雄と言われるほどのことはある。
「………?」
何故だか理由はわからないが、自分の方を睨んでいるような気がする。そして、恐ろしい殺気をを向けられている気がした。さすがにひどく寒気がした。
「何だ?どうした?食べるんじゃなかったのか?」
ロアの様子を不振に感じたファルが問いかける
「……ん、いや、何でもない。ちょっと寒いなと思っただけ。」
「………?」
ファルは首をかしげたものの、それ以上は何も問わなかった。ロアはそのまま焚き火に近寄りつつ、食事を始めた。
男は戸惑っていた。先程まで狙っていた自分の獲物を見失ってしまったのである。一度は相手に矢を当てたとはいえ、かすり傷程度であることはわかっていたので、まだ死んではいないという確信はあった。
相手が物陰に隠れようとしたところを狙って以降、姿が見えない。草木や岩等が障害となって非常に見通しの悪い場所ではあったが、長年の経験のある彼が獲物をを見失ってしまったことは屈辱的であった。あんな素人臭い男を討ち漏らしたとあっては、あのお方に面目が立たない。なんとしてでも、探しだして始末しなければならない。そして始末するだけではなく、例のものも回収しなくてはならない。
とりあえずは見失った地点を調べなければいけない。いなくとも、手がかりはなにかあるはずだ。接近戦に備え、手にしていた弓をしまい短剣を取り出す。慎重にゆっくりと接近していった。接近していくに従って、草木に隠れていた相手の姿が少しずつ見えてきた。転倒している、その場に倒れてしまったことが功を奏し、運良く隠れてしまっていたというわけだ。だが気を失っているのかピクリとも動かない。
「悪運の強い奴め!」
男は悪態をつくと、さらに自分の獲物の所まで間合いを詰めていった。あと少しで止めをさせそうな距離まで辿り着いた。
「勇者とはいえ、呆気ないものだな。」
勝利を確信し、止めを刺すため短剣を構え直した。
「悪いが死んでもらう!」
短剣を相手に突きつけようとしたそのとき、その姿はその場から消え失せていた。
「……な、何!」
一瞬の出来事に、何が起きたのか理解が出来ないまま呆気にとられていた。
「戦技一0八計が一つ、空隙の陣!」
背後から突然、声が聞こえた。男は慌てて振り向く。先程まで目の前の地面に倒れていた相手が剣を構え、そこにいるではないか!
「バカな!いつの間に!」
そして、男は手元に違和感を感じ、そこに目線を移した。その瞬間、短剣の刃が根本の近くから折れていった。そのまま折れた刃先は地面へと突き刺さる。
「死んだふりとはふざけた真似をしおって!」
折れた短剣を放り投げつつ、悪態をつく。男にとってはかなり屈辱であった。狙う側のはずが逆に相手に騙され、狙われるとは!
「いや~、死んだふりじゃないんだなこれが。あんたの殺気が強すぎただけさ。ついついめが覚めちまったよ。すまんな。危うく死ぬところだったわ。」
目の前の男は飄々とした態度でニヤリと笑う。
「……かくなる上は!」
男は先程まで短剣を持っていた手を自らの懐へと入れた。
「これならばどうだ!」
手に取った何かをロアの顔へと投げつけた。とっさのことだったため、ロアはまともにそれを食らってしまう。
「ぐわっ!目、目がああ!」
目潰しの砂である。男は奥の手として懐にいつも用意してあった。
「目が見えなくてはさすがに貴様もなにもできまい!」
男は得意気に言いながら、しまいこんだ弓を手に取りつつ後方へと飛び退いた。矢をつがえ、狙いを定めつつ言い放った。
「このまま死ねい!」
矢を放とうとしたと瞬間、その声が聞こえてきた。
「戦技一0八計が一つ!落鳳波!」
そのとき何か体に衝撃を受けたような気がした。気にせずそのまま矢を放とうとしたが、何故か、視界が次第に上を向いていく。
「……何?いったい何が起こった!」
そのまま視界が上へと向くと同時に、下に落ちていくような感覚があった。そして驚くべきことに自分の体がそこにはあった。理解できなかった。何が起こったのか。しかし良く見ると自分の体にはあるはずのものがなかった。
「何!く、首がない!」
その瞬間自分の首が落とされたということに気付いた。彼はそのまま意識を失った。絶命したのである。
「だから言ったろ?殺気が強すぎるってな!」
ロアは自らの剣を鞘に納めつつ、そう言った。
――戦技一0八計、落鳳波。この技は離れた相手に斬撃を飛ばす技である。落鳳、つまり鳳をも落とすという意味合いであり、相手が離れていようが、空を飛んでいようが、問答無用で落とす技として恐れられている。
今回の場合は相手の首を落とすことになってしまったのだが。この技は空隙の陣との親和性も高く、遠くから狙撃したつもりが、逆にやり返されるといったことになるのである。ロアの祖国ではある程度はしられている技なので、流派梁山泊の人間を相手にする場合はこの技を警戒するのである。だが生憎、この国には流派梁山泊の知識はほぼないといっていいため、相手も知る由などなかったのである。
「破門になったとはいえ、今まで身に付けてきた技に助けられるなんてな。どこで何が役に立つかわからないもんだな。」
一人感心しながら、暗くなり始めた山中を戻り始めた。
「ずいぶんと遅かったな。一体何をしてたんだ?」
訝しげにファルは問う。
「いや、まあ途中で迷ってしまって。」
まさか刺客に襲われた等とは言えない。狙われている理由からしてクルセイダーズの二人にも伏せているので、余計に言えない。
「あんた、水がなんとかっていってなかったっけ?」
ジュリアが相変わらず痛いところを突いてくる。襲われたこともそうだが、その前に討伐対から逃げようとしたことなんて、言えるはずがない。刺客を撃ったあとも逃亡の意思はあったものの、夜の山中は危険であると思い直したことと、そして何より、空腹にはさすがに勝てはしなかった。荷物を野営地に置いたままにしたのが誤算だった。だが、最も荷物を持ったまま立ち去ったとしても、怪しまれるだけなのだが。
「結局、見つからなくてさ。迷ってしまったんだよ。」
実際、迷いそうになったのは事実で、野営地の焚き火の明かりがなければ、本当に迷っていただろう。結局、戻るという選択肢しかなかったのである。
「……とりあえず、飯だ、飯!」
自分の荷物から、討伐隊に支給された食料を取り出そうとする。……そこで、ロアは何か視線を向けられる気配を遠くから感じた。そのまま視線をその気配がする方向へと向ける。その視線の先には、あの竜食い、ヴァル・ムングがいた。側の焚き火に顔が照らし出され、表情まではさすがにわからないが、誰なのかはハッキリとわかる。こんな暗がりでも一々絵になる男である。さすがに英雄と言われるほどのことはある。
「………?」
何故だか理由はわからないが、自分の方を睨んでいるような気がする。そして、恐ろしい殺気をを向けられている気がした。さすがにひどく寒気がした。
「何だ?どうした?食べるんじゃなかったのか?」
ロアの様子を不振に感じたファルが問いかける
「……ん、いや、何でもない。ちょっと寒いなと思っただけ。」
「………?」
ファルは首をかしげたものの、それ以上は何も問わなかった。ロアはそのまま焚き火に近寄りつつ、食事を始めた。
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる