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第2章 黒騎士と魔王

第55話 迫る!変態さん!?

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「さテ、邪魔者が戦ってイるうちニ、さっさと要件をスましてしまいましょウ。」


 さあて、帰ったらどんなお仕置きをしてあげましょうか?正直悩みますねえ。私の研究を遅らせたのだから、相応の覚悟はしてもらいますヨ。


「この娘を渡すわけにはゆかぬ。そなたがデーモン・コアを適切に処理するとは到底思えぬからの。」


 大層な物言いをする少女ですね。どうも、我が組織のあの人とおなじでむかつきます。デーモン・コアを処理する?とんでもない!大事かつ貴重な研究材料を処理されてたまるもんですか。


「あなた、何様のツもりですか?被験者4号は私のモノなのでス。渡す渡さないの問題デはあーりませんヨ。自分のモノを回収すルだけですよ。あなたにどうコウ言われる筋合いなド、あーりませんヨ。」

「じゃが、断る。」


 どうにもイライラしますねえ。困った子にはおしおきが必要ですね。決まりです。


「どうしても、退かぬのならば実力行使じゃ!」 


 とーーっとと!目の前に火の玉が!今は私のターンのはずですが先制されてしまいました。ですが、アワテナイ、アワテナイ。華麗に躱して見せますですよ。


「あ、そレ。」

「なんの!それくらいは想定の範囲内じゃ!」

「エッッッッッ!!」

(ドン!!!)

「いい気味じゃ!黒焦げになるがよいわ!」


 オーウ、追尾してくるとはタマゲましたよ。かわいい顔してとんでもないコトしてくれますねえ。


「バーニング・コート!でキる男にとっては火もまた涼しですヨ。」

「何じゃと!あのタイミングであれが間に合ったとでもいうのか。」

「こんドは私の番ですよ。……っっと、私の大事な一張羅があ!」


 な、な、な、なんと!ちょっとコゲてますよ、コレ!どうしてくれるんです?


「いい気味じゃ。妾の魔術を甘く見るではないわ!」


 かくなるうえわあ!……っと、ついつい熱くなってしまいましたよ。火炎魔術を使われただけにね。本来の目的を達成しますですよ。


「何時までもあなたノ相手をしていル暇はございませン。……出でよ、ファントム!カモォン!」

「何!リッチじゃと!」


 さてと。この場はファントムに任せて、さっさと被験者4号を回収して撤収しまショ。



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