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第2章 黒騎士と魔王
第65話 あの技を使うわけには……。
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地面に突き立てた剣を持ち、地面ごと斬り上げる勢いで、エドワードの剣を下から思い切り跳ね上げた。
「グッ……!!!??」
エドワードの体は自分の頭上を舞っていた。凰留撃の勢いで彼の体を吹き飛ばしていた。そのまま受け身を取れずに落下した。
「グハッ!!」
「イグレス様!!」
クロエがたまらず悲痛な叫び声を上げている。そうか、それぐらいのことをしてしまったんだよな。こりゃ、恨まれるだろうな。
「閃!!」
声が聞こえた瞬間、こちらに殺気が飛んでくるのを感じ、反射的に体を反らせた。光弾がそのまま後ろの方へ飛んでいく。彼女に攻撃されたようだ。
「くっ!躱された!……次は外しません!」
続けて光弾を放とうとしている。次は彼女を相手にしなきゃいけないのか!
「マジック・シールド!」
彼女の手前に青白い光を放つ壁が現れ、放った光弾をかき消した。
「何故、貴方が邪魔をするんですか?」
「いや、すまぬ。思わず体が動いてしまった。ロアの奴を支持せんとは表明したものの、どうにもあやつを放ってはおけなくてのう。」
「サヨちゃん!」
「こうなった以上、妾も加勢する。安心するがよい。」
口では賛成できないとは言っていたが、結局、なんだかんだで手を貸してくれるんだな。
「フフフ、賢者殿もさすがに痺れを切らしたということか。」
エドワードはいつの間にか立ち上がり、平然とした様子で、サヨちゃん参戦を冷静に認めている。こうなることはあらかじめ想定していたかのようだ。
「それよりも、勇者殿。まだ、貴公は本気を出していないのではないかな?死霊騎士を倒したときの、あの技はどうした?使わずとも私を倒せるとでもお思いか?」
見てたのか?あの時。交戦中で手一杯だったと見せかけて、しっかり見ていたのか。しかし、使えば圧勝出来るだろうけど、取り返しがつかないことになる。エドワードは死なせたくない。あの技は絶対倒さないといけないヤツにしか使いたくないんだ。それこそ、不死身の化け物が相手でもない限りは。
「それはお互い様じゃないの?アンタも俺を殺す気がないんじゃ?なんか、俺とは違う理由で。」
直感だが、俺みたいに迷っているとかではない。なにか、こう、楽しんでいるというか。いかに俺を本気を出させるかを試しているような気がする。
「日々、デーモンばかりと戦っているとおかしくなってくるものさ。心なき化け物共との戦いは作業と大して変わらない。」
エドワードが胸中を語っている。出会ってから常に冷静沈着な態度をほぼ崩さないでいる。そうでなかったのは、デーモンに対しての憎しみを表に出しているときと……今の、この瞬間だ。
「人と戦うのは随分と久しいものだ。何か忘れていたものを思い出したかのようだ。心が躍るのだ!これほど充実した戦いを私はずっと待っていたのだ!」
こういう人は大体、強い。戦いを生きがいとしている人たちには昔からよく接してきた。梁山泊には山ほどいた。こういうのは国や人種、文化が違っても関係ないんだろうな。
「では、第二ラウンド開始と行こうか!」
今度こそ、どちらかが死ぬまで終わらない戦いが始まるのか。こうなると、あの技を使わざるを得なくなるのか?
「きゃああああ!?」
戦いに身構えしようとしたとき、背後から突如悲鳴が聞こえた。まさか、エルちゃんが……?
「グッ……!!!??」
エドワードの体は自分の頭上を舞っていた。凰留撃の勢いで彼の体を吹き飛ばしていた。そのまま受け身を取れずに落下した。
「グハッ!!」
「イグレス様!!」
クロエがたまらず悲痛な叫び声を上げている。そうか、それぐらいのことをしてしまったんだよな。こりゃ、恨まれるだろうな。
「閃!!」
声が聞こえた瞬間、こちらに殺気が飛んでくるのを感じ、反射的に体を反らせた。光弾がそのまま後ろの方へ飛んでいく。彼女に攻撃されたようだ。
「くっ!躱された!……次は外しません!」
続けて光弾を放とうとしている。次は彼女を相手にしなきゃいけないのか!
「マジック・シールド!」
彼女の手前に青白い光を放つ壁が現れ、放った光弾をかき消した。
「何故、貴方が邪魔をするんですか?」
「いや、すまぬ。思わず体が動いてしまった。ロアの奴を支持せんとは表明したものの、どうにもあやつを放ってはおけなくてのう。」
「サヨちゃん!」
「こうなった以上、妾も加勢する。安心するがよい。」
口では賛成できないとは言っていたが、結局、なんだかんだで手を貸してくれるんだな。
「フフフ、賢者殿もさすがに痺れを切らしたということか。」
エドワードはいつの間にか立ち上がり、平然とした様子で、サヨちゃん参戦を冷静に認めている。こうなることはあらかじめ想定していたかのようだ。
「それよりも、勇者殿。まだ、貴公は本気を出していないのではないかな?死霊騎士を倒したときの、あの技はどうした?使わずとも私を倒せるとでもお思いか?」
見てたのか?あの時。交戦中で手一杯だったと見せかけて、しっかり見ていたのか。しかし、使えば圧勝出来るだろうけど、取り返しがつかないことになる。エドワードは死なせたくない。あの技は絶対倒さないといけないヤツにしか使いたくないんだ。それこそ、不死身の化け物が相手でもない限りは。
「それはお互い様じゃないの?アンタも俺を殺す気がないんじゃ?なんか、俺とは違う理由で。」
直感だが、俺みたいに迷っているとかではない。なにか、こう、楽しんでいるというか。いかに俺を本気を出させるかを試しているような気がする。
「日々、デーモンばかりと戦っているとおかしくなってくるものさ。心なき化け物共との戦いは作業と大して変わらない。」
エドワードが胸中を語っている。出会ってから常に冷静沈着な態度をほぼ崩さないでいる。そうでなかったのは、デーモンに対しての憎しみを表に出しているときと……今の、この瞬間だ。
「人と戦うのは随分と久しいものだ。何か忘れていたものを思い出したかのようだ。心が躍るのだ!これほど充実した戦いを私はずっと待っていたのだ!」
こういう人は大体、強い。戦いを生きがいとしている人たちには昔からよく接してきた。梁山泊には山ほどいた。こういうのは国や人種、文化が違っても関係ないんだろうな。
「では、第二ラウンド開始と行こうか!」
今度こそ、どちらかが死ぬまで終わらない戦いが始まるのか。こうなると、あの技を使わざるを得なくなるのか?
「きゃああああ!?」
戦いに身構えしようとしたとき、背後から突如悲鳴が聞こえた。まさか、エルちゃんが……?
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