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第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第125話 闇への誘い
しおりを挟む「私たち以外の人たちもここに来たのかな?」
私たちは当てもなく地下9Fを彷徨っていた。運良く、魔物や罠に遭遇してなかった。ゆっくり慎重に進んでいるからかもしれないけれど。
「行方不明事件が起きてたから、もしかしたら、被害にあった人たちが立ち入り禁止エリアに転送されていたのかも。」
そして、危険な魔物や罠に遭遇して帰ってこなかった。こう考えると辻褄が合いそう。そんなことを考えるとさらに怖くなってきてしまう。
「ねえ?あれはなんだろう?」
メイちゃんが何かに気付いた。私の頭の中を覆っていた不安を拭うかのようで、少しホッとした。事態が好転すればいいけど。
「誰かいるんでしょうか?」
通路の先に何か人影のような物が見えた。魔法の灯りがギリギリ届かないところなので、はっきりと見えない。魔物だったら、こちらの灯りに気が付いて襲いかかってきてもおかしくないはず。
「行ってみましょう。」
勇気を出して、ゆっくり近付いていく。次第に靴を履いた足が見えて、体、腕が見えてきた。人の可能性が高くなってきた。でも、なぜかその人の顔の部分は見えなかった。
「あ、あの?もしかして、あなたも仲間の人とはぐれたんですか?」
思わず声を掛けてしまった。正体がよくわからないのに。それぐらい、不安だった。その不安が冷静に考えることを拒否してた。
「君たちも……冒険者かい?」
人影は話しかけてきた。思わず、私とメイちゃんは顔を見合わせた。少しは希望が見えてきたようにお互い感じたからだと思う。
「私も…この迷宮を…彷徨っていたところだ。私は幸い、地上に…戻るための…隠し通路を知っているんだ。」
その人は私たちを手招きした。私たちはそのまま付いていくことにした。地上に戻る近道があるならそれを信じたかった。藁にもすがる思いだった。
「ここ……だよ。」
通路の先に小さな部屋へと続く入り口があった。この先が隠し通路みたい。促されるままに先に進んでいった。
「これで…大丈夫。地上に…帰れるよ。」
その人は振り向きもしないで進んでいった。未だにその人の顔は見えなかった。灯りは十分に届いているはずなのに……。
「いかん!そいつに付いていってはダメだ!引き返せ!」
突然、背後から男の人の声が聞こえた!でも、もう遅かった。足はもう踏み出してしまっていた。
「ケケケ!もう遅い!地獄へ落ちろ!」
案内してくれた人は声色が豹変した。まるで別人だった。その瞬間、私の足元の感覚が無くなった。
「……!?えっ!?」
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