【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第3章 迷宮道中膝栗毛!!

第145話 「りゅうさ」

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「なんだコレは……!?」


 俺たちは次の迷宮にやってきた。それぞれの迷宮で内装が様変わりするのは毎度の事だったが、今回はさすがに度肝を抜かれた。


「砂が水みたいに流れてるんだけど!」

「こういうもんは流砂っつうんだよ、バカ。」

「いちいち、バカにすんなよ。ホントに思ったこと言っただけなんだから。」

「そういうのをバカって言うんだよ!」

「つまらぬことで論争ばかりしておるな、お主らは。」


 端から見ていた侍にまであきれらてしまった。だってしょうがないじゃないか。ファルちゃんが俺の言うこと成すこと噛み付いてくるからな。


「こんなのどうやって進むんだ?進もうとしても流されるだけだぜ。」


 流れているとハッキリわかるぐらいの速さで流れている。じゃあ何か?泳ぐのか?船で渡るのか?


「決まっておるであろう。ただ突き進むのみ。」


 侍は流砂を物ともせずにヅカヅカと突き進んでいった。しかも流れに逆らっている。なんか……自然の摂理に逆らってない?ほ、法則が乱れる!


「おいおい、おかしいだろ。」

「俺も行くぞ。」


 続いてファルちゃんも流砂に足を踏み入れた。でも、足は砂に沈むことなく、砂の上に普通に立っていた。お前は浮く系か!


「何だよ、それ!砂に浮いてるぞ。」

「こんなもん、地属性の魔法で無効に出来るんだよ。」

「ずるいぞ!俺にも使ってくれよ。」

「断る。だいたい、これは自分にしか効果がない。それに加え、地属性の魔法は得意じゃねえ。不得意属性だからよ、他人にまで効果を与えるほどの魔法は使えない。」

「なにぃーい!」

「自分でなんとかしな。」

「できるかー!」

「知るかよ、ボケ。」


 これからどうしろと?魔法も使えないのにどう進めばいいんだ!ま、まさか、泳ぐしかないのか?


「行こう!行くしかない。」


 思い切って足を流砂に踏み入れてみた。


(ズブズブ……。)

「ん?なんとか行けそうか?」


 意外と流れに逆らえそうだ。これなら……、


「突入だ!」


 両足とも入れてみた。ぐぐ。行けるか、行けるのか?でも次第に違和感が……。靴の中に砂が入ってきた。


「うへえ、気持ち悪ぅ!」


 砂が入ってきて、足が動かしにくくなってきた。あっ……、


(ザバアッ!)


 しまったああ!足がもつれて、転んでしまったあああ!いかん、このままだと流されてしまう!


「ぐわわわああっ!!」
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