264 / 401
第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第264話 仲直り……かな?
しおりを挟む
「何泣いてんの?そんな調子じゃ、本戦は勝ち残れないよ?」
彼は近付いてきて、涙を流している私に話しかけてきた。やっぱりこんな所で、こんな時に泣いているのはおかしいと、自分でも思う。
「ちょっと、嬉しかったから泣いているだけ……。」
「ちょっと?ちょっとにしては号泣に近いくらい泣いてるように見えるけど?」
彼はいつもより意地悪な感じがする。この前、私自身が彼に対して意地悪をしてしまっていたので、その仕返しなのかもしれない。その一方で、好きな子に意地悪をする男の子のような印象も受ける。
「どうやったら泣くのやめてくれるかな?……じゃあ、こういうのは、どう?」
彼は手を差し伸べてきた。これは……?握手?仲直りの印ということなのかもしれない。私も彼の気遣いに答えるために手を差し出した。
(……パン!)
な、何が起きたの?彼の予想外の行動に私は動揺した。握手に答えたつもりが、彼に手を払われてしまった。彼の意図がわからない。まるで溺れていたのを助けてもらった直後に水の中に突き落とされた様な気分だった。
「やーい!ひっかかった!」
「……!?」
ひ、ひっかけ?一体彼は何をしたいんだろう?彼の突飛な行動によって、ますますわけがわからなくなってきた。
「エルちゃんさあ、この場にいるってことがどういうことかわかってる?わかってたら……そんなことはできないよねえ?」
「え……そ、それは……。」
言い淀んで口からは出てこなかったけれど、頭では理解しかけていた。そう、ここは戦いの場。優勝を目指すなら彼と戦う事は避けられない。
「抽選の結果次第だけど、俺達戦う事になるかもしれないからね。要するにライバル同士ってこと!」
「うう……。」
敵同士だなんて、思いたくなかった。その現実から目を背けたかったから、今まで考えないようにしていたのかもしれない。……でも、逆にライバル同士と言っているということは、私の参戦を認めてくれているからなのかもしれない。
「それにさあ、思い出したんだけど、エルちゃんと喧嘩するのって二回目になるよね?」
喧嘩……二回目?今まで喧嘩なんてしたことはなかったような?いつのことを言っているだろう?
「初めて会ったとき以来だよね?あの時のエルちゃんは理性なんて吹っ飛んでたんだろうけど。まあ、それを言ったら俺も喧嘩なんてするつもりもなかったけど。」
あの時……そうか!デーモン・コアが暴走して私はデーモンになりかけた、あの時の話だ。理性の抑制がなくなって、周り全部が敵のように思えたり、何もかも全てを破壊したくなるような衝動に駆られた。あの時は彼でさえも憎くなって無茶苦茶にしてやりたいとさえ思った。そんな醜い姿になった自分が恥ずかしくて、情けなく思えて思い出す度、自己嫌悪に陥ることが今まで何度もあった。
正直、あの時のことは掘り返さないで欲しいと思ったけれど、彼の意図は他の所にありそうなことに気付いた。あの時のことが切っ掛けで私たちはお互いのことが好きになった。あの時の出来事が私たちの関係を繋いでいる、と彼は言いたいのかもしれない。
「いやあ、あの時のエルちゃんはすごかったなあ。今では考えられないよ。なんかワイルドなエロさっていうか……野獣みたいになってた。しかも戦ってる最中は確か、真っ裸だったよね?暴走を止めて戻ったときの姿も忘れられないなあ、衝撃的すぎて今でもたまに思い出すもん。」
「な……な……!?」
な、何を言い出すのこの人は!私が思い出に浸って、癒やされた気分になっていたのに。最低!
(バチーン!!!)
「ぎゃああああ!?」
「もう、知らない!」
私はありったけの嫌悪感を彼の顔にぶつけた。ハッキリ言ってまだまだ足りないけれど、対戦するときまで取っておこうと思う。この恥ずかしい気持ちを思いっきりぶつけてやる!
彼は近付いてきて、涙を流している私に話しかけてきた。やっぱりこんな所で、こんな時に泣いているのはおかしいと、自分でも思う。
「ちょっと、嬉しかったから泣いているだけ……。」
「ちょっと?ちょっとにしては号泣に近いくらい泣いてるように見えるけど?」
彼はいつもより意地悪な感じがする。この前、私自身が彼に対して意地悪をしてしまっていたので、その仕返しなのかもしれない。その一方で、好きな子に意地悪をする男の子のような印象も受ける。
「どうやったら泣くのやめてくれるかな?……じゃあ、こういうのは、どう?」
彼は手を差し伸べてきた。これは……?握手?仲直りの印ということなのかもしれない。私も彼の気遣いに答えるために手を差し出した。
(……パン!)
な、何が起きたの?彼の予想外の行動に私は動揺した。握手に答えたつもりが、彼に手を払われてしまった。彼の意図がわからない。まるで溺れていたのを助けてもらった直後に水の中に突き落とされた様な気分だった。
「やーい!ひっかかった!」
「……!?」
ひ、ひっかけ?一体彼は何をしたいんだろう?彼の突飛な行動によって、ますますわけがわからなくなってきた。
「エルちゃんさあ、この場にいるってことがどういうことかわかってる?わかってたら……そんなことはできないよねえ?」
「え……そ、それは……。」
言い淀んで口からは出てこなかったけれど、頭では理解しかけていた。そう、ここは戦いの場。優勝を目指すなら彼と戦う事は避けられない。
「抽選の結果次第だけど、俺達戦う事になるかもしれないからね。要するにライバル同士ってこと!」
「うう……。」
敵同士だなんて、思いたくなかった。その現実から目を背けたかったから、今まで考えないようにしていたのかもしれない。……でも、逆にライバル同士と言っているということは、私の参戦を認めてくれているからなのかもしれない。
「それにさあ、思い出したんだけど、エルちゃんと喧嘩するのって二回目になるよね?」
喧嘩……二回目?今まで喧嘩なんてしたことはなかったような?いつのことを言っているだろう?
「初めて会ったとき以来だよね?あの時のエルちゃんは理性なんて吹っ飛んでたんだろうけど。まあ、それを言ったら俺も喧嘩なんてするつもりもなかったけど。」
あの時……そうか!デーモン・コアが暴走して私はデーモンになりかけた、あの時の話だ。理性の抑制がなくなって、周り全部が敵のように思えたり、何もかも全てを破壊したくなるような衝動に駆られた。あの時は彼でさえも憎くなって無茶苦茶にしてやりたいとさえ思った。そんな醜い姿になった自分が恥ずかしくて、情けなく思えて思い出す度、自己嫌悪に陥ることが今まで何度もあった。
正直、あの時のことは掘り返さないで欲しいと思ったけれど、彼の意図は他の所にありそうなことに気付いた。あの時のことが切っ掛けで私たちはお互いのことが好きになった。あの時の出来事が私たちの関係を繋いでいる、と彼は言いたいのかもしれない。
「いやあ、あの時のエルちゃんはすごかったなあ。今では考えられないよ。なんかワイルドなエロさっていうか……野獣みたいになってた。しかも戦ってる最中は確か、真っ裸だったよね?暴走を止めて戻ったときの姿も忘れられないなあ、衝撃的すぎて今でもたまに思い出すもん。」
「な……な……!?」
な、何を言い出すのこの人は!私が思い出に浸って、癒やされた気分になっていたのに。最低!
(バチーン!!!)
「ぎゃああああ!?」
「もう、知らない!」
私はありったけの嫌悪感を彼の顔にぶつけた。ハッキリ言ってまだまだ足りないけれど、対戦するときまで取っておこうと思う。この恥ずかしい気持ちを思いっきりぶつけてやる!
0
あなたにおすすめの小説
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。
死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった!
呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。
「もう手遅れだ」
これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる