【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第265話 しばらく勇者のターンが続きます。

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「いってえ。まだ、腫れが引かない。」


 エルちゃんに敵意を向けさせるためとはいえ、結構ヒドいことを言ってしまった自覚はある。セクハラで訴えられても、文句は言えない。


「フン、バカなヤツだな。レディの扱いがなっちゃいねえ。あんな話をする奴がどこにいる。」

「ここにいるんですが、何か?」

「バーカ。」


 扱いがなってないとか言われても困る。だって、今まで周りに女の人がいなかったから。レンファさんくらいだよ。いや……レンファさんしかいなかった。さすがに梁山泊では女性との接し方なんて教えてはくれなかった。どうするのが正解だったのか?


「まあいいや。恨まれても。元々はあの娘の緊張をほぐすのが目的だったし。なんか見てられなかったからな。遠目に見ても。」

「方法はナンセンスだが、お前にしては気が利くじゃないか。」


 今までエルちゃんとは一緒に戦ったことはあったが、その時は問題なかった。多分、俺とか仲間がいたからだろう。


「それにホントに戦うことになったら本気で戦って欲しいからな。手加減されても嫌だし。」


 今回は狐面がいるとはいえ、個人的な理由で自己責任で戦うことになる。きっとそれ故の怖さを感じていたんだと思う。出会った時から俺達は依存し合っていた。そこから離れるために彼女は前向きになる決心をした。俺も最初は困ったけど、お互いの関係を進める上では必然なんだと思う。


「手加減される?それでもお前の方が圧倒的に強いんじゃないのか?」

「今はな。いずれ俺なんか追い抜いていくだろうさ。あの娘は俺と違って天才だからな。」

「随分とあの娘の才能を買ってるんだな。普通なら嫉妬に狂うところだぞ?」


 ちょっと悔しいのはあるけど、それでも嬉しいのは彼女のことが好きだからだろう。心の底から。


「ただ、俺と特性が違うだけだ。俺はとことん泥臭くやっていくさ。多分、この泥臭さが八刃を極めるのに必要なんだと思う。」

「……?なんだそれは?言ってる意味がわからん。」

「わらなくてもいい。そのうち、見せてやるさ。」


 ここでもう一つ、エルちゃんを見て気になっていたことがある。それは……、


「なあ、なんかペアルックっていいって思わねえ?」

「は?」

「いや、なんかさエルちゃんの服装がさ、いつもの地味なローブじゃなかったから、気になっちゃってさ。しかもペアルックだよ、ペアルック!」


 しかも狐面の服装と似た動きやすそうなヤツになってた。いつの間に作ったんだよ。サヨちゃんに魔法で何とかしてもらったのかもしれんが。


「あの二人は師弟関係だからなんとでも言えるが、ペアルックなんてやめとけ。」

「なんで?」

「そういうのをやりはじめたら、人々はこう言う。……バカップルってな!」

「ば、ばかぁ!?」


 俺の夢を壊すなあ!せっかくいつかはやりたいって思ってたのに。あれやこれやと色々話している内に、クジの順番が回ってきたようだ。行こうとしたら、ファルが遮るように前に出てきた。


「俺が引いてくる。お前に引かせたら侍と当たらなくなるかもしれんからな。自分で引いた結果ならどうなっても納得は出来るからな。」

「お、おう……。」


 俺が引いたらヘンなミラクルが発生するから仕方ない。多分引いたら“優勝”とか書いてある紙が出てきそうだ。ここはおとなしくファルに任せておこう。
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