【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

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第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第266話 リア充はもれなく爆発してください。

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「いきなり第一試合からとはな!さすがファルちゃんだぜ!」


 くじ引きの結果、対戦組み合わせが決定した。俺達は第一試合から戦う羽目になったが、くじ運的にはファルちゃんの狙い通りだ。同じAブロックにはジュリア達がいるし、侍もいる。最初から戦うわけではないが、順調に勝ち抜いていけば、アイツらと戦うことになる。


「嫌みのつもりか?それよりも“ちゃん付け”で呼ぶなっつったろうが!」


 この後、お昼休憩を挟んでから試合が行われる。今は控え室に戻る途中だ。


「わかったよファルちゃん!」

「殺すぞ、テメエ!」


 残念なのかはなんとも言えないが、エルちゃんたちとは違うブロックになった。エド達も同じくBブロックだ。そして……あの男、宗家もそこに入っている。


「おっ、世紀の凸凹コンビを発見!負け犬魔術師とフラれ勇者だ!」

「ちょっとよしなよ、失礼だよ、ジュリア。」


 遠慮とか忖度とか一切ない物言いが聞こえてきた。相方というか…許嫁の制止を物ともせずにソイツはやってきた。


「誰が負け犬だ!」

「フラれてないから!ちょっと距離を置いてるだけだから!」


 俺の場合はは直接見られたからわかるけど、ファルが侍に負けた話は俺しか知らないはずなのだが……。ファル本人が話さない限りは。


「フラれた証拠がここにあるじゃん♪」


 そう言って俺の顔を指差してきた。ビンタされてまだ腫れている頬のことを言っているようだ。


「いやいや、これは証拠とは言わないから。これはある意味、彼女の愛情の裏返しだから。」

「なにそれ?」


 ジュリアはポカンと口を開けて、固まっている。俺、何かおかしいこと言った?


「アンタみたいな非モテ男がそんなこと言うなんて思わなかった。……なんか、急激に人として成長してなくない?もしかして、中の人、代替わりしてたりしてないよね?」


 なんでそう言う解釈になるんだ。こっそり代替わりとかしてませんよ。俺の時は確かに誰にも知られないところで代替わりしてたけども。


「俺は今まで通りの俺なんだが?」

「あっそ。じゃあいいや。そう思ってるんなら、あの娘も報われるわ。正直、あの娘は美人過ぎるし、アンタに釣り合わないからどうかなとは思ってたのよ。いつかアンタから離れるように言ってやろうって思ってた。だってもったいないし。」


 うわー、次から次へと何でも言いたい放題だな。俺への悪口ばっかりじゃないか。そんなにヒドいんか、俺?


「アンタは前よりはマシになった。でも、なんか、まだ一押しが足んないよね。」

「何が?」

「あたしらみたいになるための“一押し”が!」


 ジュリアは相方の巨体を自分の所に引き寄せ、アピールした。くそう!見せつけやがって。先に充実しているこの二人を爆破してやりたいと思った。


「アンタ達負けんじゃないわよ。一回勝てばあたしらと確実に対決することになるから。そして、その時に愛の力を見せつけてやるから♪」

「ち、ちょっと!ジュリア。恥ずかしいから勘弁して欲しいんだけど……、い、いてて!」


 ジュリアは笑顔でこっちを見ながら、婚約者の頬をつねっている。これは……完全に尻にひかれているな。


「絶対負けるもんかよ!俺はあの娘と約束したんだ。二回目の喧嘩をするってな!」


 実際には約束はしてないが二回目の喧嘩だとは伝えた。それで十分だ。


「俺のことを忘れんな。お前らバカップルごときに躓いてる訳にはいかねえんだよ!」


 ほぼのけもの扱いになっていたファルちゃんもようやく口を開いた。ついでに宣戦布告。


「絶対負けないからな!」


 その場の全員……ではなく、デカい人を除く三人は全く同じことを宣言した。大武会、出場理由はみんな違っていても、勝つという意志は共通していた。
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