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第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】
第264話 金の魔骸布《ゴールド・シュラウド》
しおりを挟む「ゴルディアン、早速、貴様の力を見せてやれ。」
「……。」
突如現れた助っ人、金ピカ野郎。実力は計り知れんが、シルヴァンとほぼ同等と見積もっておいた方がいいな。あえて一人だけで挑ませるというのだから、この機会を利用させてもらうとしよう。
「……!」
金ピカ野郎はこちらに視線を向けるとゆっくり近づいてきた。まるで、どんな迎撃でも受けて立つと言わんばかりの態度だった。大した自身だな。これは何か裏があるに違いない。迂闊な攻撃は出来んな。
「接近戦なら受けて立つぜ!」
「フン、流石に遠隔魔術は使わんか。」
そう、思い通りに行くとは思うなよ! 風刃剣で金ピカ野郎を迎え撃つ。ヤツはお構いなしに殴りかかってくる。俺相手に素手で戦おうとはいい度胸だ!
「……!!」
「そんな攻撃が当たるモンかよ!」
速さと強さは並外れているが、攻撃は大して洗練されたものではなかった。むしろ銀色と比べると明らかに劣っている。こんなヤツをけしかけてくるとは舐められたものだ。構わず鎧を刺し貫かせてもらう!
「……。」
(バチィィッ!!)
剣がヤツの鎧に触れた瞬間火花が走ると共に、手にも痺れが走った! これは電撃障壁! 雷属性の防護魔術だ。どうやら雷魔術の使い手らしい。
「フフ、我々の鎧に魔術が効かないことを警戒したまでは良かったが、裏目に出たようだな。この戦闘用スーツが強いだけではないのだよ、我々は!」
「ケッ! わざわざ解説されなくてもわかってる! ようは直接触れなければいいだけの話だ!」
金ピカ野郎を蹴飛ばして間合いを空ける。靴底は樹脂素材で出来ているから、雷魔術には体勢がある。アレは金属以外には通りが悪い性質を持っているからな。電撃障壁に今の装備で対処するにはこれしかない。
「いいだろう! 敢えて使ってやるぜ。銀仮面をあと一歩まで追い詰めた魔術をな!」
ヴァオルテクス・カノンを撃ち出す! 警戒のため、ある程度弱めの魔力で撃ち出した。やはり銀仮面同様、避けようともしていない。無効化能力を持っているのは間違いなさそうだ。
(ヴオォォォォォッ!!!)
直撃を受けてもビクともしない。おかしい。銀仮面は圧力に体勢を崩していたというのに。金ピカ野郎は棒立ちで動こうともしていない。
「……!!」
(ヴオォォォォォッ!!!)
金ピカ野郎は身構える体勢を取った途端、俺の魔術は反転して打ち返されてきた! 二撃目に用意していた同魔術を俺は咄嗟に放って相殺した。
「……クッ!?」
「驚いたか? この“金の魔骸布”は魔術反射能力を持っているのだ! 完全に魔術師対抗に特化した能力を持っている。しかも、これだけではない!」
金ピカ野郎は空間転移魔術で、空間の裂け目から大型の筒状のデバイスを手にたぐり寄せた。謎の武装ではあるが、相方の銀仮面が持っている武器から想像して、ヤバい代物ではないかと、俺の勘が告げている。
「やれ、ゴルディアン! この“アヴェリオン”の火力を見せてやるのだ!」
「……。」
大筒を俺に向けるが、当てるつもりはないのがわかる。筒の方を見ると内部の空洞が光り、時間を追う事にその光が強くなっているのがわかる。エヴェリオンとか言う銀仮面の持つデバイスよりは使用に時間がかかるようだ。
「“完全破壊”!!!」
(ズヴォァァァァッ!!!!!)
轟音と共に巨大な光弾が発射された。避けるのにはさほど労力を費やさなかったが……背後の着弾点には大穴が空いていた。そこには建造物があったのだが、綺麗にくり抜かれたように穴が空いていたのだ。驚くべき威力だった。これは人対人で使う領域を逸脱している。これは兵器と言ってもいいレベルだった。
「フハハ、これを単独で使ったとしても容易に命中させることは不可能だろう。だが、二対一であれば話は違ってくる。」
「お前が戦って、その隙にってか? 上等だ!やれるもんならやってみな!」
不利だが、そう簡単にやられるつもりはない。下手すりゃ、ヤツら同士で巻き込む可能性もある。その上での使用ってのは舐められたものだ。甘く見た代償を払わせて……、
「ほう、二対二ならば、拙者が戦列に加わっても卑怯とは言うまいな?」
音も立てず気配も感じさせず、あの男が割って入ってきた。何故、コイツがここ
にいる?
「誰だ、貴様は!」
「拙者の名はコタロウ・サザ。本来、別の味方を救いに来たのだが、面白そうな余興が目についたので、つい足を運んでしまったのでござるよ。」
助けを呼んだわけじゃないのだが、コイツは断ってもこの場を去るはずがないだろう。何しろ、コイツは生粋の戦闘マニアだからな……。厄介なヤツに横槍を入れられたもんだ。やれやれ……。
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