【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
311 / 331
第3章 第3幕 はぐれ梁山泊極端派【絶望と憎しみと学園モノ……と大戦争!?】

第311話 影のようなもの

しおりを挟む

「気配が感じられないって、そんなことがあるか? 怖じ気づいたのかよ!」

「それはお前も薄々感じてるんじゃないか? 魔力の源がどこにあるか感じられないはずだ。」

「ば、馬鹿言え。」


 俺とファルは基本的に相手の気配を探る方法が異なっている。戦士と魔術師では戦いで使う力が闘気と魔力、どちらに重きを置いているかで違ってくる。その両者でさえ探ることが出来ない。エルにしたって同様だと思う。ファルよりも素直にそれを顔に出している。


「ハッハッハッ! 気付いてしまいおったか! 私は不死身だ。神だからな。ここにいるのはあくまで私の影のようなものだ。」


 ここにいるのは影みたいなものだって? 通りで気配を感じないはずだ。影をいくら斬ったって倒せるはずがない。


「神はあくまで現世には仮初めの姿で降臨する。貴様らただのケダモノ如きとは格が違うのだよ!」


 確かに言われてみればそういう話は聞いたことがある。神話とか伝説とかに出てくる神々も人に乗り移ったり、竜とかの伝説の生物の姿になって現れる話が多い気がする。そういうのは本当の話だったのか? それはともかく目の前の学長がそれをやっている。


「まあ、でも影って言ってるくらいだから、本体はどこかにあるんだろうぜ。それを倒せば勝ち目はある。」

「勝ち目? 本体を探す? 寝言を言うな。貴様の到達できない次元にいるからこそ、私は神なのだ。決して到達できぬ次元に畏怖し、怯えるが良い!」


 なにも効かないかもしれない。でもヤツ自身の言葉から推測すると、丸っきりノーダメージってワケではなさそうだ。それに同じ技を使えるのは俺以外にもう一人いる。


「なあ、エル? わずかでもダメージを与えられそうなのは俺達だけだ。それを延々と繰り返そうと思う。付き合ってもらえるか?」

「何言ってるの! 手伝わないはずないじゃない! 私はあなたのパートナーなのよ。どこまでも、行き先が天国だろうと地獄だろうと付いていくわ!」

「勇者の最強の相棒を自称する俺でも、流石に愛のパートナーには敵わないな。お前ら二人を援護する。ヤツには邪魔をさせない。ひたすら攻撃に没頭してくれ!」

「美しい友情だな。だが、そんな物は無価値だ。所詮、なれ合いに過ぎんのだよ!」


 無価値? 無意味? そんなことはどうでもいい! あくまでヤツにとっては、って話だ。否定されたとしてもそれが俺達の生きる原動力なんだ! 力尽きるまで戦い続けてやる!


「霽月八刃!」


 俺とエルの息の合った攻撃を学長に浴びせる。それでも手応えは薄い。それでもいいからひたすら攻撃を続ける。時折来る風魔法の迎撃はファルが相殺してくれている。これをひたすら続けるしかない。勝てる可能性はこれしかないから。


「いつまで続けるつもりだ? 無駄なあがきを?」

「決まってるだろ! アンタを倒すまでに決まってるじゃないか!」

「……いい加減にしないか。」


 学長は苛立ちを込めた声で言った。もう俺達の行いには付き合ってられない、と言いたげな感じだ。だが、相変わらず俺達への対応は淡々としている。


「無駄なことを続けてどうなるのだ? いくら続けようと事態は好転しない。それだけで勝てると思ったら大間違いだ。世界を舐めるな。“神”を舐めるのは大概にし給え!」


 その時俺達は爆発的な突風で吹き飛ばされた。学長は怒りを爆発させた。俺達の行いが気に食わなかったのだろう。希望を捨てずに戦い続ける姿が気に障ったのかもしれない。


「もういい! 私が甘かったようだな。良いだろう。見せてやろうじゃないか。神の圧倒的な力を! 平伏せ! 畏怖せよ! これが神の力だ!」


 学長の影は衝撃波を放った。ただの衝撃波ではない。それこそ世界その物を真っ二つにするかのような迫力だった。自分の真横を通り過ぎていっただけでも、それだけの衝撃を感じた。そして実際の威力は……、


「なんだ……これ……!?」


 すぐ側に大きな地割れが出来ていた。しかもそれがどこまでも続いている。途中にある建物や樹木すら問答無用で切り裂かれている。そして限りなく深い。底が見えない程だ。


「これが神の力だ! これでも手加減したぐらいだ。本気を出せば大地が崩壊してしまうからな。貴様らを殺そうと思えばいつでも殺せるのだよ。」


 未だかつて無い強敵だ。今まで桁外れの強敵達と戦ってきたが、格が違いすぎる。例え、ヴァル・ムングやサヨちゃんがいても勝てるかどうかわからないレベルだ。どうやってコイツに勝てばいいんだ……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

処理中です...