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第2章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【○○始めました……!?】
第101話 振れば必ず敵を倒せる、みたいな?
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「ワタシのトモダチ、ミスターXアルね。」
「いやいや、見るからにミスターじゃないよ? 俺に正体バレてるし!」
俺の知っている人間が正体なんだが? それをアピールしてもミスター珍は譲らなかった。この人の情報網からすれば正体を知らないはずがないのだが。
「人間それぞれ、事情があるアルね。隠してること、何も聞かないのが、ココのルールアルね。」
ミスター珍は準備をするとか言って奥の方に消えていった。ここ、というか裏社会のルールみたいなモンなのかもしれない。だとしたら仕方ない。ルールに従って敢えて突っ込まないことにしておこう。仮にも御馳走になるわけだしね。
「フフ、思い知ったか、馬鹿者め! 人の正体を暴く等と失礼な行いは許されないのだ。わっはっは!」
何がわっはっはだ! さっきは見られて物凄くテンパっていたクセに! ミスター珍に感謝しろよ?
「というか、お前の立場でこんな怪しい店に出入りしてて大丈夫なんか?」
「は? 何がよ? 別に立場とかないもん! 別に関係ないもんね!」
「もうちょい気を使えよ。目立つポジションにいるし、将来的に出世したら更に危険が及ぶかもしれないんだぜ?」
「だって、それ言ったらアンタもそうじゃん!」
「俺は勇者だからいいの。何かあっても自分でなんとかできるし。」
と言って義手を見せつける。女体化してもこの無骨な義手は変わらずそのままだ。中には剣が内蔵されているので、武器を持ち出すのを忘れたり、盗まれたりはしない。
「アンタ、それ、いつも気になってたけど、小手いつも付けてんの? 女の子が付けてていいもんじゃないわよ?」
「しょうがないだろ、これは義手なんだ。」
「ぎ、義手!?」
ついつい忘れがちだが、近頃は慣れすぎて自然に体の一部と認識している。ついうっかり力を入れすぎて、物を壊してしまったりするくらいだ。生身の時と同じノリで軽くやってしまうのだ。
「じつはこれ、武器と一体化してる。だからいつでも戦うことは出来る。何が起きても対応は出来るぞ。」
義手を展開し、剣を取り出して見せた。その様子をプリメーラは目を輝かせて食い入る様に見つめていた。まるで小さい男の子のようでもあった。
「なにそれ!? メチャクチャかっこいいじゃん! 私もそれ欲しい!」
「これはある意味、名誉の負傷の結果でこうなっただけだからな? 自らそうするだなんてのは愚の骨頂だぜ。」
「そうそう。無茶はしちゃいけないのよ。おかげで悲しむ人がいたりするからね。ねえ、勇者さん?」
「え? あ、いやあ、それは……ハハ……。」
「マルマル子ちゃん! 犬P!」
いつの間にかメイちゃんが復帰して食卓の所に現れた。後ろにはタニシもフラフラしながら付いてきている。そんなことを不意打ちみたいに言われたので、俺も参ってしまうな。
「でも、私も専用武器が欲しい! 振れば必ず敵を倒せるみたいな。」
「そんな都合のいい武器があるかよ! 必ずって、ある意味、死の呪いみたいじゃないか!」
いくらなんでもそれは威力があれすぎなんじゃない? 常識ってモンを考えろ。伝説とかおとぎ話とかを思い返してみると、割と一撃必殺みたいなのはあるけど、色々端折って話のテンポを良くしているだけだろう。コイツはフィクションとノンフィクションの区別がついているんだろうか? 日々の言動から見てもどうも怪しく思えてくる。
「でも、アニキ…いやアネキの技のイメージがほぼそれなんでヤンスけど?」
「人聞きの悪いことを言うな。ホントは無傷で倒したりも出来るんだから。殺人剣じゃなくて活人剣だ!」
「え? 何? 必殺技もあるの? シャイニング・イレイザーってそんなに強いの?」
なんか妙な勘違いをされ始めた。勇者といえば、並んで“勇者の三大奥義”も一緒に語られることは多い。勇者の代名詞とも言える技だしな。とはいえ、俺はあの技を最近使っていない。アレが通用しない敵が多すぎるのが原因なんだが。
「まあ、機会があれば演武くらい見せてやるよ。」
「今見たいんだけど?」
「こんなとこでやったら、ミスター珍に怒られるわ!」
「ワタシの家で暴れるのはよろしくないアルね。おいしい料理も台無しになってしまうアルよ!」
とか何とか言いつつ、ミスター珍が料理と共にやってきた。自分が持ってきたワケではなく他の人、彼の部下らしき人達に運ばせている。なんか、ヤッパリ何らかの組織のボスな事を窺わせる一幕だった。
「西国進出の旗揚げ祝いをみんなでするアルよ! いっぱい、おいしい物食べていって欲しいアル!」
山岳地方の辛い料理を筆頭として懐かしい物がいっぱい食卓に並んだ。マーボー豆腐にホイコーロー、饅頭とかもある。
「おいしそうでヤンス! いただきまぁあっしゅ!」
「あっ! それは……、」
よりにもよってタニシはマーボー豆腐に手を出してしまった! コレは大変なことになるぞ!
「うま! うま……しょぎゃわーーーっ!? 口の中に火が付いたでヤンしゅうぅ!!??」
まるで火炎ブレスでも吐けるようになりそうなくらい辛いはず。これはしばらくヒリヒリが止まらないぞ……。
「いやいや、見るからにミスターじゃないよ? 俺に正体バレてるし!」
俺の知っている人間が正体なんだが? それをアピールしてもミスター珍は譲らなかった。この人の情報網からすれば正体を知らないはずがないのだが。
「人間それぞれ、事情があるアルね。隠してること、何も聞かないのが、ココのルールアルね。」
ミスター珍は準備をするとか言って奥の方に消えていった。ここ、というか裏社会のルールみたいなモンなのかもしれない。だとしたら仕方ない。ルールに従って敢えて突っ込まないことにしておこう。仮にも御馳走になるわけだしね。
「フフ、思い知ったか、馬鹿者め! 人の正体を暴く等と失礼な行いは許されないのだ。わっはっは!」
何がわっはっはだ! さっきは見られて物凄くテンパっていたクセに! ミスター珍に感謝しろよ?
「というか、お前の立場でこんな怪しい店に出入りしてて大丈夫なんか?」
「は? 何がよ? 別に立場とかないもん! 別に関係ないもんね!」
「もうちょい気を使えよ。目立つポジションにいるし、将来的に出世したら更に危険が及ぶかもしれないんだぜ?」
「だって、それ言ったらアンタもそうじゃん!」
「俺は勇者だからいいの。何かあっても自分でなんとかできるし。」
と言って義手を見せつける。女体化してもこの無骨な義手は変わらずそのままだ。中には剣が内蔵されているので、武器を持ち出すのを忘れたり、盗まれたりはしない。
「アンタ、それ、いつも気になってたけど、小手いつも付けてんの? 女の子が付けてていいもんじゃないわよ?」
「しょうがないだろ、これは義手なんだ。」
「ぎ、義手!?」
ついつい忘れがちだが、近頃は慣れすぎて自然に体の一部と認識している。ついうっかり力を入れすぎて、物を壊してしまったりするくらいだ。生身の時と同じノリで軽くやってしまうのだ。
「じつはこれ、武器と一体化してる。だからいつでも戦うことは出来る。何が起きても対応は出来るぞ。」
義手を展開し、剣を取り出して見せた。その様子をプリメーラは目を輝かせて食い入る様に見つめていた。まるで小さい男の子のようでもあった。
「なにそれ!? メチャクチャかっこいいじゃん! 私もそれ欲しい!」
「これはある意味、名誉の負傷の結果でこうなっただけだからな? 自らそうするだなんてのは愚の骨頂だぜ。」
「そうそう。無茶はしちゃいけないのよ。おかげで悲しむ人がいたりするからね。ねえ、勇者さん?」
「え? あ、いやあ、それは……ハハ……。」
「マルマル子ちゃん! 犬P!」
いつの間にかメイちゃんが復帰して食卓の所に現れた。後ろにはタニシもフラフラしながら付いてきている。そんなことを不意打ちみたいに言われたので、俺も参ってしまうな。
「でも、私も専用武器が欲しい! 振れば必ず敵を倒せるみたいな。」
「そんな都合のいい武器があるかよ! 必ずって、ある意味、死の呪いみたいじゃないか!」
いくらなんでもそれは威力があれすぎなんじゃない? 常識ってモンを考えろ。伝説とかおとぎ話とかを思い返してみると、割と一撃必殺みたいなのはあるけど、色々端折って話のテンポを良くしているだけだろう。コイツはフィクションとノンフィクションの区別がついているんだろうか? 日々の言動から見てもどうも怪しく思えてくる。
「でも、アニキ…いやアネキの技のイメージがほぼそれなんでヤンスけど?」
「人聞きの悪いことを言うな。ホントは無傷で倒したりも出来るんだから。殺人剣じゃなくて活人剣だ!」
「え? 何? 必殺技もあるの? シャイニング・イレイザーってそんなに強いの?」
なんか妙な勘違いをされ始めた。勇者といえば、並んで“勇者の三大奥義”も一緒に語られることは多い。勇者の代名詞とも言える技だしな。とはいえ、俺はあの技を最近使っていない。アレが通用しない敵が多すぎるのが原因なんだが。
「まあ、機会があれば演武くらい見せてやるよ。」
「今見たいんだけど?」
「こんなとこでやったら、ミスター珍に怒られるわ!」
「ワタシの家で暴れるのはよろしくないアルね。おいしい料理も台無しになってしまうアルよ!」
とか何とか言いつつ、ミスター珍が料理と共にやってきた。自分が持ってきたワケではなく他の人、彼の部下らしき人達に運ばせている。なんか、ヤッパリ何らかの組織のボスな事を窺わせる一幕だった。
「西国進出の旗揚げ祝いをみんなでするアルよ! いっぱい、おいしい物食べていって欲しいアル!」
山岳地方の辛い料理を筆頭として懐かしい物がいっぱい食卓に並んだ。マーボー豆腐にホイコーロー、饅頭とかもある。
「おいしそうでヤンス! いただきまぁあっしゅ!」
「あっ! それは……、」
よりにもよってタニシはマーボー豆腐に手を出してしまった! コレは大変なことになるぞ!
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