【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
15 / 59
第1章 勇者マストダイ!!【勇者なのに……〇〇されました。】

第15話 逆境裁判……!?

しおりを挟む

「これより異端審問を開始します。」

「ちょ、まっ、なんでいきなり!!??」

「被告人、静粛にお願いします。」


 牢屋にぶちこまれてから数日後、俺はいきなり呼び出された。何のためなのか聞かされず、目隠し、耳栓をした上である場所につれてこられた。それが今ここ、裁判を行うための法廷に立たされる羽目になったのである! 目隠し取った瞬間からこんなだったら誰でもビビるわ!


「あの~、何かの罰ゲームみたいな感じで困るんですけど……?」

「罰? ゲーム? 何を冗談めいた事を……? 悪ふざけはご遠慮願います。」

「はい、スンマセン! ごめんなさい!」


 もはや夢とかドッキリとかの騒ぎではないらしい。ホントのガチの裁判のようだ。周りには教団のお偉いさん方が大勢参列しており、冗談で誤魔化せるような雰囲気ではない。でも以外と異端審問会の黒服の人ばかりではなく、白い普通の神官服を着ている人の方が多い様な気がする。裁判官も白服の人である。

 中にはクルセイダーズの制服を着た人もいるな? 眼鏡が特徴的な人物だが知らない人だな。でも、相変わらずの八方塞がりで味方など一人もいないのには変わりないのであった。その状況に絶望していたら、黒服の人が俺に対して尋問を始めた。


「まずは第一の罪状ですが、あなたは先代のカレルより引き継いだ後、より的確な継承者にあったにも関わらず、未だに勇者を続けていますね?」

「はあ、まあ、そうなんですけど、特に引き継がせようと思ったりとかはしましたが、なにせそういうときに限って額冠が外せなくなってしまうもので……。」

「それで、どうしたのでしょうか? そういった機会は何度かあったのではないでしょうか?」

「いや、まあ、ありましたけど、特にその場で引き継がせようとは思わなかったりした事もあったんですよ。」


 正直言うと最初の頃は逃げ出したいと何度も思った。ファルやエドに会ったときなんて特に! それ以外にもロッヒェンやエルに対してもそう思ったことはある。才能ある人が継いだ方がいいんやろな、的な事考えてました! ファルやエドはともかくロッヒェンは自ら辞退しそうな感じではあるし、エルは闇の力の影響で額冠を受け付けないという都合がある。

 他は……プリメーラとか? でも、アイツは今はまだ早い。今継がせたら調子に乗るだろうし、世界が色んな意味でハチャメチャな事になりそうなので無理。あくまで将来的な候補の一人である。ロッヒェンとどっちかって事になるだろうな。


「ですが実際にそうなさっていないのは何故でしょうか? あなたは自発的に勇者の額冠を外した事もあったと多くの人が証言していますよ?」

「いや、あれはノリっていうか……大武会という場所で個人的な戦いをするのに勇者の力を借りるのは何か違うなと思ったところ、何故かはずせてしまったんですよ、ハイ。」

「その場のノリ……。そんな軽い気持ちで外そうと思ったのですか? それが通じるのなら、継承目的で外す事が出来ないと説明が付きませんよ?」

「そんなことを言われてもねぇ……。」

(カンカン!!)

「被告人、もう少し真面目に証言してください。」


 裁判官が突如、手元にあった小さな槌で音を鳴らし、俺に注意を促す。別にふざけていた訳ではないが、見ている側からしたら真剣にやっているように見えなかったようだ。俺もこういう場には慣れていないので、どうしても素の自分が出てしまうからこういう受け答えになってしまったのだ。


「はい、ごめんなさい……。」


 確かに自発的に外す事も出来たタイミングもあったんだよなぁ。実際あの時は無意識的にそういう行動を取ってしまった上での出来事だから、いつでもという訳にもいかない。後は聖歌隊の時もそうか? あれは下手に正体がバレたらマズイと思って咄嗟に外したもんだから、これも意識的にという訳じゃない。他人から見たらどっちかわからんのだから、証明のしようがない。困った。


「これまでのあなたの証言はあなたの行為の潔白を証明するには不十分に思われます。これに対して弁明の余地はありますか?」

「え? えーと……、」

「裁判官、彼にはこれまでの行為に対しての理由、勇者に至るまでの経緯において、疑惑があるのです。発言してもよろしいでしょうか?」

「では、参考人、シャルル・アバンテ殿、お願いします。」

「しゃ、シャルル・アバンテ!?」

(カンカン!!)

「被告人、静粛にしてください。」

「は、はい、すんまそん!」


 ビックリして思わず噛んでしまったぜよ! だっていきなりシャルル・アバンテだぞ! 初めて見た! なんか眼鏡が特徴的な人がいると思ったら、先々代の勇者じゃねーか! カレルの師匠! しかもエルのお父さん! 眼鏡が特徴とは聞いていたけど、こんなところにしれっと出席してるなんて誰も思わないよ!


「あ、え? シャルルさん? 初めまして、ですよね? こんなところで会えるとは思ってなかったもので……動揺してしまいました。」

「はじめまして。勇者ロア。私の弟子が勇者の座を託したというあなたに会いたいと日々思っていましたよ。ですが……このような場での対面になろうとは思いませんでしたよ。」


 マジで本物であるらしい! こんなところに何故いるの? 俺の裁判に立ち会うどころか、なんか今から証言しようとしているがどういう事? 俺に有利な証言でもしてくれるんだろうか? だって、先々代だよ? 同じ勇者を経験した事のある人なら、俺の気持ちもわかってくれるはず! というか……お義父さん! お願いします!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

辺境で静かに暮らしていた俺、実は竜王の末裔だったらしく気づけば国ができていた

平木明日香
ファンタジー
はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。 それから幾千年。 現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。 そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。 ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。 だが彼自身はまだ知らない。 自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。 竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。 これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...