【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~

Bonzaebon

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第1章 勇者マストダイ!!【勇者なのに……〇〇されました。】

第43話 冬のカマクラ絞り

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「別名”スカルクラッシュ”と恐れられる、この技から逃げ延びた者は誰一人としていませんよ? 今度こそ、オシマイです!」

「さぁて、俺の出番も近いことだし、準備運動でも始めるかな♬」


 スカルクラッシュ……文字通り、頭蓋骨スカルは破砕する程の技のようだ。これを食らうということは確実に死ぬ。それを知っているからこそ、ギリーも余裕をかましているのだろう。このまま俺は死ぬのか? 何か、悪あがきでも出来ないものか? しかし、よく考えたら頭部だけでなんとかするんなら、アレが有効なんじゃないのか?


「ぎゃあああっ!? い、痛い!!」

「どうした、スミス!? もう止めって時にお前がなんで痛がるんだ?」

「か、噛まれてるんですって!! 私が!!」

「なんだと!?」


 そうだ。スミスに巻き付かれたときに思わず「あ」と言おうとして口を開けたまま、この状態に移行したので動かすことが出来た。そのまま噛みついてやったのだ! 口が閉じた状態で絞められていたら、こんなことはできなかったかもしれない。しかも頭部全体を覆ってしまったことが仇となったのである!


(ギリギリ!!)

「痛い痛い! このままでは食いちぎられてします!」

「だからって、技を止めるな! そのまま絞め殺してしまえ!!」

「無理ですって! 私達コボルトが人間に噛みつかれるなんてこと自体、屈辱以外の何者でもないんですよぉ!!」

(パッ!!)


 そのとき拘束は解かれた! 俺はすかさず手枷がついて輪となった腕を利用してスミスの首を捕らえ、捻りを加えて締め上げた。組技を得意とする相手に対して逆に絞め技で対抗したのだ。そのせいか、スミスはあわてふためき冷静さを失ってしまっていた!


「ぐ、ぐ、ぐ! ぐるじい!! ギブ、ギブ!!」

「こ、コラ! お前がギブアップしてどうする!!」

「そんなこと言われても、隊長代理……くふぅ……。」

「落ちたか。」

「ああっ!? 何やってんだよ! 目ぇ覚ませ!! しかも代理とか言ってる場合か!!」


 相手方が慌てふためいている間にスミスを絞め落とすことに成功した。ゆっくりと眠るように落ちていった。ぐったりと舌を出してスミスはのびてしまった。体も延びているが、意識的にものびてしまったのだ。これで決着が付いたはずだ。


「俺の勝ちでいいよな?」

「まだ終わってない! どちらか死ぬまでのデスマッチなんだよ!!」

「じゃあ、スミスをこのまま絞め殺すけど?」

「待てぇ! 殺すことは許さんぞう!!」

「じゃあ、勝ちでいいんだな?」

「くそう! ちくしょう! こんなはずでは……。」


 ギリーはなかなか勝敗が決したことを認めようとしなかったが、スミスが気を失い無防備な状態になったことで認めざるを得なくなった。デスマッチルールではあったが、生殺与奪の件を相手に奪われた時点で結果は同じである事に気付いたのだろう。気を失ってもまだ戦えるんなら、それは化け物以外の何者でもないからな。


「調子に乗るなよ! お前が勝ったところで、残り二人が勝たないと意味がないんだ! 誰か一人が負けた時点で、お前らは死ぬ運命なんだよ!!」

「へっ! 負け惜しみを言いやがって。少なくともお前は俺にぶち殺される運命だ!」

「犬っころが意気がるんじゃねぇぞ!!」


 さっそく2回戦が始まったみたいにイツキとギリーは因縁の付け合いを始めた。俺はなんとか勝ったが、イツキはどう戦うのだろう? ギリー自身は武器を惜しみ無く使うと宣言しているので、俺ほど容易にはいかないはずだ。イツキの戦闘スタイルは判明してないが、大きなハンデであることには変わりがない。


「さぁて、まずはそのままタコ殴りにしてやるかな!」

「このクソ野郎! 俺を処刑台の拘束から解放しろ!!」

「ああん? 知らねえな。解放されたきゃ、自分でしな! あ、それか、このままならスミスみたいに武器は使ってやらないけど、解放した状態なら処刑具で瞬殺するぞ? どっちの死に方がいい?」

「クソみてえな選択させやがって! う○こ味のシチューとシチュー味のう○このどっちを食べるみたいな、選択迫ってんじゃねぇぞ!!」

「クソにう○こ! 受け答えまでまるごと汚物まみれじゃないか! お前に似合いすぎで笑いが止まんねぇよ!!」


 罵詈雑言、誹謗中傷、会話の全てが汚物まみれの地獄絵図となっていた。どっちも極端に口が悪いせいで、どうしても、口汚くなってしまうのだろう。これからデスマッチが始まるという状況もこれに拍車をかける事態となっている。どうにかならないものか……。俺がカボチャ兜に再び処刑台に拘束されている間にそういう目も当てられない状況を見る羽目になってしまった。


「拘束を外しな! 例え武器ありだろうと、無抵抗なまま殴られ続けるよりはマシだ!!」

「意気地のないヤツ! いいぜ! お前をズタボロのボロ雑巾みたいにしてやるからな!!」


 イツキは拘束を解かれることを選んだ。無抵抗なままよりかは動き回って色々足掻くことが出来る方を選択したのだ。選択できるなら、まだいい。俺なんて最初から選択の余地はなかったんだしな。それで良く勝てたものだ。我ながら善戦したと思う。
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