異世界で世界最悪の殺人鬼と対決

ジル

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一 始まり 前編

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  私、渡部 実(わたべ みのり)は私立高校に通う17歳。顔以外はごく普通のどこにでもいる女子高生の1人だ。

「顔以外」と言ったのは、母親がハンガリー人で父親が日本人という家に産まれたからだ。髪と瞳の色は父親譲りの黒なのだが、肌の色や顔の作りまで母親そっくりで、良く英語で話しかけられるほど白人よりな目鼻立ちをしている。

お陰で小学生の頃は良くいじめられた。皆と違う顔立ちのせいで、自分だけ損をしているようで親を恨んだこともあった。

高校に入ってからはイジメられることはなくなったものの、人間不信に陥っていた私は、なかなか友達を作ることができなかった。自分の顔が好きになれず、自分に自信がなかったので人に声をかけることもできなかったし、仏頂面な私に声をかけてくれる人も少ない。いたとしても、表面的な付き合いで、本当の友達とは程遠い。

でも、内心では誰よりも「親友」という言葉に強く憧れていた。いつか自分も親友を作りたいと思っていても、なかなか行動に移せない。

家に帰れば父親と私の2人暮し。ハンガリー人の母は私が物心つく前に家を出ていったきり、戻ってこない。父親は私を男で一つで育ててくれたが、いつも仕事で帰りが遅く、平日はいつも1人で夕飯を食べる。

そんな孤独な毎日に、私はうんざりしていた。学校でも、家でもいつも1人だ。せめて心を許せる友達が欲しい。

そんな孤独な毎日だったが、一つ気分転換になることがあった。それは、ホラー映画やお化け屋敷に行くことだ。そう、私は大のホラー好きだ。

悪趣味と思われるかもしれないので、同級生の子たちには黙っているが。そのせいで、大好きなお化け屋敷に行ってくれる友達がいない。

 そんなある週末、父親がゴルフコンペで不在だったので、勇気を出して1人で遊園地に行った。どうも、期間限定で中世ヨーロッパを再現したお化け屋敷がオープンするらしい。私は胸を高鳴らせ、1人でそのお化け屋敷へ向かった。
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