ちょっと幸せ

柊(ひいらぎ)

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デパートって楽しいところ

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東京駅でちょっと時間ができたので、久しぶりにデパートというところへ入りました。

ちょうど夏のサンダルが欲しかったので、靴のフロアへ。
気に入りのブランドのコーナーに行くと、赤いサンダルに目が留まりました。
すかさず、私より少し年上の女性店員のかたが声をかけてきました。

「サイズ、お出ししますよ」

・・・これが苦手でデパートを避けていました。
ちょっと興味を惹かれたとたんに、声を掛けられる。それが見張られているようで負担に感じていました。

サイズを出してもらい履いてみると、ぴったり。でもブルーの色違いも気になります。
そちらも出してもらい、履き比べてみました。
「ブルー、素敵。こっちにしようかな」

うきうきと言う私に、店員さんが言いました。
「お客様、バッグをお持ちになって鏡をご覧ください」

その通りにしてみて、「あっ」と声が出てしまいました。
色のバランスが、とってもちぐはぐだったんです。

赤のサンダルに履き替えると、ぴったり決まりました。
店員さんが言いました。

「深い赤のバッグに、赤い時計。お客様は赤がお好きなんでしょう」

おっしゃる通りです。赤にしました。
こちらです。



嬉しくなって、他のフロアのブティックにも入りました。

すると、そこでも「こんなものもあります」と、私好みのブラウスを持ってきてくれます。
「どうしてこういうのが好きってばれたんですか?」と尋ねると、店員さんは「ふふふ」と笑うだけです。

デパートの店員さんって、特殊な能力をお持ちなのかな?

インドア派の私は身につけるものを通販で買うことが多いのですが、デパートを見直しました。
というか、年齢を重ねて性格が丸くなり、コミュニケーションをしながらの買い物を楽しく感じるようになったのかもしれませんね。

しかし、好きなものをどんどん目の前に出されては、お金がいくらあっても足りませんね。
デパートに足を運ぶのは、たまの楽しみとします。
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