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一章 英雄のための祝いと祭り
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ティーゼ・エルマは、祝いに溢れる町を軽い足取りで歩いていた。
すっかり男装の似合う幼い容貌は、年頃である十六歳の少女には見えなかった。大きな深緑の瞳は公金たっぷりにキラキラと輝き、彼女のくすんだ栗色の短い髪は、彼女の歩調に合わせて落ち着きなく弾んでいる。
王宮から一時間半の距離にある、ティーゼが暮らすサルサの町も、三日前からお祭り騒ぎが続いていた。
「ティーゼ、上機嫌だなぁ!」
「暇なら食ってかないか?」
祭りに便乗して、路肩で店を出していた見知った男達が、ティーゼにそう声を掛けた。彼らは、ティーゼが幼い頃から、男の子達と走り回って剣を振り回していた事を知っている親しい仲だった。
「今日は仕事も休みだろ? ランドルのところで無料で酒が飲めるらしいぜ」
「ふふふ、今日は飲酒の予定はないんだな! これからギルドまで行くからさ」
「仕事熱心だな? ほれ、サンドイッチやるよ」
ティーゼは、手渡されたサンドイッチに早速かぶりつくと、「じゃあねー」と陽気に手を振り、人混みへと紛れた。
両親が他界してから、ティーゼは引き継いだ小さな菓子店でハーブのビスケットを売り、ギルドの仕事をこなして生計を立てていた。両親は精霊の血を引いていたが、ティーゼは神秘的な美しさも雰囲気も受け継がず、一目では混血児だと分からないほどだ。
ティーゼの両親は、生涯に一度だけ未来を視る【予言の精霊】の血を引いていた。
他種族の血が混じった人間も多くある平和な時代ではあったが、ティーゼの両親は、生粋の精霊を思わせる美しい容姿を持った先祖返りだった。
彼らは、ティーゼが生まれてすぐ、国に関わる未来を視た。
『半魔族という新しい種族が闇より現れ、国王と魔王の結んだ平和を裂こうとする。しかし、一人の英雄が平和を取り戻してくれるだろう』
未来視や予言の力を持った特定の希少種族は、その内容が国に関わる場合は、速やかに報告する事が決められていた。ティーゼの両親は、その未来視の内容を神官に報告した。
それは見事に的中し、その予言を知らない人々も、今は国を上げてお祭り状態だった。
ティーゼも、祭りの初日には、英雄の帰還を祝う演説等を町の広場で聞いた。英雄とその仲間達が、無事に半魔族の王を打ち破り帰還した事、この町も戦争に巻き込まれなかった事を皆で喜び、見知らぬ周りの人間も巻き込んで、二日二晩は酒を飲んで盛り上がった。
王宮では、連日、貴族や王族達による華やかなパーティーも続いていた。魔族領側でも祝いがあり、昨日の夜も、深淵の森の方角から盛大に花火が上がった。
この世界では、人間と魔族と精霊が共存していた。
肉体を持たない生粋の精霊は、魔族とは違って人界に領土を持たず、精霊界で暮らしている。精霊の血が強い人間は、人としての寿命が終わると、精霊王が魂を迎えに来て精霊界に渡って暮らすといわれていた。
ティーゼを昔から知っている町の人々は、彼女が肌を晒すような薄着や、町娘の格好をしない理由を知っている。世界が半魔族により荒らされ始めた頃、彼女は当時遊んでいた少年達と騒動に巻き込まれ、鎖骨の下から胸元にかけて、大きな傷を負ってしまったのだ。
両親は、ティーゼが十三歳の時、眠るように亡くなった。
精霊の原種族と人間の婚姻があったのは、大昔の事で、ティーゼのように平凡な人間として産まれる者も多い時代だった。両親は無事に精霊界へ旅立ったが、自分には精霊王の迎えはないだろうと分かって、ティーゼが前触れもなかった両親との別れから立ち直るには、しばらく時間が掛かった。
とはいえ、傷跡に関しては、ティーゼ自身あまり気にしてはいない。
少年服であれば見事に隠れてしまうので、隠す事に苦労はなかった。昔から男の子に混じって走り回っていた事もあり、動きやすい利点も知っていたから、スカートを履いてみたいという欲求もない。
「でも、ずっとそれを引きずってる奴がいるんだよねぇ」
町のいたるところに貼られたポスターに、腐れ縁のようにずるずると関係が続いている幼馴染の名前を見て、ティーゼは足を止めた。
幼い頃、街で走り回っていたティーゼ達のもとへ、ちょくちょく遊びに来ていた貴族の少年が、ポスターに描かれている彼だった。彼と過ごすようになって二ヶ月が経った頃、一緒に半魔族の騒ぎに巻き込まれたのだ。
彼は傷を負ったティーゼを見て、真っ青な顔で「君、女の子だったの」と呟いた。ティーゼは、痛みに朦朧としつつも「気にするな」と言ったのだが、彼は「ごめん」と消え入るような声で、ずっと謝り続けていた。
貴族は、どうやら男女の礼儀というか、そういった意識に小難しい考え方を持っているらしい。それからというもの、彼は責任を感じて、貴族学校で忙しくなっても必ず時間を見付けては、用もなく会いに来た。
昔は感情豊かな子供だったのに、彼は、急に大人びた笑顔を浮かべるようになった。
両親がなくなった時には、思わず泣いてしまったが、ティーゼは守られたくなくて強くなる努力をした。ここ数年でようやく、幼馴染の友人として接してもらえるようになっていた。彼が、ギルドの仕事について心配事を言わなくなったのも良い兆候である。
風の噂によると、彼は美しい姫と婚約する可能性があるらしい。
街の男達が、茶化しつつも騒いでいた。幼馴染相手だとしても、そんな状況で、異性一人が暮らす平民の家を訪ねるのは良くないと、助言されてティーゼも「その通りだよね」と改めてそう思った。
「国一番で最強の男なんだから、いつまでも昔の事を気にかけるんじゃないっての」
ポスターに書かれている幼馴染の似顔絵を見て、ティーゼは少しの寂しさを滲ませて笑った。
人間でありながら莫大な魔力を持ち、剣術、体術ともに負け知らずの英雄は、ポスターの中で、美貌に拍車掛かった姿で微笑んでいた。
すっかり男装の似合う幼い容貌は、年頃である十六歳の少女には見えなかった。大きな深緑の瞳は公金たっぷりにキラキラと輝き、彼女のくすんだ栗色の短い髪は、彼女の歩調に合わせて落ち着きなく弾んでいる。
王宮から一時間半の距離にある、ティーゼが暮らすサルサの町も、三日前からお祭り騒ぎが続いていた。
「ティーゼ、上機嫌だなぁ!」
「暇なら食ってかないか?」
祭りに便乗して、路肩で店を出していた見知った男達が、ティーゼにそう声を掛けた。彼らは、ティーゼが幼い頃から、男の子達と走り回って剣を振り回していた事を知っている親しい仲だった。
「今日は仕事も休みだろ? ランドルのところで無料で酒が飲めるらしいぜ」
「ふふふ、今日は飲酒の予定はないんだな! これからギルドまで行くからさ」
「仕事熱心だな? ほれ、サンドイッチやるよ」
ティーゼは、手渡されたサンドイッチに早速かぶりつくと、「じゃあねー」と陽気に手を振り、人混みへと紛れた。
両親が他界してから、ティーゼは引き継いだ小さな菓子店でハーブのビスケットを売り、ギルドの仕事をこなして生計を立てていた。両親は精霊の血を引いていたが、ティーゼは神秘的な美しさも雰囲気も受け継がず、一目では混血児だと分からないほどだ。
ティーゼの両親は、生涯に一度だけ未来を視る【予言の精霊】の血を引いていた。
他種族の血が混じった人間も多くある平和な時代ではあったが、ティーゼの両親は、生粋の精霊を思わせる美しい容姿を持った先祖返りだった。
彼らは、ティーゼが生まれてすぐ、国に関わる未来を視た。
『半魔族という新しい種族が闇より現れ、国王と魔王の結んだ平和を裂こうとする。しかし、一人の英雄が平和を取り戻してくれるだろう』
未来視や予言の力を持った特定の希少種族は、その内容が国に関わる場合は、速やかに報告する事が決められていた。ティーゼの両親は、その未来視の内容を神官に報告した。
それは見事に的中し、その予言を知らない人々も、今は国を上げてお祭り状態だった。
ティーゼも、祭りの初日には、英雄の帰還を祝う演説等を町の広場で聞いた。英雄とその仲間達が、無事に半魔族の王を打ち破り帰還した事、この町も戦争に巻き込まれなかった事を皆で喜び、見知らぬ周りの人間も巻き込んで、二日二晩は酒を飲んで盛り上がった。
王宮では、連日、貴族や王族達による華やかなパーティーも続いていた。魔族領側でも祝いがあり、昨日の夜も、深淵の森の方角から盛大に花火が上がった。
この世界では、人間と魔族と精霊が共存していた。
肉体を持たない生粋の精霊は、魔族とは違って人界に領土を持たず、精霊界で暮らしている。精霊の血が強い人間は、人としての寿命が終わると、精霊王が魂を迎えに来て精霊界に渡って暮らすといわれていた。
ティーゼを昔から知っている町の人々は、彼女が肌を晒すような薄着や、町娘の格好をしない理由を知っている。世界が半魔族により荒らされ始めた頃、彼女は当時遊んでいた少年達と騒動に巻き込まれ、鎖骨の下から胸元にかけて、大きな傷を負ってしまったのだ。
両親は、ティーゼが十三歳の時、眠るように亡くなった。
精霊の原種族と人間の婚姻があったのは、大昔の事で、ティーゼのように平凡な人間として産まれる者も多い時代だった。両親は無事に精霊界へ旅立ったが、自分には精霊王の迎えはないだろうと分かって、ティーゼが前触れもなかった両親との別れから立ち直るには、しばらく時間が掛かった。
とはいえ、傷跡に関しては、ティーゼ自身あまり気にしてはいない。
少年服であれば見事に隠れてしまうので、隠す事に苦労はなかった。昔から男の子に混じって走り回っていた事もあり、動きやすい利点も知っていたから、スカートを履いてみたいという欲求もない。
「でも、ずっとそれを引きずってる奴がいるんだよねぇ」
町のいたるところに貼られたポスターに、腐れ縁のようにずるずると関係が続いている幼馴染の名前を見て、ティーゼは足を止めた。
幼い頃、街で走り回っていたティーゼ達のもとへ、ちょくちょく遊びに来ていた貴族の少年が、ポスターに描かれている彼だった。彼と過ごすようになって二ヶ月が経った頃、一緒に半魔族の騒ぎに巻き込まれたのだ。
彼は傷を負ったティーゼを見て、真っ青な顔で「君、女の子だったの」と呟いた。ティーゼは、痛みに朦朧としつつも「気にするな」と言ったのだが、彼は「ごめん」と消え入るような声で、ずっと謝り続けていた。
貴族は、どうやら男女の礼儀というか、そういった意識に小難しい考え方を持っているらしい。それからというもの、彼は責任を感じて、貴族学校で忙しくなっても必ず時間を見付けては、用もなく会いに来た。
昔は感情豊かな子供だったのに、彼は、急に大人びた笑顔を浮かべるようになった。
両親がなくなった時には、思わず泣いてしまったが、ティーゼは守られたくなくて強くなる努力をした。ここ数年でようやく、幼馴染の友人として接してもらえるようになっていた。彼が、ギルドの仕事について心配事を言わなくなったのも良い兆候である。
風の噂によると、彼は美しい姫と婚約する可能性があるらしい。
街の男達が、茶化しつつも騒いでいた。幼馴染相手だとしても、そんな状況で、異性一人が暮らす平民の家を訪ねるのは良くないと、助言されてティーゼも「その通りだよね」と改めてそう思った。
「国一番で最強の男なんだから、いつまでも昔の事を気にかけるんじゃないっての」
ポスターに書かれている幼馴染の似顔絵を見て、ティーゼは少しの寂しさを滲ませて笑った。
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