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三章 ラオルテの異変(1)
食堂で、ラビが調査してくると告げた矢先、若い部下達が、急な仕事の要件が出来たとセドリックを呼びに来た。
セドリックは、まだ場所に不慣れだろうからという理由で、ユリシスに、ラビの案内役として付くよう指示した。
ノエルと出歩こうと考えていたラビは、案内役がユリシスである事も気に食わず、「勝手にやるから、今はいらんッ」と断ったのだが、セドリックに「頼みますから、ね?」と心配症を起こされてしまい、渋々了承するしかなかった。
「『いらん』とは、随分な言いようですね」
「お前だってそう思ってるだろ」
「ええ、実に腹立たしい限りです」
『お前らさ、よく目も合わさず喧嘩出来るな』
セドリックを見送りながら静かに殺気立つ二人を見て、ノエルが呆れたようにそう言った。
『まぁいいじゃねぇか。ひとまずは、例の氷山を見てみようぜ』
「……」
『こいつがいれば、上にも行けるんだろ?』
ノエルと目を合わせたラビは、それもそうかと考え直して、ひとまず、ユリシスに屋上まで案内して欲しいと頼んだ。
※※※
警備棟の屋上は、騎士達からは見張り台と呼ばれており、武器が常備された二人用の監視席が設けられていた。そこからは、町の入り口の反対方向である東の大地に聳え立つ氷山が、どしりと腰を構えている様子が一望出来る。
遠くにある雪の大地に佇む氷山は、鋭利な頂を持ち、日差しを受けて深い氷の層を滑らかに光らせていた。
屋上からの監視については、ホノワ村からずっと同行していたサーバルとヴァンが、現在の時間を担当していた。
見張るだけの仕事には暇を持て余しているようで、山から吹き抜ける冷気を伴った夏風に煽られながら、ヴァンが気だるそうに煙草を吹かしていた。彼らはユリシスの姿に気付くと、形ばかりの敬礼を取った。
ユリシスは「こちらの事は気にしないで下さい」と彼らに告げると、東側の方角へラビの視線を促しながら、防壁沿いの塀にある生々しい爪跡を指した。
「氷狼は、壁に爪を立てて、ここまで登って来ました。今のところは踏み込まれるギリギリのところで食い止められてはいますが、大きな害獣ですから、三頭以上で一気に登って来られたら、立ち打ち出来ないでしょうね」
「確か、一昨日にも出たんだって?」
「情報が早いですね」
そうですよ、とユリシスは、半ば納得のいかない顔で答えた。
その戦闘で怪我を負った男達については、町の病院でまだ治療を受けているのだという。傷口は凍傷になっていたそうだが、大事には至らず、切断といった最悪の事態は避けられたそうだ。
ラビは、後方にユリシスを残して、塀に腕をもたれて氷山を眺めやった。
隣に立ったノエルが、塀に前足を掛けて頭を上げ、優雅な漆黒の毛をなびかせながら鼻先を動かせた。
『あの山は、氷狼の巣だな。でも、なんだろうな。山から嫌な匂いがしやがる』
ラビは後ろにいる人間に怪しまれないよう、囁き程度の声で「嫌な匂いって?」とノエルに尋ねた。
『昔嗅いだ事があるんだが――いや、まさかな。あいつらはただの亡霊だ……使い手もいなくなっちまったし、こんなところに【月の石】がある訳でもないだろう』
使い手? 月の石ってなんだろう。
しかし、ラビの疑問は口にはされなかった。ノエルがさっと身をひるがえすと、そこにユリシスがやってきて、彼女の隣から氷山の方を眺めた。
「随分熱心に見ていますね。人間よりも、風景の方が落ち着きますか」
「……なんか、ヤな言い方だなぁ」
ラビが塀にもたれると、彼もこちらを見ないまま腕を組んだ。
「それで? 何か気付いた事はありますか」
「ん~、特にはないけど……氷狼が、命を落とす事を覚悟で町にやってくる理由ってなんだろうなって、ちょっと考えてた」
その時、不意にノエルが、ラビの足を尻尾で撫でた。
『気になる事がある。氷狼が辿った道の上を調べてみたいから、とりあえず外に降りてみようぜ』
監視席の向こう側には、外へ降りられる梯子が設置されており、ノエルが顎をくいっと向けた。
なるほどね、とラビはその意見に賛成するように頷いた。
実際に現場を見た方が、分かる事も多いだろう。
「――あの、ちょっと下に降りてみたいんだけど」
ノエルに背中を押されながら、ラビは、ユリシスの横顔に尋ねた。彼が、「なんですって?」と怪訝な顔を向け、何を言っているんだこの馬鹿は、と表情で非難してきた。
「だから、氷狼の足跡とか確認してみたいから、ちょっとそこまで降りてみたいんだ」
「君は、話しを聞いていましたか。氷狼は、日中問わず出てくるんですよ。万が一やってきたら、君の足では到底逃げ切れません」
『臭いがしねぇから大丈夫だ。あいつらに動きがあれば、俺の鼻が察知する』
「今は大丈夫。……ッと獣師の勘が言ってる!」
ユリシスが疑い深い目を細めたので、ラビは慌ててそう付け加えた。
二人のやりとりを見守っていたサーバルとヴァンが、「やめとけって」「やめた方がいいよ」と口にした。しかし、しばらく考えていたがユリシスが、ふと「いいでしょう」と言った。
「けれど、責任は負いませんよ。調査にあたった騎士団の人間が、大怪我をした事だけは肝に命じておいて下さい」
ラビはガッツポーズをすると、早速監視席の方へと向かい、梯子に手を掛けた。
優しい笑い皺のあるサーバルが、目尻を下げて「やっぱり危険だよ」と青い顔でラビを説得した。
「一度興奮した氷狼には、威嚇射撃も効かない。いくら剣の腕があると言っても、氷狼は一度に二、三匹でフォーメーションを組んで襲撃してくるしッ」
「だいじょーぶだって」
ラビは梯子に足を掛けながら、目も向けずサーバルの台詞を遮った。サーバルは、ラビの身体がすっかり梯子の向こうに行ってしまうと、「あぁぁぁ」と情けない声を上げた。
ユリシスが念の為、監視席の足場に置かれているライフルを取り上げ、使用可能であるか確認する。
新しい煙草をくわえたヴァンが、火をつけて一煙吐き出した後、サーバルに「おい」と声を掛けた。氷狼の体表には効かないとはいえ、上手く眼球を狙えば、多少なりともダメージを与えて時間稼ぎは出来る。
「諦めろ。あのガキは、聞く耳を持たないタイプだ」
「まさにその通りですよ。諦めなさい、サーバル」
「ユリシス様、どうしてあの子どもを一人で行かせたんですかッ」
獣師は動物の専門家であり、特に害獣に対しては慎重になるので安心出来るのだが、あの少年獣師は、サーバルから見ると恐れ知らずで、どうも危なっかしい気がしてならないのだ。
ヴァンも同様の見解を覚えてはいたが、上司が決めた事ならと反対はしなかった。とりあえず、最悪の事態を想定して放火銃も用意したが、先月から許可なく外へ降りる事が禁じられていたる現在、この状況を隊長のグリセンが知ったら、卒倒するだろうなとは思った。
ユリシスは、ライフルを塀に立てかけると、サーバルの問いに答えるよう振り返った。
「彼は他の獣師と違い、何かしら確信のある物言いをしていたので、許可しました。……あと、引きとめるのも面倒になりましたし」
「後者が本音ですよね!?」
屋上でそのような会話が繰り広げられていた頃、ラビは、早々に梯子の中央まで下りて来ていた。
頑丈な鉄で作られた梯子の上は、山から下りてくる初夏の風が強く吹いていた。木の防壁には大きな爪跡が複数残されており、梯子にも真新しい引っ掻き傷が見られた。
ノエルは屋上から飛び降りると、翼が生えているような軽やかさで地面へと着地していた。砂利を踏みしめ、辺りの臭いを嗅ぎ、ラビを見上げる。
『早く降りてこいよ』
「ここから飛び降りたら大変な事になるよ」
ラビは口の中で愚痴り、誤って手足を滑らせないよう慎重に地上を目指した。
大地にようやく足がつくと、無事に到着した安堵感が込み上げて、ラビは身体の強張りを解くように吐息をこぼした。
セドリックは、まだ場所に不慣れだろうからという理由で、ユリシスに、ラビの案内役として付くよう指示した。
ノエルと出歩こうと考えていたラビは、案内役がユリシスである事も気に食わず、「勝手にやるから、今はいらんッ」と断ったのだが、セドリックに「頼みますから、ね?」と心配症を起こされてしまい、渋々了承するしかなかった。
「『いらん』とは、随分な言いようですね」
「お前だってそう思ってるだろ」
「ええ、実に腹立たしい限りです」
『お前らさ、よく目も合わさず喧嘩出来るな』
セドリックを見送りながら静かに殺気立つ二人を見て、ノエルが呆れたようにそう言った。
『まぁいいじゃねぇか。ひとまずは、例の氷山を見てみようぜ』
「……」
『こいつがいれば、上にも行けるんだろ?』
ノエルと目を合わせたラビは、それもそうかと考え直して、ひとまず、ユリシスに屋上まで案内して欲しいと頼んだ。
※※※
警備棟の屋上は、騎士達からは見張り台と呼ばれており、武器が常備された二人用の監視席が設けられていた。そこからは、町の入り口の反対方向である東の大地に聳え立つ氷山が、どしりと腰を構えている様子が一望出来る。
遠くにある雪の大地に佇む氷山は、鋭利な頂を持ち、日差しを受けて深い氷の層を滑らかに光らせていた。
屋上からの監視については、ホノワ村からずっと同行していたサーバルとヴァンが、現在の時間を担当していた。
見張るだけの仕事には暇を持て余しているようで、山から吹き抜ける冷気を伴った夏風に煽られながら、ヴァンが気だるそうに煙草を吹かしていた。彼らはユリシスの姿に気付くと、形ばかりの敬礼を取った。
ユリシスは「こちらの事は気にしないで下さい」と彼らに告げると、東側の方角へラビの視線を促しながら、防壁沿いの塀にある生々しい爪跡を指した。
「氷狼は、壁に爪を立てて、ここまで登って来ました。今のところは踏み込まれるギリギリのところで食い止められてはいますが、大きな害獣ですから、三頭以上で一気に登って来られたら、立ち打ち出来ないでしょうね」
「確か、一昨日にも出たんだって?」
「情報が早いですね」
そうですよ、とユリシスは、半ば納得のいかない顔で答えた。
その戦闘で怪我を負った男達については、町の病院でまだ治療を受けているのだという。傷口は凍傷になっていたそうだが、大事には至らず、切断といった最悪の事態は避けられたそうだ。
ラビは、後方にユリシスを残して、塀に腕をもたれて氷山を眺めやった。
隣に立ったノエルが、塀に前足を掛けて頭を上げ、優雅な漆黒の毛をなびかせながら鼻先を動かせた。
『あの山は、氷狼の巣だな。でも、なんだろうな。山から嫌な匂いがしやがる』
ラビは後ろにいる人間に怪しまれないよう、囁き程度の声で「嫌な匂いって?」とノエルに尋ねた。
『昔嗅いだ事があるんだが――いや、まさかな。あいつらはただの亡霊だ……使い手もいなくなっちまったし、こんなところに【月の石】がある訳でもないだろう』
使い手? 月の石ってなんだろう。
しかし、ラビの疑問は口にはされなかった。ノエルがさっと身をひるがえすと、そこにユリシスがやってきて、彼女の隣から氷山の方を眺めた。
「随分熱心に見ていますね。人間よりも、風景の方が落ち着きますか」
「……なんか、ヤな言い方だなぁ」
ラビが塀にもたれると、彼もこちらを見ないまま腕を組んだ。
「それで? 何か気付いた事はありますか」
「ん~、特にはないけど……氷狼が、命を落とす事を覚悟で町にやってくる理由ってなんだろうなって、ちょっと考えてた」
その時、不意にノエルが、ラビの足を尻尾で撫でた。
『気になる事がある。氷狼が辿った道の上を調べてみたいから、とりあえず外に降りてみようぜ』
監視席の向こう側には、外へ降りられる梯子が設置されており、ノエルが顎をくいっと向けた。
なるほどね、とラビはその意見に賛成するように頷いた。
実際に現場を見た方が、分かる事も多いだろう。
「――あの、ちょっと下に降りてみたいんだけど」
ノエルに背中を押されながら、ラビは、ユリシスの横顔に尋ねた。彼が、「なんですって?」と怪訝な顔を向け、何を言っているんだこの馬鹿は、と表情で非難してきた。
「だから、氷狼の足跡とか確認してみたいから、ちょっとそこまで降りてみたいんだ」
「君は、話しを聞いていましたか。氷狼は、日中問わず出てくるんですよ。万が一やってきたら、君の足では到底逃げ切れません」
『臭いがしねぇから大丈夫だ。あいつらに動きがあれば、俺の鼻が察知する』
「今は大丈夫。……ッと獣師の勘が言ってる!」
ユリシスが疑い深い目を細めたので、ラビは慌ててそう付け加えた。
二人のやりとりを見守っていたサーバルとヴァンが、「やめとけって」「やめた方がいいよ」と口にした。しかし、しばらく考えていたがユリシスが、ふと「いいでしょう」と言った。
「けれど、責任は負いませんよ。調査にあたった騎士団の人間が、大怪我をした事だけは肝に命じておいて下さい」
ラビはガッツポーズをすると、早速監視席の方へと向かい、梯子に手を掛けた。
優しい笑い皺のあるサーバルが、目尻を下げて「やっぱり危険だよ」と青い顔でラビを説得した。
「一度興奮した氷狼には、威嚇射撃も効かない。いくら剣の腕があると言っても、氷狼は一度に二、三匹でフォーメーションを組んで襲撃してくるしッ」
「だいじょーぶだって」
ラビは梯子に足を掛けながら、目も向けずサーバルの台詞を遮った。サーバルは、ラビの身体がすっかり梯子の向こうに行ってしまうと、「あぁぁぁ」と情けない声を上げた。
ユリシスが念の為、監視席の足場に置かれているライフルを取り上げ、使用可能であるか確認する。
新しい煙草をくわえたヴァンが、火をつけて一煙吐き出した後、サーバルに「おい」と声を掛けた。氷狼の体表には効かないとはいえ、上手く眼球を狙えば、多少なりともダメージを与えて時間稼ぎは出来る。
「諦めろ。あのガキは、聞く耳を持たないタイプだ」
「まさにその通りですよ。諦めなさい、サーバル」
「ユリシス様、どうしてあの子どもを一人で行かせたんですかッ」
獣師は動物の専門家であり、特に害獣に対しては慎重になるので安心出来るのだが、あの少年獣師は、サーバルから見ると恐れ知らずで、どうも危なっかしい気がしてならないのだ。
ヴァンも同様の見解を覚えてはいたが、上司が決めた事ならと反対はしなかった。とりあえず、最悪の事態を想定して放火銃も用意したが、先月から許可なく外へ降りる事が禁じられていたる現在、この状況を隊長のグリセンが知ったら、卒倒するだろうなとは思った。
ユリシスは、ライフルを塀に立てかけると、サーバルの問いに答えるよう振り返った。
「彼は他の獣師と違い、何かしら確信のある物言いをしていたので、許可しました。……あと、引きとめるのも面倒になりましたし」
「後者が本音ですよね!?」
屋上でそのような会話が繰り広げられていた頃、ラビは、早々に梯子の中央まで下りて来ていた。
頑丈な鉄で作られた梯子の上は、山から下りてくる初夏の風が強く吹いていた。木の防壁には大きな爪跡が複数残されており、梯子にも真新しい引っ掻き傷が見られた。
ノエルは屋上から飛び降りると、翼が生えているような軽やかさで地面へと着地していた。砂利を踏みしめ、辺りの臭いを嗅ぎ、ラビを見上げる。
『早く降りてこいよ』
「ここから飛び降りたら大変な事になるよ」
ラビは口の中で愚痴り、誤って手足を滑らせないよう慎重に地上を目指した。
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