拾われた僕の末路

ポチ

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1、新しい世界で拾われる

登録に検査は必須

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男と引き離されて、あのテレビ画面の向こうに行かないよう、僕は男が受付を済ませる間、ギュ……と男に抱きついた。

男は、ポンポンと僕の頭を撫でてあやして、受付が終わるとロビーから離れ、通路を進んで個室に入った。

白衣を着た人間がうろうろして、病院のような清潔感のある雰囲気が建物の中は漂っている。


「今から登録をするから、大人しくするんだぞ。」
男はそう言ってドアに内側から鍵をかけ、鍵を胸ポケットにしまった。

身長、体重などの測定、血液型を確認するための採血などが順番に、男の手で行われる。

「じゃあ、次は口の中みるから。椅子に座って。」
歯医者でよく見るような大きな椅子に腰掛けると、男の手で口を開かれ、中を覗かれる。

「ふぁ…あ……ぅあいい」
「なに?喋るな。今チェックしてるから。」
医者以外に口の中なんて見せたことない…。なんだか恥ずかしい気持ちになったが、ここで暴れたり逃げたりしたらあのテレビ画面の向こうに行くのかと思うと我慢できた。


死にたかったんだから、そんな、口腔ケアなんて全然できてない。余計に恥ずかしかった。


「んー……よし。契約者登録を済ませるぞ。首輪をつける。」
黒くて細い革の紐を見せられ、首に巻かれて鍵をかけられる。本来なら、人間がつけるものではないのに、今の状態で感覚がマヒして受け入れてしまっている。


首輪から伸びるリードを持たれ、僕の感情はぐちゃぐちゃだった。


「ほかの検査は家に帰ってからしよう。」
リードをグイッと引っ張られ、僕の頭が男の胸の前に来たところを、優しく撫でられ、髪に手ぐしを入れられる。


クイクイとリードを引っ張りながら、部屋を出て受付に挨拶をして、僕を連れて家に帰った。

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