拾われた僕の末路

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1、新しい世界で拾われる

保護施設での登録

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少し休んでから、保護施設に連れていかれた。

大きなビルの待ち受けには、テレビのモニターのようなものがいくつも並んでいる。


モニターには、若い男が何人も裸で映し出されて、白衣を着た研究員に身体を触られていた。

「やめろ!さわるな!」「ここドコだよ!」「家に帰りたい」「注射はやめ……」
口々に色々なことを叫びながら、「検査」をされている。

頭に機械をつけられたり、脚を広げられて腸内を見られてまさぐられたり、点滴や注射を打たれたり……

そんな光景を、ロビーでは男たちがニヤニヤしながら眺めていた。


「良さそうな転移者は、オークションにかけられるからな。皆下見に来てるんだよ。あの、すみません。登録にきたのですが…」
僕に状況を教えながら、男は受付を済ませる。


「あの…ぼくも、これ…っ……」
叫び声を聴きながら、男の洋服の裾をくいっと引っ張り、尋ねる。

「転移者が変な人間じゃないかの確認をしないといけないし、オークションにかけるならこれは義務だから仕方ない。」
受付の美人なお姉さんと話をする傍ら、ボソボソと答えてくれる。


「……嫌か?1回死んだんだろ?ここが、お前の天国だぞ。」
頭を軽く撫でられながら、顔を覗き込まれ、僕は涙目になった。

「ぼくは、どうせ天国なら、幸せになりたかった……のにっ…みんな、やだ…こんなの……」
ひっ…ひっ……と、過呼吸を起こしながらまだ全然知らない男の胸に手を伸ばして、ワイシャツを両手で掴んで震えがとまらない


「じゃあ、…………、………………」
男がボソボソと呟き

「俺の物になるなら、オークションは無しになるが、どつする?」
僕は、その言葉を聞いて男の胸に顔を埋めて、こくこくと頷いた。

男の口が、にや…と笑っているのも知らずに。
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